公明党の石山満です。
自公連立政権となり半年が経ちました。5月31日には4月の主な経済指標が出揃い、個人消費や雇用、生産は好調を維持し、積極的な経済対策を打ち出したアベノミクス効果が実体経済に広がりつつあります。しかし、その一方で、庶民生活は、未だ賃金所得の向上が波及せず、公共料金の値上げなどによる家計の負担感が増し、景気回復を実感するには至っていません。
5月には国会で一般会計総額92.6兆円のいわゆる15ヶ月予算が成立し、いよいよ本格的な財政出動が始まります。これまでの半年間、目まぐるしく変化する政治、経済状況のなかで、国の動向に連動した時機を捉えた迅速な対応が、企業のみならず地方自治体にも求められています。
そこで、市長に三点、お伺い致します。
第一に、国が要請した「公共工事設計労務単価」引き上げについて伺います。
今年、3月29日、国交省は「平成25年度の公共工事設計労務単価」を決定、公表しました。前年度と比べ、全国平均で約15%、被災三県の平均では約21%の上昇となっています。建設産業は近年、建設投資の縮小に伴うダンピングの横行で疲弊し、建設労働者に低賃金や社会保険未加入のしわ寄せが及んできました。低賃金で若者の建設業界離れも進み、この20年間で全国の就業者数は19%減少したと報じられました。
若者が建設業への入職を避ける一番の理由は、全産業の平均を約26%も下回る給与水準の低さであり、また、最低限の福利厚生であり法令によって加入義務のある社会保険等に未加入の企業が多いことも大きな原因の一つとなっています。被災地では復興需要に技能労働者が不足し、人件費の高騰などで施工者が決まらない入札不調が相次ぎ、このままでは、災害対応やインフラの維持・更新にも支障をきたすことが危惧されています。
自公連立政権が復興加速と防災・減災対策を重要政策に据えるなか、大田国土交通大臣は技能労働者の労働需給が逼迫する構造問題を打開するため、技能労働者の賃上げと社会保険の加入促進を見込んだ労務単価の引き上げに加え、建設業団体に対し適切な賃金支払を要請したところです。併せて、国を参考として地方の公共工事を発注する都道府県に対しても、「平成25年度公共工事設計労務単価について」の運用に係わる特例措置を講ずるよう求めていました。
国交省のまとめでは、5月7日現在で、全都道府県で新労務単価を適用し、特例措置の実施も45都道府県に広がっています。
そこで、国の「平成25年度公共工事設計労務単価」が決定されたことを受け、旧労務単価に比して全職種単純平均で約15%上昇したことに伴い、定められた特例措置の内容と対象工事について、本市における対応をお聞かせ下さい。併せて、対象となる建設業への周知方法についてもお聞かせ下さい。
第二に、生活困窮者自立支援制度について伺います。
先月31日、衆議院厚生労働委員会で、「生活困窮者自立支援法」が可決され、今国会で成立の見通しとなりました。生活保護の受給者は増え続け、全国で過去最多の215万人、本市でも約5千人以上となりました。特に最近は就労可能世代の増加が目立っています。
一方、非正規労働者の増加などにより、雇われて働く人の約4人に1人が年収200万円以下で、失業や病気などをきっかけに一気に生活苦に陥るリスクの高い層が増加しています。
こうした人たちを早期に支援し、自立につなげる仕組みとして平成27年度スタートを目指し「生活困窮者自立支援制度」が新設される予定で、その内容は、困窮者向けの総合相談窓口を自治体に設置し、個別に支援計画を立て、自立まで継続的にサポートすることや、地域の企業やNPO法人などと連携して支援体制を作ることとなっています。
生活に困った人を助ける制度には生活保護制度がありますが、生活保護受給者の急増による扶助費および人件費の増加に伴い自治体の財政は、既に深刻な状況にあることも事実です。
生活保護手前の段階で適切な支援を行うことで、早期に困窮状態から抜け出せるようにする「第二のセーフティーネット」である新たな生活困窮者対策が、自治体において実効的かつ持続的に実施可能な制度となるよう取り組まなければなりません。
そこで、「生活困窮者自立支援法」に基づく、今後の本市の支援制度の在り方についてお聞かせ下さい。また、企業やNPO法人などと連携した支援体制についてどのような連携をお考えかお聞かせ下さい。
最後に、国民健康保険について伺います。現在、国では社会保障制度改革国民会議の議論が進められているところですが、4月22日に行われた第10回会議では、これまでの社会保障制度改革国民会議における医療、介護分野の「議論の整理」が公表されました。
その内容は、「国民健康保険の赤字構造を抜本的に解決した上で、国民健康保険の保険者を都道府県とするべき」また「市町村国保の広域化については、平成27年度から実施される都道府県単位の共同事業の拡大による保険料の平準化の状況を見ながら、検討することが適当」などとなっています。
本市では、第一回定例議会で国民健康保険料の値上げが議会で可決、成立されました。
その際、公明党市議団は唐突な保険料値上げであることや保険料の値上げ幅が高いこと、国の社会保障制度改革国民会議の議論が継続されている状況などを考慮し、被保険者への高額の料金負担増を行わず、一般会計法定外繰入金の増額、または、繰上充用で対応すべきと反対致しました。また、併せて被保険者に保険料の値上げを求めるにもかかわらず、未策定であった国保財政健全化計画を早急に策定すべきであることも提案し、市長も国保財政健全化計画の必要性を認めた上で、策定すると回答されました。国保保険料の負担増については、市民への周知は、ホームページ、広報よこすかなどを通じて行っておりますが、実際には今月届く予定の保険料改訂通知書で初めて知られる方が大半であると思います。
国保財政は、現在、市町村が保険者であり保険料負担も地域間格差が生じています。高齢化が急速に進む本市の市民1人あたりの年間医療費は31万2千円で県内第一位。
また、市民1人あたりの基準総所得金額は、平成19年度から平成23年度まで5年間連続で県内19市中、最下位という本市の実態は、収入が少なく支出が多い赤字構造を抱えています。今後、国の動向を踏まえ、どのように本市の国保財政健全化計画を策定されるのか、その基本的考え方とスケジュールについてお聞かせ下さい。
併せて、国保財政健全化計画の市民への周知方法についてお聞かせ下さい。
また、保険料だけで賄うことは、現状では限界があり、医療費増加の抑制策が必要と考えますが、具体的対策は健全化計画に盛り込まれるお考えがあるのかお聞かせ下さい。
以上で、1問目の質問とし、回答によっては2問目の質問をさせて頂きます。