第3回定例会一般質問
○6番(石山 満)
公明党の石山満です。発言の機会をいただきありがとうございます。それでは、発言通告に従って質問させていただきます。
初めに、ビッグデータを活用した保健事業について伺います。
昨年の第2回定例会一般質問で国民健康保険における電子レセプトの導入と活用による効果的な医療費の抑制と予防に重点を置いた保健事業を取り上げました。市は本年7月に県内で初めて特定健診やレセプトのビッグデータを活用した保健事業に取り組むことを発表しました。
これはデータヘルスと言われるもので、特定健診やレセプトのビッグデータを分析し、被保険者の全体的な健康状況、受診状況、医療費状況を把握し、本市における健康課題を明らかにした上で、効果が高いと思われる対象者を抽出し、対象者に合ったメニューで保健事業を実施し、被保険者の疾病予防や重症化予防につなげていくことで、被保険者の健康を保持し、医療費の適正化を図り、市民の保険料などの負担の増加を抑えることが期待されています。本年度は、データヘルスの計画策定に向けて、民間機関の協力を得て、ビッグデータの分析に着手する予定となっています。
そこで、伺いますが、本年度中にビッグデータの分析はできるのでしょうか、またビッグデータの分析結果の活用については、どのような具体的対策をデータヘルスの計画に盛り込む考えであるのか、市長の御所見をお聞かせください。
○市長(吉田雄人)
御質問ありがとうございました。まず、保健事業に関しまして、ビッグデータの分析スケジュールとデータヘルス計画に盛り込む具体的な内容について御質問をいただきました。
昨年度、高齢化等により年々ふえ続ける医療費の適正化や被保険者の健康寿命の延伸に向けて、国保の財政健全化計画を策定いたしました。ビッグデータの分析は、財政健全化計画に基づいて、特定健診やレセプトなどの膨大なビッグデータを分析して、疾病予防や重症化予防につなげるなど、保健事業を効率的・効果的に進めていくためのものです。
分析のスケジュールとしましては、民間の2つの事業者の協力を得まして、本年12月までにビッグデータの分析を完了し、その後、分析結果から明らかになる健康課題に対する保健事業の目的、目標、対象者、実施方法等を検討して、本年度中にデータヘルス計画を策定したいと考えています。データヘルス計画に盛り込む内容につきましては、保健師を中心とした効率的・効果的な保健事業を考えていますが、その具体的な事業については、データ分析の結果を待って検討していきたいと考えています。
○6番(石山 満)
市では特定健診の結果に応じて、市内の医療機関で専門家からアドバイスや支援を受けられる特定保健指導を4月から無料とし、生活習慣病予防の促進を図っています。ビッグデータの分析から抽出された対象者には、保健指導により疾病予防や重症化予防の改善が見込まれる対象者と、既に重症化にある対象者が想定されます。重症化した対象者への対応は、保健指導では対処し切れません。その場合の対策はどうしていくのか、市長の御所見をお聞かせください。
○市長(吉田雄人)
重症化した対象者への対策について御質問をいただきました。
御指摘のとおり、既に重症化してしまっている方に対しては、保健師による保健指導が難しいケースもあります。しかし、重症化している方の中には、例えば医療機関を受診していなかったり、受診を中断してしまったりしている方など、保健指導が必要な方もいらっしゃると思いますので、積極的に受診勧奨することによって、医療機関と連携しながら対応していきたいと考えています。
○6番(石山 満)
ビッグデータの分析結果を活用する上で予防のための保健指導は重要ですが、最近では保健指導の効果を上げる取り組みとして、栄養学や医学的な専門知識による食生活指導と運動指導を連携させた保健指導と運動によるアプローチが注目されています。運動に関する知識と指導の仕方は、医師だけでなく、管理栄養士、保健師の方々でも余り得意ではないと言われる方が少なくありません。特に運動を続けるためには本人のやる気が大きく関係し、食生活の改善とあわせて運動指導の重要性が指摘されています。
本市においても保健指導の効果を上げる取り組みとして、データヘルスの計画策定時に保健指導と運動をどのように進めるかについて検討していただきたいと思います。また、その際には専門的な知見を持つ県立保健福祉大学と連携して取り組んではどうでしょうか、市長の御所見をお聞かせください。
○市長(吉田雄人)
データヘルス計画策定時に保健指導と運動について、県立保健福祉大学と連携して取り組むことについて御質問をいただきました。
運動指導は、栄養指導と並んで生活習慣病の予防に欠かせない要素であると認識しています。そこで、本市ではラジオ体操やウオーキングなどの運動習慣の定着に取り組むとともに、運動プログラムの作成や指導を行う健康運動指導士の育成を図っているところです。ことしの4月に健康保険課に配置した保健師5名のうち2名は健康運動指導士の資格を持っていまして、今年度中にさらに1名がこの資格を取得する予定です。データ分析を行った後に策定するデータヘルス計画の中には、ぜひこの運動指導も盛り込んでいきたいと考えています。
