カテゴリー(未分類)

12月19~21日の2泊3日で、大韓民国ソウル特別市瑞草(ソチョ)区を訪問しました。

訪問の背景としては、去る10月に瑞草区長より、田中杉並区長、井口杉並区議会議長あてに、両区の友好提携25周年を記念する式典への招聘があり、それに応えて派遣団(区役所から区長、担当の部課長他、通訳を含む6名、区議会から副議長他5名)として訪問をしたものです。

  

瑞草区とは、平成3年12月に杉並区において友好都市協定の調印がなされ交流事業がスタートしました。その後、代表団の相互派遣や職員の研修派遣、更には少年サッカーチームの親善交流試合、防災シンポジウムへの参加など、親密な関係が25年間続けられてきました。

瑞草区は、ソウル市内の中心部から南側へ車で約30分のところに位置しています。区の北側には漢川(ハンガン)が流れ、南側は牛眠(ウミョン)山と清渓(チョンゲ)山に囲まれており、ソウル市25区の中でも緑豊かな住宅都市です。

  

到着の初日には、趙恩禧(チョ・ウンヒ)区長の主催による、晩餐会が開催されました。写真中央の女性が趙区長です。

20161225-2

 

二日目は瑞草区役所を訪問。同区は、ソウルオリンピックの年(1988年)に隣の江南(カンナム)区から分離してできた新しい区で、区庁舎も近代的できれいな建物です。玄関前では、多くの区役所職員の方が日本と韓国の国旗を持って大歓迎をしてくれました。

20161225-5

区役所では、区・区議会の幹部の方々も同席のもと、25周年記念式典が開催。区民の方々による歌と楽器の演奏で歓迎を受け、その後、「東京都杉並区とソウル特別市瑞草区との友好都市協定25周年宣言合意書」に田中・趙両区長により署名されました。

20161225-4

合意書20161220

 

その後、同区内にある国立「芸術の殿堂」(芝居、オペラ、コンサート等観劇用のホールが集積した施設)とSumsung のR&Dセンターの視察を行いました。いずれも世界最先端の充実した施設です。国立・民間それぞれのものですが、地域住民に広く開放されたスペースが設けられており、周囲のまちづくりにも多大な貢献をしています。

ソウル市内は観光バスで移動しましたが、約10年前会社員の時代に出張で訪れた時と比べて、発展著しい街並みと高級車が多く走っているのが印象的でした。

20161225-6

ソウル市役所も訪問。90年前に建てられた旧庁舎も保存して市立図書館として利用しており、その裏には2012年に新築された最新の市庁舎が雄大にそびえ立っています。

20161225-7

20161225-8

 

途中、大統領官邸(青瓦台)前を通りました。大きなデモには遭遇しませんでした。

20161225-1

二日目の夜は、金秀漢(キム・スハン)議長主催による議員間の交流晩餐会も行われました。心通う楽しい時間を過ごしました。

 

韓国と日本には、外交上や、歴史認識に伴う様々な問題が現存していることは事実で、個々人においても立場や主張に様々な考えがあることは当然だと思います。しかし、今回の訪問において、私は何人かの方々と個人的に深い友情を結ぶことができました。私は、世界の平和のためには、国境、文化、宗教、言語や立場等を超えた、一人一人の人間としての交流、友情の構築が何よりも大切であると考えています。そういう意味において、短い時間でしたが、大変貴重な経験をさせて頂きました。また、瑞草区の担当職員の方々には、本当に心温まるホスピタリティをして下さいました。全ての関係者の方々に心より感謝を申し上げます。

 

 

12月15、16日と、静岡県焼津市、静岡市の取り組みを視察してまいりました。

 

◆12月15日: 焼津市(消防防災センター)「ドローンによる防災航空隊について」

  20161217-3

同市では、平成27年7月に発生した大雨による土砂災害の被害の状況を陸上から把握できなかったという教訓から、「災害情報の見える化」の推進を目的に無人航空機(ドローン)を1機導入。その後3機体制とし、危機管理部と各部局の職員による15名体制の「防災航空隊」を発足しました。その名も”BLUE SEAGULLS”(青いゆりかもめ)。

