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【2023年】物価の高騰対策でもらえる支援金について紹介

2023年、我々を取り巻く日常の中で「物価の高騰」が深刻な問題となっています。食品からエネルギーまで、あらゆるモノ・サービスの価格が上がり、生活費が増える一方で、収入がそれに追いつかないという事態に直面しています。
本記事では、物価高騰の現状を詳しく説明し、国が提供する様々な支援金や自治体の取り組み、企業向けの支援などについても触れていきます。
物価高騰という大きな波が我々の生活に影響を与える中、どうすればこの事態を乗り切ることができるのか、そのヒントを見つけていただければ幸いです。
今後も続く物価の高騰
日本は現在、急激な物価上昇に直面しています。特に、2022年後半から加速したインフレは今も続いており、その終息の兆しを探ることは難しい状況です。これにより消費者は大きな負担を感じており、家計は深刻な事態となっています。
2023年6月には、食品や飲料といった生活必需品の値上げが発表され、事態はさらに厳しさを増しています。このような状況下で、物価高をカバーするだけの賃金の上昇が実現するかどうかが大きな注目点となっています。
参考:【日本の2023年賃上げ事情】中小企業も対象に!経済政策によって企業の賃金引き上げは本当に実施されるのか?
3,500品目以上もの物価が高騰
2023年6月には食品や飲料といった生活に密着した品目が値上げされ、その数は全体で3,500品目以上にも上ります。
具体的には、調味料が1,674品目、加工食品が1,612品目を占め、カップ麺は567品目が値上げの対象です。
しかし、この価格上昇は6月だけの問題ではありません。7月以降も、輸入小麦や生乳の価格上昇、電気代の引き上げなどを背景に、さらに多くの商品で値上げが予定されています。
こうした状況により、価格上昇後の商品の売れ行きが伸び悩むなど、消費者の生活防衛の志向が鮮明となっています。
相次ぐ物価高騰の原因
物価高騰の背景には複数の原因があります。
その中でも、ロシアとウクライナによる戦争と、止まらない円安が主な要因です。
ロシアとウクライナは、食糧・エネルギー・肥料などの必要不可欠な商品において主要な供給国であり、戦争によってこれらの供給が脅かされています。
また、2022年にはロシアのウクライナ侵攻と米国FRBの金融引き締め策が重なり、一時期、1ドル=151円台まで円安が進行しました。
この急激な円安の影響で、原材料の輸入コストが大幅に上昇してしまったのです。輸入コストが急激に上昇したことにより、食料品や工業製品などの原材料を輸入に頼っている業種では、輸入コストが単純計算で35%以上も上昇し、企業努力だけではどうしようもない状況になりました。
物価が高騰している一方で、国は補助金を出して、国民の負担が軽減されるよう対策を強化しているんだコメ!
うん。公明党は、「電気・ガス価格激変緩和対策事業」や「下請けGメンの増員」などの対策を推進して生活者の家計を守っているんだよ。下記で詳しく見てみよう!
