子育て・教育
【不登校対策ガイド】子どもが不登校になったら?原因と相談先、最新の支援プランを紹介
不登校の子どもを持つ保護者にとって、どのように子どもに接し、サポートしていくかは大きな悩みの一つではないでしょうか。
文部科学省の調査によると、2022年度の不登校児童生徒数は過去最多の約29万9千件(※)に上り、増加傾向が続いています。
※参照:文部科学省
しかし、「子どもとどう向き合えばいいのか分からない」「適切な支援先が見つからない」と悩む保護者の方もいるでしょう。
本記事では、不登校の定義・原因や解決策を詳しく解説するとともに、支援制度や相談窓口、保護者の心構えについてもお伝えします。
不登校になってしまう理由は様々だから、その原因を焦らず探すことが大事なんだヨネ!
公明党では不登校の児童・生徒が取り残されないように、学びを支える環境作りを提言しているんだ。
不登校とは?現代におけるその定義と増加の背景
以下では、不登校の定義や不登校の児童・生徒数について紹介しています。
不登校の現状を把握し、なぜ増加しているのか背景を理解するために、ぜひ参考にしてください。
不登校とは?その定義と最新統計データ
不登校とは、病気や経済的な事情を除いた別の要因によって、年間30日以上学校を欠席した状態を指し、文部科学省では、以下のように定義しています。
「不登校」には,何らかの心理的、情緒的、身体的、あるいは社会的要因・背景により、児童生徒が登校しないあるいはしたくともできない状況にある者 (ただし、「病気」や「経済的理由」、「新型コロナウイルスの感染回避」による者を除く。)を計上。
引用:文部科学省【児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査-用語の解説】 |
文部科学省が2022年度に発表したデータによると、不登校の児童・生徒数はで増加傾向にあります。
- 小・中学校:299,048 人
- 高等学校:60,575 人
参照:文部科学省「令和4年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」
不登校は子どもに合わせた柔軟な対応が必要であり、問題行動として捉えるのではなく、子どもが直面している状況を理解することが重要です。
なぜ不登校が増えているのか?
不登校が増加している背景として、主に以下のような要因が考えられます。
- いじめ
- 身体の不調
- 友人関係や教職員との関係
- 遊ぶためや非行グループとの関わり
- 学業不振
- 家庭環境の変化
- 新型コロナウイルスの影響
- スマートフォンやオンラインゲームの普及
- 生活リズムの乱れ
- 無気力・不安
その他にも家族の介護や外国での長期滞在、国内・外への旅行なども、学校に通えない場合の理由の一つになっています。
また、学校に行きづらいと感じ始めたきっかけとしては、「学校生活」「身体の不調」などが挙げられています。
出典:文部科学省「不登校児童生徒の実態調査結果」
不登校になる背景は、個々の状況や生活環境によって異なり、様々な要因が複雑に絡み合っていることが多くあります。
子ども一人ひとりに寄り添いながら、様々な視点からの支援・サポートが大切です。
不登校の主な原因とタイプ別の解決策
不登校の主な原因とタイプ別の解決策については、以下で解説しています。
不登校の解決に向けては、子ども一人ひとりの状況を理解し、支援・サポートが重要になります。
学業不振や無気力による不登校
学校に行きづらくなる最初のきっかけとして、以下で「勉強面での不安」が挙げられているように、学業不振や無気力は子どもが不登校になる要因の一つです。
- 勉強の遅れに対する不安があった:小学生 64% 中学生 74%
- 進路・進学に対する不安があった:小学生 47% 中学生 69%
出典:文部科学省「不登校児童生徒の実態調査結果」
授業についていけない経験が積み重なると、挫折感や劣等感を生み、学習意欲の低下や無気力につながり、学校生活や学習に対する興味を失い、登校する意味を見出せなくなります。
何をしても上手くいかないという経験が蓄積されていくことで、さらなる無気力を招く可能性も。
家庭でできる不登校の子どもを支える具体的な支援策としては、以下のようなものがあります。
項目 | 詳細 |
学習支援 | ・子どもの学習状況を把握し、つまずいている部分を特定する。
・個別指導の塾・家庭教師の活用など、子どものペースに合わせた学習支援を行う。 ・成功体験を積み重ねさせ、学習意欲を高める。 |
