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2020年7月16日

アイヌ文化 復興・発展を

「ウポポイ(民族共生象徴空間)」 
年間入場者100万人めざす 
舞踊や楽器演奏など体験プログラム充実 
北海道白老町

国立民族共生公園では伝統的な踊りなどが披露される

国がアイヌ文化の復興・発展の拠点と位置付ける「ウポポイ(民族共生象徴空間)」が今月12日、北海道白老町にオープンした。国立アイヌ民族博物館と国立民族共生公園などから構成されており、存立の危機にあるアイヌ文化を継承し、多様で豊かな共生社会の実現を世界に発信する施設として期待されている。

ウポポイの中核施設である国立アイヌ民族博物館

静かな湖面に映る白い雲。そのほとりには、かやぶき屋根が立ち並ぶ。のどかな景観は、“北の大地”の原風景を思わせる。

かつてアイヌが集落を形成した北海道白老町のポロト湖畔にウポポイがオープンした。ウポポイとは、アイヌ語で「大勢で歌うこと」の意味。さまざまな人がアイヌ文化を体験し、価値観を共有することへの願いが込められている。

中核施設である国立アイヌ民族博物館は、鉄骨造り3階建て。展示室では、動植物はもとより、家、山や湖などにも「神(カムイ)」が宿るとして、自然を敬い暮らしてきたアイヌの精神文化を紹介。また、巧みな手仕事で作られた狩りの道具や衣服などが並び、アイヌの暮らしを知ることができる。館内にはこのほか、映像シアター室や資料室を備えている。

国立民族共生公園は、体験型フィールドミュージアム。ユネスコ無形文化遺産に登録されている古式舞踊の公演のほか、伝統的な楽器の演奏やアイヌ文様の刺しゅう、木彫り工芸品の実演なども体験できる。

オープン初日には、家族連れなど2068人が来場し、多彩な体験メニューに人気が集まった。道内外から600校を超える修学旅行の予約も入っている。アイヌ民族文化財団民族共生象徴空間運営本部の藤田望本部長補佐は、「年間入場者100万人をめざして、さらにプログラムを充実させたい」と語った。

公明 国と地方の連携で推進

展示物からはアイヌの暮らしを知ることができる

1899年に制定された「北海道旧土人保護法」(1997年廃止)などを基に、アイヌはアイヌ語の使用を禁止され、自然との共生を重んじる宗教性や伝統文化を否定されるなど、いわゆる「同化政策」の下で差別を受けてきた。

2007年、国連総会で「先住民族の権利宣言」が採択されたことを契機に、政府は08年に「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」を設置。アイヌ民族を先住民族と認め、09年の報告書で「象徴空間の整備」を提言した。

昨年、アイヌ民族を初めて「先住民族」と明記した新法「アイヌ民族支援法」が成立。去る11日に行われた開業記念式典で萩生田光一文部科学相は、「存立の危機にあるアイヌ文化を復興・発展させる拠点として、各省庁が連携し整備を進めてきた」とあいさつ。菅義偉官房長官は、「アイヌの方々が民族としての名誉と尊厳を保持し、次世代に継承していくことは、多様な価値観が共生し、活力ある共生社会を実現するためには極めて重要」と述べ、今後も国を挙げてアイヌ施策を推進することを強調した。

公明党は、「北海道アイヌ協会」などと連携し、太田昭宏全国議員団会議議長をはじめとする歴代の国土交通相を中心に同施設の開業を強力に推進。地方議員もアクセス向上など周辺環境の整備に全力を挙げてきた。

相互理解深めるきっかけに

公明党北海道本部代表 稲津久 衆院議員

わが国の貴重な文化を伝えるウポポイに、オープン初日から多くの方が来場されました。これまで尽力してくださった関係者の皆さまに心から感謝申し上げます。

アイヌの人たちは、厳しくも恵み豊かな“北の大地”と共に生き、長い営みの中で育んだ文化は、私たちの生活に息づいています。ウポポイは、アイヌ文化の復興・発展のためだけでなく、差別のない多様で豊かな共生社会実現の象徴となる大切な施設です。

さまざまな体験を通じて、異なる民族や文化に対する相互理解を深めるきっかけとなることを期待し、今後もPRや魅力向上に努めてまいります。

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