子育て・教育
児童手当の所得制限の年収目安はいくら?支給条件や計算式、申請方法もご紹介

「児童手当の所得制限は年収いくらから?」
「児童手当を受け取るための申請方法は?」
このような疑問を持つ人もいるのではないでしょうか?
この記事では、児童手当の所得制限について徹底解説します。支給額の計算方法や支給方法、支給条件についてもわかりやすく説明。児童手当を受け取れるケースや、児童手当のよくある質問にもお答えします。
児童手当の所得制限が気になる人や、出産予定があり児童手当について知りたい人は、ぜひ最後までご覧ください。
児童手当とは?
児童手当とは、子育て家庭の負担を軽減し子どもの健やかな成長をフォローするための支援制度です。昭和47年から始まった制度で、時代に合わせて支給対象や支給額などを変更しながら現在に至っています。2023年3月現在、0歳から中学校卒業までの子どもを育てている人に支給されます。
児童手当の支給額
児童手当の支給額は、子どもの年齢や子どもの数により金額が変わります。令和4年度の年齢ごとの金額は以下のとおりです。
子どもの年齢 | 月額 |
0~3歳未満 | 15,000円 |
3~小学校修了まで | 10,000円※第3子以降は15,000円 |
中学生 | 10,000円 |
所得制限限度額以上
所得上限限度額未満 |
5,000円(特例給付) |
児童手当には所得制限があるため、すべての養育者が満額もらえるわけではありません。子ども2人と年収103万円以下の配偶者がいるケースでは、収入の目安が960〜1,200万円未満の場合、特例給付として月額5,000円の支給です。
児童手当の計算
児童手当は受給者の前年の所得で支給額が決まります。受給者とは生計を維持する程度が高い方を指し、夫婦共働きの場合は所得が高い人が受給者となります。所得制限に該当するかどうか調べるための計算式は以下のとおりです。
児童手当の所得基準額=所得額ー控除額ー8万円
所得から引けるのは医療費控除のほか、障害者控除やひとり親控除などがあります。控除額はそれぞれの家庭で違うため、計算するのが確実です。
児童手当は住所のある市区町村で手続きを行うと、申請した月の翌月分から支給されます。申請時に届け出た銀行口座に振り込まれる形です。ただし、公務員は勤務先から支給されるため、勤務先への申請が必要です。
児童手当の支給にはさまざな条件がある
児童手当の支給には条件があります。ここでは、児童手当の支給条件について詳しく解説します。
条件1 児童手当の支給対象
令和4年度現在、児童手当の支給対象は0歳から中学校卒業までの児童です。年齢や生計を主に担う人の収入により、支給金額が変わります。
条件2 児童手当の支給時期
児童手当は支給時期は2月・6月・10月の年3回で、前月までの4か月分がまとめて支払われます。例えば6月支給の児童手当は、2月から5月までの分となります。
条件3 児童手当の所得制限限度額・所得上限限度額について
児童手当には所得制限があるので注意しましょう。所得制限限度額を超えた収入なら児童手当は月額5000円となり、所得上限限度額を超えていれば児童手当が支給されません。
内閣府では所得制限限度額・所得上限限度額のモデルケースを提示しています。自分の扶養親族の数や収入額の目安と比べてみてください。
扶養親族の数 | 所得制限限度額 | 所得上限限度額 | ||
所得額 | 収入額の目安 | 所得額 | 収入額の目安 | |
0人
(前年度に児童が生まれていない場合) |
622万円 | 833.3万円 | 858万円 | 1071万円 |
1人(児童1人の場合) | 660万円 | 875.6万円 | 896万円 | 1124万円 |
2人(児童1人+年収103万円以下の配偶者の場合) | 698万円 | 917.8万円 | 934万円 | 1162万円 |
3人(児童2人+年収103万円以下の配偶者の場合) | 736万円 | 960万円 | 972万円 | 1200万円 |
4人(児童3人+年収103万円以下の配偶者の場合) | 774万円 | 1002万円 | 1010万円 | 1238万円 |
5人(児童4人+年収103万円以下の配偶者の場合) | 812万円 | 1040万円 | 1048万円 | 1276万円 |
参照:内閣府「児童手当制度のご案内」
【ケース別】児童手当を受け取れる場合
本来、児童手当が受け取れないケースでも、特例として受け取れる場合があります。ここでは、児童手当を受け取れる場合について、ケース別にくわしく解説します。