心理的なサポート | ・スクールカウンセラーによるカウンセリングを利用する。
・信頼できる大人との対話を通して、不安や悩みを解消する。 |
生活習慣の改善 | ・規則正しい生活を送れるよう、サポートする。
・適度な運動や趣味などを通して、心身の健康を保つ。 |
また、子どもの心理状態について専門的な知識を持つスクールカウンセラーを活用することも非常に有効です。
スクールカウンセラーは、子どもの心の問題を把握し、サポートするだけでなく、家庭と学校をつなぐ役割も果たしてくれます。
家庭環境や親子関係が原因の場合の対策
不登校の背景には、以下のように様々な家庭環境や親子関係の問題が潜んでいることがあります。
- 家庭の経済的困窮
- 虐待やネグレクト
- 親子間のコミュニケーション不足
- 親からの過度な期待や干渉
- 家族の不和や離婚などの家庭環境の変化
家庭環境や親子関係が不登校の原因となる場合、まず大切なのは、子どもが安心できる居場所を作ることです。
子どもが抱える不安や悩みを理解するために、定期的に対話を重ね、しっかりと話を聞いてあげましょう。
また必要に応じて、教育支援センターや児童相談所、NPO法人などの専門機関と協力して支援・環境を整えていくことも効果的です。
家庭環境や親子関係の改善には時間がかかることが多いため、焦らず取り組むことが大切です。決して自分を責めないようにしてください。
友人関係やいじめによる不登校への対応策
友人関係のトラブルやいじめは、不登校になる原因の一つです。
文部科学省の調査によると、様々な理由のなかの回答一つとして、「友達のこと(いやがらせやいじめがあった)」を理由に不登校になっている人が25%を占めていることが分かっています。
- 小学生:25.2%
- 中学生:25.5%
参照:文部科学省「不登校児童生徒の実態調査結果」
家庭でできる友人関係やいじめによる不登校への対応策としては、以下の通りです。
項目 | 詳細 |
子どもの変化に気づく | ・日々の様子を観察
⇒表情、食欲、睡眠パターンの変化に注意を払いましょう。 ・会話の機会を増やす ⇒「学校はどうだった?」と聞くだけでなく、具体的な出来事について尋ねてみましょう。 |
安心できる環境を作る | ・批判や説教を控え、まずは子どもの話に耳を傾けましょう。
⇒気持ちを受け止める言葉かけを心がける。 ・家庭が安心できる場所だと感じられるよう、温かい雰囲気づくりに努めましょう。 |
学校や専門家との連携 | ・担任教師との定期的な情報交換
⇒子どもの学校での様子や家庭での変化について共有する。 ・スクールカウンセラーの活用 ⇒専門的な見解からのアドバイスを求めましょう。 ・教育委員会や児童相談所への相談 ⇒深刻な場合は、これらの機関に支援を求めることも検討しましょう。 |
いじめは深刻な問題であり、子どもの心身に大きな影響を与えます。
精神的な問題の悪化や自尊心の低下につながる可能性があるため、早期に問題を発見し対応することが重要です。
生活リズムの乱れや引きこもり傾向のあるケース
学校に行きづらくなる最初のきっかけとして、身体的な不調や生活リズムの変化が約4割を占めており、生活リズムの乱れや引きこもりが不登校の原因となるケースが多く見られます。
画像引用元:文部科学省「不登校児童生徒の実態調査結果」
特に中学生や高校生は、行動範囲が広がり、活動の選択肢が増えることで、生活リズムが乱れやすい環境にあります。
対策として、以下のような取り組みが有効です。
- 規則正しい睡眠・食事を行う
- 段階的な外出機会を作る
- 別室登校
- スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーとの連携
生活リズムが乱れた際には、焦らず徐々に規則正しい生活を取り戻せるよう支援することが有効です。
学校と連携して、子どもの状況を把握し、必要に応じて専門機関の支援を受けながら段階的にサポートすることも大切です。
また自己肯定感を高めるための小さな成功体験を積み重ねることや、子どもの将来に対する不安を解消するための進路相談、キャリア教育も効果的です。
COCOLOプランとは?ICTを活用した不登校対策の最前線
COCOLOプランとは、文部科学省が2023年3月に策定した「不登校によって学びにアクセスできない子どもたちをゼロにする」ことを目指した不登校対策です。
特徴としては、以下の通りです。
「誰一人取り残されることのない教育」を実現するために、学校、家庭、地域社会が一体となってサポートし、子どもたちの未来に向けた新しい学びの場を提供する取り組みが進められています。