また、県立保健福祉大学とは現在、栄養指導の部分で連携を考えていますが、御提案のとおり、運動指導の部分についても連携することができないか検討してまいりたいと思います。
○6番(石山 満)
ビッグデータを活用した保健事業は、疾病予防や重症化予防につなげ、健康を保持し、医療費の適正化を図る効果が期待できるものの、一方で、目標値ありきで医療費を過度に抑制し、被保険者にとって必要な医療が提供されなくなるとの懸念も指摘されています。したがって、適切な医療機関への受診の機会と効果的な健康促進施策となるように進めていただきたいと思います。
次に、教育委員会が実施する食育について伺います。
生活習慣病予防における食生活と運動の重要性をさきに述べましたが、これは成人に限ったことではありません。子どもたちの食生活においても、その重要性は変わりません。特に成長期における子どもたちにとって、食生活と運動が基本的生活習慣の確立と体力の向上には欠かせません。平成22年度から24年度までの小学校3年生と5年生及び中学2年生を対象に実施された横須賀市児童・生徒新体力テストの結果を見ると、児童・生徒の市平均体力は、成長とともに向上は見られるものの、全国平均より低く、年々差が広がっている状況です。教育委員会では、平成23年度から食と体力についてのプロジェクトを進め、その結果から食事と運動には密接な相関関係があることがわかっています。国の「今後の学校における食育の在り方に関する有識者会議」でも、重要なテーマの一つとして、食とスポーツを挙げています。
文科省では、今年度から学校における食育を充実するため、関係機関・団体との連携による食育のモデル実践プログラムを構築する「スーパー食育スクール」事業を始めました。「スーパー食育スクール」は、これまで実施されてきた食育の課題として挙げられた食育の指導体制の地域間格差や食育に取り組んだ成果を科学的に検証する必要性などを改善するため、栄養教諭を中心に外部専門家等を活用しながら、大学や企業等と連携し、食育を通じた学力向上、健康増進、食文化理解など、食育の多角的効果についてモデル校を指定し、科学的データに基づいて検証を行い、その成果をわかりやすく示し、普及啓発することで、食育の一層の充実を図ることを目的としています。
本市においても県の推薦を受け、県立保健福祉大学と連携した実践プログラム「給食時間マニュアル」で応募しました。残念ながらモデル校には指定されませんでしたが、既に大学の予算で大学の先生と市の栄養教諭の方たちによる「給食時間マニュアル」の作成に取り組んでいるところであり、来年秋には効果検証を行い、2016年4月の完成を目指しています。
現在作成している「給食時間マニュアル」の特徴は、給食の時間を通して、クラス一律ではなく、児童一人一人の食生活の改善を目的としていることです。児童自身が主体的に食の大切さを自覚できるように工夫された実践的指導マニュアルであり、横須賀発で県・国へと広がる可能性を持った実践プログラムとして、県と国も注目しています。
「給食時間マニュアル」の導入に当たっては、ぜひ全校で実施できるよう先生方の講習会も含め、準備を進めていただきたいと思いますが、教育長の御所見をお聞かせください。
○教育長(青木克明)
私からは御質問いただきました給食時間マニュアルを全校で実施できるような準備を進めることについてお答えいたします。
議員御指摘のとおり、平成25年度から食育担当教諭や栄養教諭、学校栄養職員などで構成する横須賀市食教育研究会が文部科学省作成の「食に関する指導の手引」の協力者であります県立保健福祉大学教授の助言のもと、給食指導の実態調査を行い、給食時間マニュアルの作成に取り組んでいるところでございます。
この給食時間マニュアルを実効性のあるものとするため、横須賀市食教育研究会と教育委員会とで協働してつくり上げていきたいと考えております。そして、実際には市内全校で活用してもらえるよう教職員対象の講習会を開催するなど、万全の準備をして備えたいと考えているところでございます。
○6番(石山 満)
近年課題となっている不妊症や不育症は、遺伝的な要素を別にして、成長期の食生活に大きく起因することが栄養学会では指摘されています。生殖機能の基本的な身体力を成長期に身につけておくことは、将来の不妊症や不育症の予防につながるとしています。
超高齢化社会が進み、健康寿命への取り組みが重要となる中で、あわせて食育を通じて若い世代のうちから食事と運動に対する基本的生活習慣の確立に力を注ぐことは、将来の市民の健康を守ることに通じるのではないでしょうか、市長の御所見をお聞かせください。
○市長(吉田雄人)
若い世代の食事と運動に対する基本的な生活習慣の確立に力を注ぐことについて御質問をいただきました。
