画期的な「基本法」成立
本人の人権を尊重。全国民守る礎に/認知症介護研究・研修東京センター副センター長兼研究部長 永田久美子
この連載中の6月14日、新時代の到来を告げる画期的な法律が成立した。「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」。長い名称だが、単に「認知症基本法」ではないことに注目したい。
認知症の症状や病気のみを見ず、本人自体を大切に「ともに、支え合う活力ある共生社会」へ国が総力を挙げて築いていく目的が、名称に込められている。認知症になっても、「良い環境があれば希望と尊厳を持って暮らせる」という新しい認知症観を、国民全体に掲げた意義は大きい。
基本理念の筆頭に、認知症の人が基本的人権を享有する個人であることが明記された点も極めて重要だ。行政や医療、福祉、介護、地域・企業の活動、研究など全てが、人権を基礎に改善・推進を図っていくことになる。認知症になっている本人とその家族、そして認知症になるかもしれない全国民一人一人の、今後の生活と人生を守る礎になる法だ。

認知症 共に生きる=8
元気になる「本人ガイド」
役立つ体験や工夫など情報が満載/認知症介護研究・研修東京センター副センター長兼研究部長 永田久美子
2023/06/13 6面
前回、「認知症とともに生きる希望宣言」の3番目「私たち本人同士が、出会い、つながり、生きる力をわき立たせ、元気に暮らしていきます」をご紹介しました。認知症の仲間同士が出会うことで、認知症を体験している人でしか気付けないことを言葉にし合い、次に続く人たちにとても役立つ成果物が次々と生まれています。
その一つが、「本人にとってのよりよい暮らしガイド」。通称、本人ガイドと呼ばれ、3万部超の大ヒット中です。このガイドは、「診断後、本人が前向きに暮らすために役立つ情報が無さすぎ!」「元気になる情報を知っていたら、苦しんだり落ち込まずに済んだのに」という本人たちの切実な声から作られました。
本人の体験や工夫が満載。家族や今後に備えてという人にもヒントになると好評です。役所や病院、図書館などに置く施設が増えています。無い場合、「置いてほしい」と、ぜひあなたから、ひと声を。

インボイス制度の仕組み
正式名称は「適格請求書等保存方式」で今年10月からスタートします。2019年の消費税率引き上げの際、通常の10%と、食品などに適用する軽減税率の8%の2種類の税率に分かれました。どの税率の取引かを明確にして事業者が納める税額を正確に把握することが制度導入の主な目的です。
具体的には、商品の金額が記載された従来の請求書に、税務署に登録した事業者の「登録番号」や消費税の「適用税率」「税額」などが追加され、商品やサービスの買い手に対して売り手が発行します。
一方、これまで消費税の納税を免れていた年間売上高1000万円以下の小規模事業者は、大きな影響を受けると指摘されています。インボイスの発行は課税事業者しかできず、仕入れにかかる税額は、買い手の課税事業者が負担する必要があります。そのため、激変緩和の措置として、一定規模以下の事業者を対象に、29年9月までは1万円未満の取引に関して、インボイスがなくても帳簿の記録のみで仕入れの税額が控除される特例が設けられます。
公明党は政党で唯一、軽減税率の導入を提案。さらに、インボイス実施までの事務負担を軽くするための制度設計に尽力してきました。

7月27、28日と愛知県豊橋市と兵庫県神戸市へ公明党市議団で行政視察に行って参りました。
一日目は豊橋市の「こども若者総合相談支援センター ココエール」へ。
“ココエール”は、こどもと若者に関するあらゆる相談に応じ、伸びやかな未来をいっしょに考えながら、一人ひとりに寄り添ったサポートを行う拠点です。“ココ”から“エール”を送るというメッセージが込められています。
きめ細やかな相談体制と妊産婦から40歳未満の若者、その家族までが対象と切れ目のない支援が実施されています。令和3年度から夏休み期間中に学生ボランティアや主任児童委員がお弁当を届けて子どもの見守り、状況確認を行う子ども宅食事業もされています。
ヤングケアラー支援にもコーディネーター・巡回相談員が学校を訪問し、ココエールを含めた関係機関もの連携を進めて、相談しやすい環境を整えています。
2日目は神戸市教育委員会にて学校施設開放事業についての視察へ。
「親しみやすい学校づくりに向けて」と題して事業実施の経緯、概要、現在の課題などをお聞きしました。昭和40年代に開放事業実施が開始され、現在は小学校を中心に193の施設で開放事業が実施されています。運営は地域住民の方々で組織される学校施設開放運営委員会が自主事業としています。
鍵の受け渡しなどの課題解決に向けて、ICTを活用した無人管理の仕組みを導入し、中学校体育館の夜間開放を進めているそうです。 様々な取り組みを学ばせていただきました。
受け入れていただきました豊橋市、神戸市教育委員会の皆様、大変にありがとうございました。