エネルギーに関する物価の高騰は国の支援対象
日本政府は、近年のエネルギー価格の高騰に対処するため、低所得世帯や中小企業への支援策を打ち出しています。家庭や事業所のエネルギー費用を抑制し、生活の困難を和らげることを目的に、ガス代や電気代、そしてガソリンや原油価格の高騰に対する支援が行われています。
ガス代の支援金
2023年に入り、日本全国でガス代が上昇傾向にあります。 これは、 ウクライナ情勢や円安などの影響により、ガスの原料となる液化天然ガス(LNG)の価格が高騰していることが主な原因となっています。
そのような状況の中、政府はガス料金の急激な上昇に対抗するための補助金を導入し、経済産業省は、「電気・ガス価格激変緩和対策事業」を発表しました。
具体的な支援内容としては、2023年2月以降のガス料金請求分から、都市ガス料金については1立方メートルあたり30円の補助が実施されています。月間使用量が30立方メートルの場合、その支援額は月額900円になります。
これらは、申請不要で割引が適用されています。
詳しくは、下記記事をご覧ください。
参考:ガス料金が値上がりしている理由は?補助金や節約術についても解説
電気代
日本の電気代は2020年以降、急騰を続けており、2022年までに特に従量電灯は161%も高騰しました。高騰の大きな要因は、燃料費の上昇、電力供給の不足、そして再生可能エネルギー発電促進賦課金の増大です。
政府は、2023年1月に「物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策」の一環として、「電気・ガス価格激変緩和対策事業」を立ち上げました。電力会社が料金を上げる一方で、家庭や企業の負担を軽減すべく、「激変緩和措置」が導入されました。
補助の具体的な額は契約の種類によります。低圧契約者は、2023年1〜8月の使用分で1kWhあたり7円、9月分は3.5円の補助を受けられます。高圧契約者も、同じく1〜8月で1kWhあたり3.5円、9月分は1.8円の補助を受けられます。
10月以降は未定ですが、今後のエネルギー価格の動向をふまえ、政府には必要に応じて機動的な対策を期待したいところです。
詳しくは、下記記事をご覧ください。
参考:【朗報】2023年1月から電気代は安くなる!2022年電気代(電気料金)が値上げされた理由も徹底解明します
ガソリン・原油価格も高騰
原油価格の高騰も物価高騰の一因であり、企業や消費者に大きな打撃を与えています。
その原因として、以下3つの要因が挙げられます。
- ウクライナ侵攻の影響による、ロシアの原油供給滞り
- 石油在庫の世界的な不足
- 新型コロナウイルス感染拡大による、備蓄石油の放出
原油価格の高騰は、ガソリン価格にも影響を与えています。
新型コロナウイルスの感染拡大により一時的に落ち込んでいたガソリン需要の世界的な回復、OPECプラスによる原油減産継続、そして円安傾向が重なり、ガソリン価格もまた高騰しています。
これに対し、日本政府も対策を講じています。経済産業省は「燃料油価格激変緩和補助金」を実施しています。これは全国平均ガソリン価格が1リットル170円以上になった場合に、1リットルあたり最大5円を補助する施策です。
国から支給される支援金とその対象者
物価高騰に対応するため、日本政府は様々な対策を実施しています。その中でも支援金は、地方自治体、低所得世帯や子育て世帯、中小企業・事業者と広範囲に渡って支給されています。
地方創生臨時交付金
新型コロナウイルス感染症の長期化に伴い、原油価格の上昇や電気・ガス料金の増加など、物価高騰が社会に深刻な影響を及ぼしています。この状況を受けて、内閣府は地方経済や住民生活の安定を目指し、「地方創生臨時交付金」の創設を決定しました。
この交付金の対象となるのは地方自治体です。
地方自治体が地域の具体的な状況に対応した事業を行えるように設計されており、原則として、自由にこれらの資金を活用することができます。
2020年度第1次補正予算から始まり、2022年度第2次補正予算の2023年3月28日閣議決定の予備費までを合わせると、交付金の総額は18兆円以上に上ります。地方自治体ごとに交付限度額が設けられており、その額は人口規模や財政状況によって異なります。
地方創生臨時交付金は、新型コロナウイルス感染症の長期化と、それに伴う物価高騰からくる困難を、地方自治体が乗り越え、地域の活性化を進めるために、非常に重要な役割を果たしています。
子育て世帯生活支援特別給付金
「低所得の子育て世帯に対する子育て世帯生活支援特別給付金」は、2021年から開始され、現在も続けられています。18歳以下の子供、または20歳以下の障がいを持つ子どもを持つ家庭が主な対象で、一人の子どもにつき5万円が支給され、子どもの数に比例して増加します。主に、低所得の単親家庭や住民税が非課税相当の家庭に対して提供されています。