1人1台端末で心のSOSをキャッチする仕組み
COCOLOプランは、以下のように1人1台端末を活用して児童生徒の心のSOSを早期発見し、必要な支援に結びつける取り組みを行っています。
- 1 人 1 台端末で小さな声を可視化
- 心身の状態や生活リズムの乱れに確実に気付ける
- 素早い支援で最適な支援につなげる
- 子どもや保護者が必要な時に支援が行われる
ICTを活用して毎日、健康観察を行うことで、言葉にできない小さなSOSを、教師やスクールカウンセラーが早期に発見し、適切な支援につなげることが可能に。
自分の心や体と向き合う機会を提供し、相談したい時にはワンタッチで教師やスクールカウンセラーに簡単に連絡できる仕組みが整っています。
この取り組みによって、小さなSOSの早期発見、不登校やいじめの防止、安心して学べる学校の環境整備、保護者への支援などの効果が期待できます。
スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの増員
スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを増員することで、以下のような効果が期待されます。
- 早期発見・早期支援
- 専門的な知識とスキルを持った専門家が対応
- 多様な支援を提供
専門家が常駐することで、子どもの心の問題を早期に発見し、適切な支援につなげることが可能です。
教員だけでは対応が難しいケースであっても、専門的な知識とスキルを持った専門家が対応することで、より質の高い支援を提供することができます。
学校風土の見直しと教育現場の多様化
以下のように、学校風土の改善と教育現場の多様化を推進することで、一人ひとりの個性やニーズに合わせた柔軟な学びの環境を提供し、すべての子どもが自分の力を発揮できる場を作ることが可能になります。
- 学校の風土を「見える化」する
- 学校で過ごす時間の中で最も長い「授業」を改善
- いじめ等の問題行動に対しては毅然とした対応を徹底
- 児童・生徒が主体的に参加した校則等の見直しの推進
- 快適で温かみのある学校としての環境整備
- 障害や国籍言語等の違いに関わらず、色々な個性や意見を認め合う共生社会を学ぶ場に
※出典:文部科学省「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策について」
学校評価の仕組みを活用して、児童・生徒や教職員の視点から学校の風土や雰囲気を「見える化」し、学校運営の改善につなげる取り組みが進められています。
また、障害や国籍などの多様な背景を持つ子どもが、共に学び合える場を整備することも重視。
いじめや暴力等の問題行動には毅然とした対応を徹底し、犯罪行為があった場合は警察とも連携する体制も構築を目指しています。
加えて、校則の見直しやルール作りに子どもたちが主体的に参加を促し、学校の一員としての自覚や規範意識を高める工夫も求められています。
これらの取り組みを通じて、学校が子どもたちにとって「また行きたい」と思えるような、快適で安心できる場所になることが期待されます。
フリースクールや通信制高校の利用:不登校生徒への選択肢
不登校生徒に対する選択肢として、以下のような役割を担うフリースクールや通信制高校もあります。
フリースクールや通信制高校は、自分のペースで学習を進められるため、学び直しながら新たな進路や目標を見つける機会も得られます。
フリースクールとは?その役割とメリット
フリースクールは、学校に馴染めず不登校になった子どもたちを対象とした民間の教育機関で、主な役割とメリットは以下の通りです。
項目 | 詳細 |
主な役割/メリット | ・居場所の提供
・学習支援 ・心のケア ・社会とのつながり ・進路支援 |
フリースクールは学習塾やクラブ活動とは異なり、子ども一人ひとりの興味やペースに合わせた柔軟な学びを提供。
さらに、自然体験や創作活動を通じて、学び以外の成長も促すことで、社会性やコミュニケーション能力が身に付けられます。
フリースクールでは、教育相談やカウンセリングを通じて、子どもたちの精神的なサポートを行い安心できる居場所を提供し、社会的な孤立を防いでくれます。
通信制高校や編入・転学制度の活用
通信制高校や編入・転入制度には、以下のような特徴があります。
項目 | 詳細 |
通信制高校 | ・自分のペースで学習可能