子どもが国外に在住している場合
児童手当は日本国内に住んでいる子どもに対して支給されるのが原則です。しかし、留学などで一時的に海外に住んでいる場合など、手続きすれば支給されるケースもあります。以下の要件をすべて満たす場合は支給対象になります。
【海外留学時に児童手当を支給できる要件】
(1)児童が日本国内に住所を有しなくなった前日までに日本国内に継続して3年を超えて住所を有していたこと。(日本国内に住所を有しなくなった日の前日から、過去6年間にのべ3年を超えて日本国内に住所を有していた場合も含む)
(2)児童が教育を受けることを目的として外国に居住しており、父母または未成年後見人と同居していないこと。
(3)児童が日本国内に住所を有しなくなった日から、3年以内のものであること。
参照:内閣府「児童手当Q&A」
子どもが親元を離れて施設で生活している場合
父母などが子どもを育てられなくなった場合など、施設で生活する場合も児童手当が支給されます。ただし、受け取るのは施設の設置者や里親など、実際に子どもを養育する立場の人です。子どもの健やかな成長と経済的フォローが目的のため、子どもを直接育てる人が受け取ります。
障がいのある子どもの場合(追加支援あり)
身体障がいや知的障がいなどを持つ子どもには、児童手当のほか特別児童扶養手当の対象となる場合もあります。20歳未満で精神または身体に障がいのある児童を育てている父母などが支給対象で、福祉的支援が目的です。
支給対象かどうかは、医師の診断書をもとに認定します。障がいの程度により手当月額が違い、令和4年度は1級52,400円、2級34,900円の給付でした。給付金額は定額の児童手当と違い、全国消費者物価指数の変動に合わせて変化します。
特別児童扶養手当も児童手当と同じように所得制限があります。児童手当より収入額の目安が低いため、障がいの程度は満たしていても支給されないケースもあります。特別児童扶養手当の所得制限目安は以下のとおりです。
扶養親族の数 | 申請者 | 配偶者・扶養義務者 | ||
所得額 | 収入額の目安 | 所得額 | 収入額の目安 | |
0人 | 4,596,000円 | 6,420,000円 | 6,287,000円 | 8,319,000円 |
1人 | 4,976,000円 | 6,862,000円 | 6,536,000円 | 8,586,000円 |
2人 | 5,356,000円 | 7,284,000円 | 6,749,000円 | 8,799,000円 |
3人 | 5,736,000円 | 7,707,000円 | 6,962,000円 | 9,012,000円 |
4人 | 6,116,000円 | 8,129,000円 | 7,175,000円 | 9,225,000円 |
5人 | 6,496,000円 | 8,546,000円 | 7,388,000円 | 9,438,000円 |
参照:厚生労働省「特別児童扶養手当について」
簡単!児童手当を受け取るための申請方法
児童手当を受け取るための手続きは、子どもが生まれたときや引越ししたときに必要です。簡単なので忘れずに申請しましょう。ここでは、児童手当を受け取るための手続きについてわかりやすく解説します。
認定請求に必要な添付書類を準備する
児童手当を受け取るためには、認定請求に必要な添付書類を準備しましょう。主な添付書類は以下のとおりです。
申請者及び配偶者のマイナンバーが確認できる書類
申請者名義の銀行預金通帳
申請者の健康保険被保険者証のコピー(厚生年金や共済年金などの被雇用者年金加入者のみ)
そのほか、窓口で手続きする人の身元確認のため、免許証やマイナンバーカードの提示が求められる可能性もあります。確実に用意できるよう、お住まいの市区町村のホームページなどで確認するといいでしょう。
生まれた日の翌日から15日以内に、自治体に認定請求書を提出する
児童手当の申請は、子どもが生まれた日の翌日から15日以内に認定請求書を提出しましょう。児童手当は申請した月の翌月分から支給されます。月末に子どもが生まれて手続きが翌月となっても、15日以内であれば申請月から受け取れます。
児童手当のほか、出生届など市区町村で手続きの必要な書類があります。生まれる前から必要な手続きをチェックしておき、まとめて手続きするのがおすすめです。
児童手当に関するお役立ち情報や注意点
所得上限を超え児童手当がもらえない場合、ほかの支援制度を利用できないか探してみましょう。ここでは児童手当に関するお役立ち情報や注意点を解説します。