この給付金は、児童手当の受給資格がある低所得のひとり親世帯と、住民税が非課税等の条件に該当するふたり親世帯には、申請不要で支給されます。なお、2023年の給付金も、2022年度の「子育て世帯生活支援特別給付金」を受給した世帯には申請不要で支給される予定です。
支給条件などの詳細な情報は、各自治体のホームページで確認できます。
賃上げの実施
物価高騰に対する政策として、補助金や支援金による金融支援が注目を集めていますが、物価上昇に見合った賃上げが必要であるというのは、国や企業そして生活者が共有している認識です。
政府もこの問題を重要視し、企業・事業主を対象として、賃上げを促進する政策を既に実行しています。その一つが「賃上げ促進税制」です。これは、青色申告書を提出する中小企業などが前年度より給与の支給額を増加させた場合、増加額の一部を法人税(個人事業主の場合は所得税)から控除できるという制度です。この政策は、2022年4月1日から2024年3月31日までの各事業年度に適用されます。
一方、厚生労働省も賃上げを後押しするための施策を行っています。「業務改善助成金」を設け、中小企業や小規模事業者の生産性向上を支援するとともに、最低賃金の引き上げに取り組んでいます。これは国が中小企業や小規模事業者の業務改善を支援し、従業員の賃金引き上げを目指す制度です。
企業・事業者向けの支援
物価の高騰は、個人消費者だけでなく、企業や事業者にも大きな影響を及ぼします。製品やサービスのコスト増加は、経営に深刻な打撃を与え、特に中小企業や個人事業主はその影響を直に感じています。このような状況を改善するため、国や各自治体は様々な対策を講じています。
中小企業を守る『下請Gメン』
急激な円安や原材料費の高騰が影響し、コスト上昇分を取引価格に転嫁することが必要な中小企業が存在します。価格交渉を経て納品価格を上げることができた会社もある一方で価格交渉が認められず、取引先を失う中小企業も出てきています。
中小企業庁の調査によれば、価格交渉が行えず、逆に値下げを要求される企業も存在し、取引企業の1割は価格の協議すらできていないという結果が出ています。法的には、正当な理由での値上げ交渉拒否は違法ですが、実際には下請け企業が声を上げにくい状況です。
この問題を解決するために、中小企業庁は調査員を全国に派遣し、取引先に分からない形で価格交渉が適正に行われているかを確認します。悪質な取引相手には大臣名で指導・助言が行われ、大手企業にも対策が働きかけられます。このように国は取引の監視を強化し、中小企業の経営環境を保護しようとしています。
中小企業のコスト上昇が適切に価格に反映されることで、企業の売り上げと利益が増え、賃金が上がり、消費が拡大するという好循環が期待されます。日本では7割の従業員が中小企業で働いており、中小企業の賃金上昇が経済の活性化に大きく寄与すると考えられます。適正な取引が行われるか否かは、日本経済全体の行方に影響を与えます。
全国の各自治体が独自に実施
全国の各自治体は地域の具体的な状況に合わせた物価高騰対策を進めています。「電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援地方交付金」を増額するとともに、低所得世帯への支援のための「低所得世帯支援枠」を措置している自治体もあります。
2022年度は、地方創生臨時交付金を利用した事業者支援策が2048制度におよびます。これらの制度は、原油や原材料の高騰に直面する事業者に対する直接的な支援を目指しています。
その他にも、運送業者に対する燃料費補助や省エネや再エネ設備導入の補助金、さらには新型コロナウイルス感染症関連の融資を利用する事業者への「事業資金緊急対策事業費補助金」(岩手県遠野市)や「経営安定借換支援」(福井市)といった資金繰り支援策も実施されています。
以上のように、各自治体は、物価高騰に直面する各地域や業種の個別のニーズに応え、多角的な支援を提供することを目指しています。
【都道府県別】物価高騰の対策(一例)
東京都
東京都は、物価高騰に対する支援策として、中小企業者や福祉施設などに対して支援金を支給しています。運輸事業者や銭湯、医療機関や福祉施設などを対象に、国の臨時交付金を活用するなどして支援をしています。
また、東京都産業労働局では、「原油・原材料価格・物価高騰等に係る支援策」として、様々な支援策をまとめています。その内容は、中小企業や個人事業主を対象とした助成金や融資、専門家派遣・相談など多岐にわたります。
大阪府