・在宅学習が中心 ・通学頻度を選べる ・働きながら学べる ・個別サポートが充実 ・多様な進路に対応 |
編入・転学制度 | ・新しい環境に身を置ける
・単位を引き継げる ・高校卒業資格を得られる |
全日制高校とは異なり、通信制高校は在宅学習が中心で通学頻度を選べるため、自分のペースで学習を進められます。
一人ひとりの学習状況に合わせた個別サポートが充実しているだけではなく、大学や専門学校への進学、就職など、多様な進路に選択肢にも対応しています。
一方で、編入・転学制度は、新しい環境で学ぶ機会を得られるだけでなく、前の高校で取得した単位を引き継げる点が大きなメリットです。
ただし、科目や単位数が異なる場合は、追加の単位取得が必要になることもあるので注意が必要です。
不登校経験者のための支援プログラムや事例紹介
以下では、不登校経験者のための支援プログラムや事例の一部を紹介しています。
- オンライン不登校支援
- メタバース登校
オンラインによる不登校支援では、学校以外の場所から授業に参加できるため、学習の遅れを取り戻したり、自分の興味や関心のある分野を学んだりすることが可能です。
またメタバース登校では、自身のアバターを通して、現実とは異なるバーチャル空間で授業や活動に参加できます。
このように、オンラインやメタバースでの学習支援や相談を活用することで、自宅でも安心して勉強に取り組むことができ、人間関係によるストレスや学習の遅れも心配ありません。
自治体や地域で利用できる不登校相談窓口と支援策
自治体や地域で利用できる不登校相談窓口と支援策については、以下で紹介しています。
お住いの地域の窓口・支援策を把握するためにも、参考にしてください。
地域ごとに異なる不登校対策と相談窓口の紹介
以下では、不登校に関する各地域の相談窓口を紹介しています。
北海道・東北エリア
項目 | 相談窓口 |
北海道 | ・不登校支援ポータルサイト「保護者向け」
・道内の各市町村における不登校児童生徒の支援に係る相談窓口別 【札幌市】 |
青森県 | 市町村における相談窓口・公的機関に関する情報 |
岩手県 | 教育支援センター ・フリースクール等民間団体 |
宮城県 | ・学校に登校していない児童生徒への支援について
【仙台市】 |
秋田県 | 秋田県の主な相談電話一覧 令和6年度 スクールソーシャルワーカー活用リーフレット |
山形県 | ・不登校児童生徒の自立支援 |
福島県 | 子どもに関する相談窓口 |
関東エリア
項目 | 詳細 |
茨城県 | 不登校児童生徒の支援について |
栃木県 | いじめ・不登校など、子供に関する相談窓口 |
群馬県 | すべての子どもたちが学び続けるために |
埼玉県 | 不登校の子供たちとその保護者を支援するためのサイト
【さいたま市】 |
千葉県 | ・都道府県教委が実施する不登校児童生徒支援施策に関する情報
・都道府県及び市町村における相談窓口・教育支援センター・フリースクール等の情報 【千葉市】 |
東京都 | ・東京都教育委員会 不登校・中途退学対策 |
神奈川県 | ・不登校でお悩みの児童・生徒、保護者のみなさんへ
【横浜市】 ・横浜市の不登校児童生徒支援事業、保護者支援、民間機関連携情報など 【川崎市】 ・かわさきしこどもページ KAWASAKI U18 不登校についての相談 【相模原市】 |
中部エリア
項目 | 詳細 |
新潟県 | 新潟県いじめ対策ポータル
【新潟市】 |
富山県 | ・「不登校でお悩みの方へ」 |
石川県 | ・石川県教育支援センター一覧 |
福井県 | ・不登校サポートガイドブック「ひとりじゃないよ ~すべての子どもの笑顔のために~」 |
山梨県 | ・県内の教育支援センター・フリースクール等 |
長野県 | ・「生徒指導」内の「不登校支援」(支援機関に関する情報)及び「電話相談」(相談窓口に関する情報)
・(知事部局の県民文化部こども若者局次世代サポート課作成)となりんぐ信州ー子ども・若者支援団体のご紹介(支援機関に関する情報) |
岐阜県 | ・教育相談窓口 |
静岡県 | 静岡県 不登校支援ポータルサイト ~不登校児童生徒、保護者、学校のためのサポート~
【静岡市】 【浜松市】 |
愛知県 | ・不登校でお悩みの児童・生徒、保護者の皆さまへ
名古屋市 |
三重県 | ・三重県教育委員会の所管する相談窓口 |
近畿エリア
項目 | 詳細 |
滋賀県 | 県内の専門的な相談機関 |
京都府 | ・京都府教育庁指導部学校教育課
【京都市】 |
大阪府 | ・大阪府教育センター すこやか教育相談(電話、LINE、面接等)の案内