本人ミーティング
大切な機会。楽しい話を自由に/認知症介護研究・研修東京センター副センター長兼研究部長 永田久美子
連載でお伝えしている「認知症とともに生きる希望宣言」で注目したいのが、3番目です。「私たち本人同士が、出会い、つながり、生きる力をわき立たせ、元気に暮らしていきます」。
本人にとって、医師や介護専門職、そして家族は大事な存在ですが、悩みや本音を打ち明けられず、不安いっぱいで悶々とし、状態を崩してしまっている本人が非常に多くおられます。その状況を打開してくれる秘訣が、認知症の仲間との出会いです。
本人同士で話し合うと、「こんな失敗しちゃった」「あなたも! 実は私も(笑)」と、よろいを脱いで胸のつかえを晴らせます。本人なりの工夫や、やりたいこと、楽しい話を自由にでき、生きる力が自然とわき立つ大切な機会です。市町村で、本人同士の「本人ミーティング」が開催されるようになってきました。喫茶店や公園、お寺など気楽に行ける場での開催も広がっています。

7月21日にサンアゼリアにて開催されました。4年に1度の開催で今回の開催は和光市。新座市、朝霞市、志木市からも多くの方が参加されていました。
第一部の式典では、内閣総理大臣メッセージの紹介、大会長式辞、来賓あいさつ(小林孝幸さいたま保護区観察所長、穂坂泰衆議院議員、井上航県議会議員、富澤啓二和光市議会議長)など。
第二部の講演では、スポーツジャーナリストの増田明美氏の「自分という人生の長距離ランナー」と題してご自身の体験を通しての講演。
初めて出場したロス五輪で、最後まで走りきれず、悔しい思いをしたことや周囲の自分に向ける目や言葉に傷ついたりと。心が折れて消えてしまいたいと思ったこと、周囲の声かけや励ましがあって前に進んでこれたことなどスッと心の中に染み込むような口調で語りかけてくださいました。“知好楽”という論語の意味や
隣にいる人を気にしながら、おせっかいおばさんになりたいと話されていました。
第三部のアトラクションでは、和光市立大和中学校の吹奏楽部の皆さんの演奏。心を込めて、気持ちを一つに演奏してくださいました。素晴らしかったですありがとうございました‼️

【総務常任委員会県外視察】
富山県の富山市、射水市のDX について視察研修に行って参りました。
1日目は富山市の「とやま未来共創について」の研修。
富山駅前cicビル3階に会員制コワーキングスペース 交流・共創イベントスペースの開設されている「Sketch Lab」へ。
アントレプレナーシップ(起業家精神)を育成。起業を目指す人だけでなく、新しいことに挑戦したいすべての人たちを応援するという体制。
国内最先端の学びの機会と次世代の人材育成の場の提供。未来志向の力強さを感じました。
2日目は「射水市DXビジョンについて」の研修。
令和7年度の未来を想像し、「つながる」をキーワードにした5つのシーンの実現に向けての取り組みをご紹介いただきました。
「つながる地域生活」「家族がつながる」「社会とつながる」「つながる地域交通」「サービスがつながる」キャッチコピーは射水市DX はLX (生活スタイル変革)。より良い市民生活スタイルを目指し、様々な事業に取り組まれています。
富山県に起業家を誕生させたい、市民生活の利便性向上のため、熱く挑戦し続ける姿勢など学ばせていただきました。受け入れをいただきました富山市、射水市の皆様、ご対応本当にありがとうございました。

症状が進行しても
ささやかな日常の中に宿る希望/認知症介護研究・研修東京センター副センター長兼研究部長 永田久美子
前回、「認知症とともに生きる希望宣言」の2番目「自分の力を活かして、大切にしたい暮らしを続け、社会の一員として、楽しみながらチャレンジしていきます」を紹介したところ、読んでくださった方から「とても勇気づけられた。でも認知症が進んだら無理では」という大事な感想が届いた。
確かに認知症が進むとできないことも増えてくるが、だからこそ本人は、残されている力で「これぞ自分」と実感できる心豊かな、ひとときを過ごしたいと切望しながら暮らしている。
写真の女性は、認知症が進行し生活全般の介助が必要で、大好きな生け花もできなくなった。でも毎日玄関先に出て草花を眺め、雑草の小さな花を手折って、楽しそうに家のあちこちに置く。娘さんいわく、「家族のために花を飾ろうとしているのだと思う。母なりの精一杯の姿」。
生きる希望は、日常のささやかな場面の中に宿っている。