大阪府は、子育て中の家庭に対する食費支援を行っています。具体的には、10kgのお米またはそれと同等の食料品が支給されます。クーポン形式でも受け取ることが可能で、申請時に選択可能です。
さらに、物価高騰に対する対策として、総額約205億円の補正予算案を発表しました。この予算には、エネルギー費や原材料費の高騰に直面している事業者向けの支援として約109億円、そして子育て家庭やLPガスの利用者に対する支援として約91億円などが盛り込まれています。
福岡県
福岡県は、原油価格の高騰や物価高騰などの影響を受けた中小企業を支援するため、「経営革新原油高騰等克服支援補助金」制度を実施しています。これは、新たな事業展開に取り組むための必要な経費を50万円を上限として補助する制度で、設備機器導入費や広告宣伝費が対象となります。
また、物価高騰の影響を軽減するための補正予算案を発表しました。この予算は、電気やガス、食材などのコスト増を補助する目的で、医療施設、社会福祉施設、保育施設、子ども食堂などに配分されます。さらに、飼料費の上昇により収入が減少した酪農家の支援も行われます。
北海道
北海道では、「お米・牛乳子育て応援事業」(物価高騰対策特別支援事業)を推進しています。その一環として、食料品などの物価高騰に影響を受けている子育て世帯をサポートし、同時に道内産品の消費拡大を目指すために、商品券などを支給しています。具体的には、商品券・電子クーポン・米セットの3種類から選択でき、いずれも8160円相当分の支援となります。
さらに、家庭や事業者の光熱費負担軽減を目的とした、総額200億円規模の物価高騰対策を含んだ補正予算案を提出する予定です。
愛知県
愛知県は、原油や原材料の価格上昇により、困難な経営状況を強いられている地元の中小規模企業を支援するために、「原油価格・物価高騰等総合緊急対策」を実施しています。この対策の中には、企業への資金繰りのアドバイスや経営相談の提供、下請取引の公正化といった内容が含まれています。
また、高騰するLPガスの利用者の負担を軽減する施策として、LPガスを使用している家庭や企業に対し、1利用あたり2000円の支援を計画しています。都市ガスとは異なり、LPガスに対する国の支援策がないため、この支援策が取り決められました。
さらに、物価高騰に対する対策や中小企業、私立大学への支援などについて、約1780億円の補正予算案を発表しました。これにより、中小企業への更なる援助や、県内の私立大学の光熱費補助が行われることになります。
よくある質問
支援金を受け取るために、申請は必要ですか?
支援金を受け取るための手続きは、支援金の種類により異なります。一部の支援金は自動的に対象者へ支給されますが、申請が必要なものもあります。
例えば、子育て世帯への「子育て世帯生活支援特別給付金」のような一部の給付金は、既に政府が把握している情報(例:子どもの人数や年齢)を基に自動的に支給されます。しかし、中小企業への補助金など、特定の条件を満たす必要があるものは、該当する企業が自ら申請を行う必要があります。
これらの申請に関する情報は、各自治体や関連機関のウェブサイトで詳細が公開されていますので、該当するサイトや窓口で確認し、必要な書類の準備や申請期限を確認してください。
「物価高騰等総合緊急対策」とは何ですか?
物価高騰等総合緊急対策とは、政府がコロナ禍における原油価格や電気・ガス料金を含む物価高騰等に直面する生活困窮者や中小規模事業者等への支援を目的として実施する施策です。
この対策には、原油価格高騰対策、エネルギー・原材料・食料等安定供給対策、物価高騰等に直面する生活困窮者への支援等が盛り込まれ、その規模は13兆円以上となっています。
各支援金の受付期間は、どこで確認できますか?
各支援金の受付期間については、それぞれの支援金を実施する政府機関や各自治体の公式ウェブサイトで確認することが可能です。
地域特有の支援金や、実施主体が地方自治体の支援金などについては、それぞれの地方自治体の公式ウェブサイトで詳細を確認することができます。
自治体のウェブサイトでは、地域内の住民や企業を対象とした各種支援金の情報が公開されており、受付期間も含めて確認できます。
まとめ
物価高騰は、私達の生活に深刻な影響を与えており、その対策は急務となっています。この問題を解決するために、国や自治体は多種多様な政策を講じ、各企業もコスト削減や賃上げへ向けての努力を進めています。
各種の支援金を含めた対策を活用することで、物価高騰による家計への圧迫を軽減することができます。また、事業者は各自治体の取り組みを知ることで、今後の事業方針などのヒントを得ることも可能です。
是非お住まいの自治体のウェブサイトなどを、チェックしてみてください。
その“当たり前”実は
公明党が頑張りました!
政党って何してるの?と思う
あなたに知ってほしい、私たちの実績。