デモンストレーションで、実際にドローンを飛ばして頂きました。

20161217-1

ドローンの機体自体の操縦と、搭載しているカメラの操縦の2名の体制で飛行されます。10時間以上の飛行訓練で、同市のドローンパイロットして認定されます。

搭載されているカメラ画像は大変鮮明です。航空法により150mまでの高度制限がありますが、それでも360° 回転できるカメラで、町の全体像が十分に一望できます。

20161217-2

 

2種類のドローンを保有しており、軽いもので1.3kg、重いもの(高機能)でも3.4kgで手軽に持ち運びできます。通常はアタッシュケース、そして市の災害対策車両に収納されています。

20161217-5

20161217-6

20161217-7

ドローンの機能、テクノロジー(障害物を避けたり、重点残余時間を自ら判断し自動的に帰還します)をかなり詳しく説明を頂き、また現在の航空法からの課題もご教示頂きました。

災害時の状況把握はもちろん、河川・道路の状況や、イベント、市のPR等活用範囲は幅広いと思いました。

 

◆12月16日: 静岡市「里親家庭支援センター」

市の児童相談所に設置されている同センターは、NPO法人により運営されています。様々な事情により社会的養護が必要となった児童を里親の元で育てて頂く、そのための支援を行っています。

平成27年度の実績として里親登録数が81世帯、委託人数61名、児童福祉施設措置人数60名、乳児院措置人数9 ― 里親委託率が46.9%と新潟市に次いで2番目の高さとのことです(全国平均20数%)。

普及啓発活動、里親の研修及び支援、里親家庭の相互交流を主な業務としています。里親家庭への訪問活動等、きめ細やかなケアを行っています。

心が痛む児童虐待のニュースが後を絶ちません。未来の宝である子ども達を、また子育て世帯を地域で守り育てていく優れた社会システムの構築が急務です。

20161217-4

 

いずれも大変参考になる取り組みでした。快く視察を受け入れ、丁寧に、また熱くご説明をして頂いた皆さまに心より感謝申し上げます。

 

 

昨日、公明党杉並総支部の大会を杉並公会堂で開催いたしました。

会合では、松葉多美子総支部長(都議会議員)と、区議会議員全員で、この一年大変お世話になった党員・支持者の皆様に御礼のご挨拶をさせて頂きました。

20161214-4

都政・都議会は激動の時を迎えていますが、松葉さんは軸がぶれない。ウォームハート・クールヘッドの非常に優秀な政治家だと思います。総支部長として大変頼りにしています。

今年の参院選で初当選をした里実りゅうじ参議院議員も応援に駆け付けてくれました。松葉さんと里実さんの2ショットです。

20161214-1

 

実は、里実議員は、私の高校の一期後輩なのです。東京大学経済学部を卒業し、厚生労働省(当時の労働省)に入省、以来24年半にわたり、ハローワークや労働基準監督署での業務をする中で、国を支える労働者の働きやすい環境づくりに努めてきました。長野県庁職業安定課長、在英国日本国大使館一等書記官、厚生労働省国会連絡室長、同省労働基準局参事官、内閣参事官等、重責を担ってきた労働行政のエキスパートです。

20161214-3

この一年、こうして私を含む議員全員が元気いっぱい活動をさせて頂いたのは、ひとえに党員・支持者の皆様のおかげです。改めて、心より感謝を申し上げます。

 

杉並公会堂前は、クリスマスのイルミネーションが鮮やかでした。

20161214-5

 

「子ども・子育てプラザ和泉」が完成し、内覧会に参加してきました。

20161210-3

 

杉並区では、「子ども・子育てプラザ」を区内各地14か所に、子どもの成長と子育てを応援するつどいの広場として整備を進める計画です。妊娠期から乳幼児期の親子がいつでも気軽に立ち寄れ、子育ての悩みなどを身近に相談できる場、必要とされる支援サービスにつながる場、そして、これから子育てをはじめる人、子育て中の人、子育てを応援する人がつどい、つながり、子どもの育ちと子育てを共感できる場、などの居場所づくりと位置づけています。

 

その第1号として開設された同施設は、これまで和泉児童館施設として長年活用されていました。その建物の躯体はそのままにし、内装を大きく変え、プラザとして新しく生まれ変わりました。12月11日に正式オープンです。

