2017年12月8日 平成29年11月定例月議会
一般質問 小中学校水泳授業の民間施設活用について
◯樋口博己議員 屋内プールの今後の方向性ということでお聞きをしたいと思います。
地域防災の拠点とは少し意味合いが違いますけれども、学校施設の観点からプールについて議論をさせていただきたいと思います。
公共施設のマネジメントという観点ですけれども、行政は、今後さらに進む少子高齢化社会の中で公共サービスを維持向上させるためには、公共施設の維持管理をしなければならないと。その中で、公共施設の6割以上が小中学校の施設となっております。
教育施設ですので、施設に対して稼働率という数字だけで議論というのはなじまないかもわかりませんけれども、学校施設というのは夏休みなどの長期休暇、夜間は使用されないというところで、稼働率という数字でいってしまうと10%程度というふうになっています。
その中で、プールというのは授業のある6月の初旬から7月の初旬、1カ月の中での天気のいい日という限られた中での、いわゆる稼働率3%程度ということで、これは数字ですから、要る、要らないという議論をしようとは思っていません。これは公共施設マネジメントの視点から考えているということでございます。
映像をお願いしたいと思います。
愛知県の西尾市なんですけれども、これは細かい数字で、数字でどうこうじゃないんですが、小中学校プールコスト一覧表というのをつくっていまして、西尾市全体が公共施設マネジメントの観点からこんなことをつくりまして、これ、各学校別でそれぞれ数字を挙げています。
これ、こういうことに取り組んでいるということで、じゃ、四日市市はどうなのかということで、数字を拾っていただきました。お聞きした数字を、西尾市と四日市市を参考に比べてみました。これは前提条件とか細部がいろいろ違っていますので、一概にこの数字がどうだという比べ方はできないんですけれども、西尾市はプールを50年と考えています。プールの建設費、建設、改修、解体を577万円ということで、それぞれ足しますとフルコストで年間で651万円と。一クラスで43万円ぐらいかかっていますよという数字を出しています。
四日市市は今回、実例をもとに出していただきまして、60年四日市市は使うということで、プールの建設費は1億円と。それの数字を出していただくと、1学級で大体21万円という数字になりました。こういう数字があるということをまず確認させていただきました。映像、ありがとうございました。
また、一方、プールというのは、教員の水泳指導の観点では、中学校では体育の教員が指導しますけれども、小学校では基本的に担任の教員が指導しておるということでございます。こういった課題もあるのかなと思っています。
例えば、民間のスイミングスクールや屋内プールのあるスポーツクラブへ民間委託すると、コスト的にはどうなるんだろうかと。また、水泳指導の民間コーチに指導してもらうことのデメリット、メリットはどうなのかということもございます。
こういった中で、千葉県の佐倉市や印西市というのは、水泳授業の民間化政策を実行しております。こういうことで、この公共施設マネジメントという観点からですけれども、今すぐどうこうではないと思っていますが、こういった議論をして課題を整理しておくべきだと考えますが、どうでしょうか。
◯教育長(葛西文雄君) 樋口議員からは、屋外プールの今後の方向性についてご質問をいただきました。
水泳の授業につきましては、小・中学校学習指導要領において、適切な水泳場の確保が困難な場合には、これを扱わないことができると明記されており、授業の実施可能なプール施設を有している小中学校においては、水泳の授業は必修とされております。本市の現状としては、小中学校60校全ての学校にプール施設があり、全ての小中学校で学習指導要領に基づき水泳の授業が実施されております。
議員ご提案の民間施設を活用した水泳授業については、千葉県の佐倉市で小学校2校が取り組みを進めており、メリットとして、専門指導者による効果的な指導が受けられること、また、これらの指導者に教職員が加わることにより、高い安全管理が可能になること、水温が一定で児童の体調維持ができること、天候に左右されずに年間を通して実施することができることなどが挙げられています。
反面、1時間の授業を実施するのに移動時間を含めて3時間程度かかること、教育課程に準ずるよう、教員とコーチの綿密な打ち合わせや細かい資料の作成に相当数の時間を要することなどが課題として挙げられております。
本市においても、民間施設を活用して水泳の授業を実施する場合、児童生徒が校外のプールまで移動する時間を確保しなければならないという課題が生じます。市内には市営の温水プール2カ所、スイミングスクール等の民間プール施設が8カ所ございますが、往復に要する時間が1時間以上かかる学校もあり、体育・保健体育科の授業時間数が減少してしまう問題が考えられます。また、学校のプールには、防火水槽としての機能や、災害時の生活用水としての利用等、消防水利、災害水利としての役割もあります。
屋外プールの方向性については、将来的に各校にあるプールも老朽化し、修繕等が必要になってくることが予想されますので、コスト面も考慮し、メリット、デメリットを総合的に考えていく必要があり、今後は他府県や他市町の状況を情報収集しながら研究してまいります。
◯樋口博己議員 ありがとうございます。問題提起ですので、今後そういった事例等を鑑みながら、少子化する中で課題整理をしていただきたいなと思います。
市内の中学校、小学校のプールの建設時期の一覧表をいただきまして、塩浜中学校のプールが昭和43年につくられていまして、49年たっているということで、今後どうするのかという議論がこれからあると思いますけれども、例えば、近くにヘルスプラザがあります、温水プールが。これを活用したらどうかという議論もしていかなければいけないのかなと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
いずれにしましても、人口減少、税収の頭打ちという時代に入っていきますので、今後、常識を根本から覆すような、こういった議論もしなければならないと思っています。そういう形で今後公共施設マネジメントという観点にしっかり取り組んでいただきながら、また、一方で、体育館の防災機能が非常に必要だと思っていますので、こういっためり張りのある公共施設マネジメントとして、ぜひとも力強く進めていただきたいなということをお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。