【大阪市】 【堺市】 |
兵庫県 | ・不登校への対応
【神戸市】 |
奈良県 | 不登校支援 |
和歌山県 | ・和歌山県内の不登校児童生徒の学びの場・居場所等について |
中国・四国エリア
項目 | 詳細 |
鳥取県 | 不登校の相談 |
島根県 | 悩みの相談窓口 |
岡山県 | ・いじめ、不登校などの生徒指導に関する相談窓口
【岡山市】 |
広島県 | ・県内の支援機関、相談窓口等
【広島市】 |
山口県 | ・山口県教育委員会 教育相談・相談窓口一覧 |
徳島県 | 不登校児童生徒への支援について(学びの場・相談機関) |
香川県 | ・教育相談窓口 |
愛媛県 | 学校が苦手な児童生徒の保護者の方へ(支援に関する情報まとめページ) |
高知県 | ・高知県心の教育センター |
九州・沖縄エリア
項目 | 詳細 |
福岡県 | 福岡県不登校児童生徒支援リーフレットについて
【北九州市】 【福岡市】 |
佐賀県 | 保護者のための不登校対応支援ガイド~子どもたちが状況に応じた支援につながるために~ |
長崎県 | 不登校児童生徒の支援に係る情報提供 |
熊本県 | 相談窓口一覧
【熊本市】 |
大分県 | 「不登校児童生徒支援ガイド(令和6年3月)」を作成しました! |
宮崎県 | 青少年に関する窓口一覧 |
鹿児島県 | 不登校支援ガイド お子様について,こんな困りごとはありませんか |
沖縄県 | 都道府県教育委員会が設置する相談窓口 |
不登校は全国的に共通の課題である一方で、地域ごとに異なる対策や支援の取り組みが行われています。
まずは、在籍している学校に連絡を取り、お住まいの地域にある相談窓口にご相談ください。
スクールロイヤー(学校内の第三者弁護士)の役割
スクールロイヤーは、学校における法的問題に関して、専門的な知識と経験に基づいた助言やサポートを行う役割を担います。
具体的な役割としては、以下のようなものがあります。
- いじめ問題への対応
- 学校事故への対応
- 保護者からのクレーム対応
- 教職員の労務問題
- 給食費などの未納問題
いじめ・ハラスメントなど、学校内の法的問題から、学校運営や法令遵守に関する助言・予防策まで相談が可能です。
スクールロイヤーへの相談方法は、学校によって異なることがありますが、一般的な流れとしては、以下の通りです。
項目 | 詳細 |
相談者 | 教育委員会の指導主事、校長、教職員など、制度により異なる。 |
相談ルート | 校長が直接事務所に電話する場合や、教育委員会を通す場合がある。 |
相談日 | 随時相談できる場合や、決まった相談日にのみ相談が可能な場合がある。 |
相談方法 | メールや電話によるリモート対応、または対面での相談。 |
相談場所 | 学校、弁護士事務所、教育委員会など |
参照:第二東京弁護士会
スクールロイヤーは、学校に関わる人々に対して法的サポートを提供し、問題の解決や予防において重要な役割を担っています。
地方自治体の不登校対策プロジェクトの紹介
以下では、各地方自治体が行っている不登校対策プロジェクトの一例を紹介しています。
自治体 | 取り組み例 |
北海道 | ・教育支援センター・フリースクール
・こころの授業 ・電話/メールによる子ども専用の相談窓口の設置 ・スクールソーシャルワーカーの配置 |
東京都 | 【港区】
・タブレット端末を活用したオンライン授業/教育相談など ・年1回の保護者アンケートと年3回の生徒アンケートを活用し、不登校防止のための学校改善 ・保健室登校の生徒に対し、担任や養護教諭が連携して個別支援を行い、希望する教科の学習や進路指導 ・特別支援委員会で、不登校生徒一人ひとりの支援策を協議 【板橋区】 ・【別室指導教室の開設】 ⇒別室指導教室は毎日2校時から5校時まで(水曜は給食まで)開放され、生徒は自由に過ごせる ・【ボランティアの活用】 ⇒開室時間は教員が担当し、大学生ボランティア(10名)も参加して生徒のニーズに対応 ・定期的な委員会の開催 【別室指導教室の整備】 ⇒学習、談話、リラックス、パーソナルスペースを整備し、生徒の多様なニーズに対応できる環境を整備 |
神奈川県 | ・スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置
・大学生ボランティアによるサポート ・教育支援センターへの教員配置 ・学校とフリースクールの連携 ・メタバースを活用した居場所づくり ・野外活動プログラムの提供 |
