千代田区立麹町中学校校長の「学校の当たり前をやめた。」読後感
民間の学習支援団体や子ども食堂、不登校の親の会など
子どもたちに関わってくださっている愛情あふれる方々と
交流させていただいているおかげで
今の子どもたちが何を求めているのか教えられる機会があります。
そこで紹介された本「学校の当たり前をやめた。」を読みました。
著者は現役の千代田区立麹町中学校校長工藤勇一先生です。
公立中学で教育改革に挑んだ千代田区立麹町中学校・工藤勇一校長は、
「服装頭髪指導は行わない」「宿題を出さない」「中間・期末テストの全廃」
「固定担任制の廃止」などが注目を集め
マスコミでも数多く取り上げられています。
なぜ公立の学校でここまでできるのかと興味深く読ませていただきました。
工藤先生は「学校は子どもたちが社会の中で
よりよく生きていけるようにするためにあると思っている」と言います。
その為には子どもたちには
「自ら考え、自ら判断し、自ら決定し、自ら行動する資質」
すなわち「自立」する力を身に付けさせていく必要があります。
今、日本の教育は自立を育むことと真逆のことをしているように感じる。
手取り足取り丁寧に教え、壁に当たればすぐに手を差し伸べる。
けんかや対立が起これば担任が仲裁に入り、仲直りまで仲介する。
そうして手厚く育てられた子どもたちは、
自ら考え、判断、決定、行動できず
「自立」できないまま大人になっていきます。
そして大人になってからも何か壁にぶつかると
「会社が悪い」「国が悪い」と誰かのせいにしていしまうのです。
一部抜粋
私たち親もこれと同じ事をしてきたのではないかと思います。
特に母親は、よかれと思って子どもの行動を指図したり教え込んだり。
私自身反省する事ばかりです。
今、地域の学習支援団体では教えない教育を始めています。
教えないとは、勉強したくなるのを待っている状態です。
これが不思議!
いろいろな仕掛けはしているので、
自ら勉強する子が増えてきました。顔も輝いています。
インターネットの普及によりグローバル化は社会に多様性をもたらし、
急速な情報化や技術革新は生活を質的にも変化させています。
生まれたときからスマホがあり
ITが当たり前の社会で育った今の子どもたちは、
解き方があらかじめ定まった問題を効率的に解ける力を育む教育では、
これからの社会で活躍できるのでしょうか。
子どもたちには、社会の加速度的な変化の中で
膨大な情報から何が重要かを主体的に判断し、自ら問いを立てて
その解決を目指し、他者と協働しながら
新たな価値を生み出していくことが求められています。
以前にもご紹介しましたが、
「みんなの学校」と呼ばれている大阪の公立小学校は
「すべての子どもが安心して学んでいる奇跡の学校」として注目を集め、
劇場版『みんなの学校』としてご覧になった方もいらっしゃると思います。
みんなの学校の木村 泰子元校長先生と
工藤先生は本当に気が合い交流を進めているそうです。
先進的な取り組みは簡単にはできないでしょうが、
まず、議会で一石を投じるつもりでご紹介し、
できるところから進めて言ってほしいと願っています。