食育は生きる上での基本で、知育、徳育、そして体育の基礎となって、子どもたちが豊かな人間性を育み、生きる力を身につけていくために何よりも重要なものと位置づけられていますし、私もそう感じています。子どもたちが生涯にわたって健全な心と身体を培い、豊かな人間性を育んでいくためには、食事と運動を生活習慣としてしっかりと確立していくことが必要であると認識しています。このことが将来の市民の健康を守ること、また生涯現役社会の実現にも通じると考えていますので、子どものうちからの基本的な生活習慣の確立に向けた施策をぜひ推進していきたいと思っています。
○6番(石山 満)
食育の重要性を取り上げましたが、子どもたちの将来にわたる健康のためにも、実質的な効果を上げられるよう推進していただきたいと思います。
次に、本市におけるコミュニティ交通について伺います。
追浜地区では、ことしで3年目となる地域住民によるコミュニティバスが運行されています。利用者数は延べで平成24年度は1万8,891人、平成25年度は5,157人ふえ2万4,048人となり、1.3倍の増加となっています。
1カ月の平均利用者数は延べ約2,000人、1日平均で延べ約100人が利用され、地域住民の新たな交通手段として実績を上げています。利用者の7割が60歳以上で通院や買い物に利用され、そのほかにも保育園の通園や赤ちゃんを抱いて買い物に出かける若いお母さんたちの利用もふえています。市長はこの3年間の実績をどう評価されるのかお聞かせください。
○市長(吉田雄人)
追浜地区コミュニティバスの実績の評価について御質問をいただきました。
コミュニティバスの導入について、本市は必要としている地域が主体となって実施するものと考え、導入の可能性や手法について一緒に検討して、関係機関との調整をお手伝いしています。そのような中で追浜地区のコミュニティバスについては、NPO法人と追浜地区の7つの自治会が運行協議会を結成して、地域の足として、これだけ多くの利用実績を残し、地域住民の力で運営されていることに敬意を表しているところです。
○6番(石山 満)
NPOが中心となって発足し、創意工夫して地域町内会や自治会もともに協力しながら、着実に実績を積み上げて運行を続けてきていますが、市のコミュニティバスに対する方針も、地域交通としてのガイドラインも定まっていないため、継続的な将来展望が描けない状況となっています。NPOや地域住民の努力でここまで育ててきたコミュニティバスに対して行政もきちんとした対応を示す段階に来ているのではないでしょうか、市長の御所見をお聞かせください。
○市長(吉田雄人)
追浜地区のコミュニティバスに対する行政の今後の対応につきまして御質問をいただきました。
道路運送法では、利用者の安全性や事業の継続性を担保するため、運輸局の輸送許可を得ることが必要となっています。コミュニティバスの運行に際しても、いわゆる緑ナンバーのバスやタクシーで運行することが基本となっています。現在、追浜地区で行われている自家用自動車で行う無償運送の形態を事業者が行う緑ナンバーに移行すれば、運行収支で赤字が出た場合に赤字額の2分の1を国土交通省の地域公共交通確保維持事業によって補助金が得られることになります。このような道筋があることを地域にしっかりと説明して、緑ナンバーへの移行の支援をしていきたいと考えています。
○6番(石山 満)
川崎市では、行政が「地域交通の手引」を作成して、相談窓口を設置し、立ち上げから運行までの総合的なコミュニティ交通の支援を推進しています。川崎市の特徴は、コミュニティ交通の導入を行政サービスの一環として、地域住民の皆さんに提供していることです。NPOや地域団体が自家用自動車により行う無償運送及び事業者が行う有償運送を支援し、コミュニティ交通の導入をまちづくりの一環として位置づけ、地域の課題を最もよく知る住民の方々が主体となり、考えを共有し、合意形成を図りながら、コミュニティ交通をつくり、守り、育て、いつまでも安心して住み続けられるまちの実現を目指し、積極的なサポートをしています。
横須賀市として実際に追浜地区で運行を続けてきたコミュニティバスの3年間の運行で見えてきた課題を分析し、先進事例である川崎市のようにNPOや地域団体が自家用自動車により行う無償運送を支援し、地域の住民が主体となり、市や事業者と協力して、身近なコミュニティ交通について具体的に検討する際のガイドラインをつくるべきではないでしょうか、市長の御所見をお聞かせください。
○市長(吉田雄人)
身近なコミュニティ交通について、具体的に検討する際のガイドラインをつくるべきではないかという御提案をいただきました。
川崎市では、自家用自動車により行う無償運送であっても、コミュニティ交通の支援として、運行実験費用の赤字分や初期の車両購入費に対して補助を実施していると聞いています。さらに、交通事業者による緑ナンバーの場合は、車両の買いかえ費用についても支援策があります。本市でも川崎市の事例を参考にしながら、市内のバス事業者やタクシー事業者とガイドラインの作成に向けて協議していきたいと考えています。
○6番(石山 満)
本市も、地域の課題に積極的に取り組み貢献しているコミュニティバスの実績を生かし、市民協働による新たなまちづくりの取り組みとして、コミュニティ交通に取り組んでいただきたいと思います。