新潟県 | ・各学年における年間指導計画に基づいた部落問題学習、人権教育の確実な授業実践
・人とのかかわり方や自分自身を振り返るための異学年交流活動の実施 ・教職員の学びを深めるための生徒指導上の諸問題をテーマとした研修会の実施 |
兵庫県 | ・魅力ある学校づくりを推進
・早期発見・早期対応の体制構築 ・校内サポートルームの設置 ・学生ボランティア「ハートフレンド」の導入 ・不登校相談会の実施 ・心の健康観察による支援 ・総合教育センターに不登校支援部門を設置 |
広島県 | 通常の教室への復帰を前提とせず、生徒にとっての居場所であり成長の場を提供し、「生きる力」を育むことを目指している不登校SSR推進校への支援 |
出典:北海道苫小牧市「いじめ・不登校対策」東京都教育委員会「不登校・中途退学対策」神奈川県「不登校対策事業」新潟県「いじめ対策ポータル」兵庫県「全県一丸となって進める「ひょうご不登校対策プロジェクト」の推進」文部科学省「不登校等児童生徒への 支援の充実に向けて」
これらの活動は教育機会の確保にとどまらず、生徒一人ひとりが安心して自分らしく学べる環境を整えるために重要な取り組みの一つになります。
ぜひ、お住まいの地域で実施されている取り組みを確認し、身近なサポートを積極的に活用していきましょう。
不登校に関するよくある質問とその解決策
不登校に関するよくある質問とその解決策については、以下の通りです。
不登校について不安を感じている方は、無理せず子どものペースで学校への復帰や新たな進路を考えるためにも、ぜひ参考にしてください。
Q1:子どもが不登校になったら、まずどこに相談すべき?
子どもが不登校になった場合、最初に在籍校に相談しましょう。
担任の先生やスクールカウンセラー、養護教諭と話し合い、学校でどのような対応やサポートが可能かを確認します。
その他の相談先として、以下の機関があります。
- 教育センター
- 教育相談所
- 教育支援センター
- 児童相談所
- 保健所
- 精神保健福祉センター
相談窓口の名称や内容は地域によって異なるため、各都道府県や市区町村に問い合わせしましょう。
子どもが不登校になった際には、一人で抱え込まず、早めに学校や専門機関に相談し、適切なサポートを受けながら、子どもが安心して復帰できる環境を整えることが大切です。
Q2:子どもが学校に戻るまでのサポート方法
子どもが学校に戻るまでのサポート方法としては、以下のような取り組みが効果的です。
- 家庭を安心できる居場所にする
- 部分的な登校
- 生活リズムを徐々に整える
- 学習面でのサポートとして、オンライン授業や家庭教師を活用
- フリースクールや地域の活動に参加し、社会とのかかわりを持たせる
- カウンセリングや心理療法を受けることも有効
最初は部分的な登校やフリースクールなど学校外の学びの場を利用しながら、子どものペースに合わせて、少しずつ登校への意欲を引き出していきます。
朝起きる時間や食事、睡眠のリズムを整え、心身の健康を保つことも重要です。
また小さな成功体験を積み重ねて、自信を取り戻すことも大切です。
学習や趣味などの活動を通じて、達成感を感じさせる場を提供しましょう。
これらの方法を組み合わせて環境を整え、子どもが無理なく学校に復帰できるよう支援することが大切です。
Q3:不登校が子どもの成績や進路に与える影響
不登校が子どもの成績や進路に与える影響として、学習機会の減少や成績低下、進学や就職における選択肢が狭まるリスクが挙げられます。
しかし、2024年8月29日に文部科学省は、義務教育段階の不登校児童生徒が学校外で学習した成果を学校での成績に反映できるようにする法令改正を公布・施行しました。
以下のように、実際に学校外の機関で相談・指導による出席扱いとなった児童生徒は32,623人、自宅でICTなどを活用して学習活動を行い、出席扱いとなった児童生徒は10,409人に達しています。
画像引用元:不登校児童生徒が欠席中に行った学習の成果の成績評価に係る法令改正
ICTや外部の学習支援を通じて得た知識や技能も、学校での成績評価に含めることが可能となり、不登校の子どもたちの学習機会や進路における選択肢が広がることが期待できます。
また文部科学省は、不登校の児童生徒が欠席中に取り組んだ学習成果を成績に反映できるよう学校教育法施行規則を改正しました。
これは公明党の提言を受けたもので、子どもたちの努力を適切に評価し、自立を支援する体制を整えることが目的です。
学校教育法施行規則の改正が、公明党が提案して実現したんだヨネ!