児童手当の所得制限の適用対象外でも別の支援制度を受けられる可能性がある
所得制限により児童手当が受け取れなくても、地域によっては別の支援制度を受けられるので調べてみましょう。児童手当のように直接現金が支給されなくても、子育て世帯に対する支援が充実しているケースもあります。
例えば所得制限なしで子どもの医療費助成が行われたり、無償で給食が提供されている自治体もあります。
東京都では18歳以下の子どもに対し、所得制限なしで月額5000円を給付する案が出されました。今後も少子化対策で子育て支援が充実していくと考えられるので、自治体の情報をチェックしましょう。
児童手当の振り込み先口座を指定できるのは原則手当を受け取る親のみ
児童手当の振り込み先は申請者の口座のみです。子ども名義の口座には振り込めないので注意しましょう。
児童手当とは別の制度「子育て世帯生活支援特別給付金」がある
児童手当とは別に、低所得の子育て家庭が利用できる「子育て世帯生活支援特別給付金」もあります。低所得の子育て世帯に対し、生活支援を行う目的で2021年3月に発表されました。ここでは子育て世帯生活支援特別給付金について、支給対象や給付額などを紹介します。
子育て世帯生活支援特別給付金 の支給対象
子育て世帯生活支援特別給付金は18歳までの子どもか、20歳未満の障害児が対象です。所得による支給対象は以下のとおりです。
(1)児童扶養手当受給者等(低所得のひとり親世帯)
(2)上記以外の令和4年度分の住民税均等割が非課税の子育て世帯
上記以外にも、新型コロナウイルスで家計が急変した場合も支給対象に認められる場合もあります。
参照:厚生労働省「令和4年度低所得の子育て世帯に対する子育て世帯生活支援特別給付金」
少子化の問題は深刻だコメ。2022年にはついに年間出生数80万人を切ってしまったヨネ。
そうなんだ。だからこそ公明党は危機感を持って子育て世代への支援に力を入れているんだ。児童手当の対象年齢を18歳まで引き上げるように進言したのも公明党なんだよ。
記事:公明党、少子化対策で首相に提言「児童手当、18歳まで対象拡大」
子育て世帯生活支援特別給付金 の給付額
子育て世帯生活支援特別給付金の支給額は、令和4年度の場合、児童1人当たり一律5万円が給付されました。
子育て世帯生活支援特別給付制度のスケジュール
令和4年度の場合、令和4年4月分の児童扶養手当受給者には6月までに支給されました。低所得の子育て世帯は、課税情報が判明したあとの支給でした。申請すれば、直近で収入が減った世帯なども支給対象です。
政府は、令和5年度も5万円給付の検討を始めています。社会情勢などにより、今後も児童手当とは別の給付が行われる可能性もあるため注視しましょう。
児童手当に関するよくある質問
児童手当の手続きなどで疑問を持つ人もいるでしょう。ここでは、児童手当に関するよくある質問についてまとめました。
里帰り出産をした場合は、里帰り先の市町村で児童手当申請は可能?
里帰り先の市町村で児童手当の申請はできません。別の場所で出産し滞在している場合でも、生まれた日の翌日から15日以内に現住所のある市区町村で申請手続きを行う必要があります。出産後の母親が申請に向かうのは難しいため、父親など手続きに行けるよう相談しておくとよいでしょう。
児童手当をもらっている場合の確定申告はどうなる?
児童手当をもらっていても、確定申告する必要はありません。児童手当や児童扶養手当などの給付金は課税対象ではないためです。
児童手当は不要?そんな時は寄付も可能?
児童手当をお住まいの市区町村に寄付することも可能です。寄付を行うには簡単な手続きが必要なので、市区町村にお問い合わせください。
まとめ
児童手当は、子どもの健やかな成長のため家計負担を軽減する目的の給付金です。申請者の所得に応じた金額が給付されるため、所得上限限度額を上回ると受け取れません。児童手当の対象外でも、医療費控除や給食費無償化など自治体独自の子育て支援政策が受けられる場合もあります。
2023年3月、政府は少子化対策の強化で児童手当の調整を行う方向です。支給対象年齢を18歳までにするほか、所得制限の見直しや子どもの多い家庭への加算なども検討されています。現在の児童手当では支給対象外だった人ももらえる可能性があるため、今後の動きをチェックしましょう。
その“当たり前”実は
公明党が頑張りました!
政党って何してるの?と思う
あなたに知ってほしい、私たちの実績。