みんながそれぞれのペースで安心して学べる環境が、さらに広がるんだ。
不登校に対する今後のアプローチ
不登校に対する今後のアプローチとしては、以下の方法が有効です。
子ども一人ひとりに寄り添いながら、学校や地域、家庭が一体となって支援することが大切です。
子どもの心のケアを優先し、無理のないペースで見守りながら、環境整備を進めていきましょう。
教育現場や地域との連携で子どもを支える
現代の教育課題に対応するためには、学校教育を超えて地域全体が連携し、教育環境の格差や家庭教育の課題を含む多様な問題に対処することが重要です。
活動例としては、以下のような地域全体で子どもたちの学びと成長を支えるために、地域住民や団体が参加し、「学校を核とした地域づくり」を推進する地域学校協働活動があります。
活動名 | 内容 |
まちづくり・地域課題解決型学習・郷土学習 | ・地域住民から「ふるさと」について学ぶ。
・地域の産業や商店街での体験学習、郷土の伝統・文化に関する学習など。 |
放課後子ども教室 | すべての児童を対象に、学習や体験・交流といった活動。 |
地域未来塾 | 中学・高校生を対象に教員OBや大学生などの協力で行う学習支援。 |
家庭教育支援活動 | 寄り添いが必要・不登校傾向にある子どもへの対応について保護者が学び合う機会づくり。 |
学校に対する多様な協力活動 | ・登下校時の見守りや、花壇や通学路の整備など、学校周辺の環境を整える活動。
・本の読み聞かせ、授業や部活動のサポート、企業などが協力する土曜学習講座の提供といった、教育支援活動の実施など。 |
地域の行事、イベント、お祭り、ボランティア活動等への参画 | ・地域イベントでのボランティア体験学習や、伝統行事やお祭りでの伝統文化・芸能の発表、楽器の演奏など。
・地域の防災訓練などにも参加。 |
これらの活動は学習支援に加えて、地域の伝統文化の体験や職場体験学習、自然体験などの体験活動も行っており、地域全体で子どもたちをサポートしています。
子どもの心を見守りつつ、無理なく向き合う方法
子どもの心を見守りつつ、無理なく向き合うためには、以下のような方法で寄り添ってあげることが大切です。
- 子どもの気持ちに寄り添う
- 小さな変化に気づく
- 無理に急かさない
- 信頼できる大人との関わりを増やす
- 成長を焦らずに見守る
- 自己肯定感を育む
子どもの小さな変化も見逃さず、徐々に環境に慣れていけるようサポートしていきましょう。
また親だけでなく、スクールカウンセラーなど信頼できる大人との関わりを増やすことで、子どもが安心できる環境を広げることができます。
学校外での活動などを通じて、子どもが達成感を感じられるようサポートし、自己肯定感を高めて自信を取り戻すきっかけを作ることも重要です。
親自身が精神的に疲れてしまうと、子どもへの冷静な対応が難しくなり、ストレスや不安から無意識にプレッシャーを与える可能性があるため、自分自身を決して責めないことが大切です。
このように子どもの心に寄り添い、無理なく向き合うためには、まず子どもの気持ちを理解し、共感することが大切です。
その“当たり前”実は
公明党が頑張りました!
政党って何してるの?と思う
あなたに知ってほしい、私たちの実績。