20161210-2

 

新施設利用の概要としては、①乳幼児親子の居場所の提供(子どもの育ちや子育てに関する講座・講演や、遊びのプログラムなどを実施、年齢に適した遊具などを設置、土曜日や日曜日には、父親も参加しやすい家族で参加できるプログラムを実施します)、➁利用支援(利用相談)と情報の提供(区が行う子育て支援事業・サービスに加え、民間のサービスの情報も提供し、各家庭のニーズに応じたサービスの利用をサポート)、さらには③乳幼児の一時預かりも行います。

20161210-1

 

地域で子育てしやすい環境の整備をさらに進めていきたいと思います。

 

昨日、今年最後の区議会定例会が閉幕しました。

 

今年一年の私の議会活動を振り返ってみました。

 

◆1月26日【視察】 文化芸術・スポーツに関する特別委員会:東京都障害者総合スポーツセンター  ※委員長として企画しました。

 

◆2月10日~3月16日【第1回定例会】

  • 2月24日 総務財政委員会 ※夜10時までの長丁場でした。
  • 2月29日 文化芸術・スポーツに関する特別委員会
  • 3月3日~15日 予算特別委員会 ※3回質問に立ちました。

 

◆5月17日、18日【第1回臨時会】 

  • 5月17日 総務財政委員会

 

◆5月30日~6月16日【第2回定例会】

  • 6月9日 総務財政委員会
  • 6月10日 災害対策特別委員会

 

◆7月14日【視察】 災害対策特別委員会 第54回東京河川改修促進連盟総会及び促進大会に参加

 

◆8月29日 総務財政委員会

 

◆9月9日~10月14日【第3回定例会】

  • 9月9日 一般質問『公会計について』
  • 9月23日 総務財政委員会
  • 9月26日 災害対策特別委員会
  • 9月30日~10月13日 決算特別委員会 ※3回質問に立ちました。

 

◆10月24日~16日【視察】総務財政委員会:石川県かほく市、大阪府吹田市、静岡県焼津市

 

◆11月23日【視察】災害対策特別委員会:平成28年度杉並区総合震災訓練

 

◆11月17日~12月7日【第4回定例会】 

  • 11月18日 一般質問『行政評価について』
  • 11月30日 総務財政委員会
  • 12月1日 災害対策特別委員会

 

当然、毎回の質問の前には準備を入念に行って臨んでいます。

公式な形での議会活動は昨日で終わりましたが、地域での活動、区民相談、テーマに沿った調査研究(個々としての視察を含む)等々、休みはありません。年末年始もしっかりと頑張っていきたいと思います。

 

公益社団法人「日本動物病院協会(JAHA)」が認定している、アニマルセラピー”CAPP” の活動の視察のため、区内の特別養護老人ホームをおじゃましてきました。

CAPP とは、Companion Animal Partnership Program の頭文字で、人と動物のふれあい活動です。

20161202

動物とふれあうことは、医療や福祉、教育において様々な効果があるとされています。一口にアニマルセラピーといっても、おおまかに以下の3つの分野で行われています。

<JAHAのHPより>

◆ AAA(Animal Assisted Activity)動物介在活動
動物とふれあうことによる情緒的な安定、レクリエーション・QOLの向上等を主な目的としたふれあい活動。一般にアニマルセラピーとよばれる活動の多くはこのタイプです。
◆ AAT(Animal Assisted Therapy)動物介在療法
人間の医療の現場で、専門的な治療行為として行われる動物を介在させた補助療法。医療従事者の主導で実施します。精神的身体的機能、社会的機能の向上など、治療を受ける人にあわせた治療目的を設定し、適切な動物とボランティア(ハンドラー)を選択、治療後は治療効果の評価を行います。
◆ AAE (Animal Assisted Education)動物介在教育
小学校等に動物と共に訪問し、正しい動物とのふれあい方や命の大切さを子供たちに学んでもらうための活動。生活科や総合学習などのプログラムとして取り入れる学校も徐々に増えています。

 

今回視察したのは、高齢者施設におけるAAA の活動です。運営はボランティアの方々の手弁当で行われており、他にも高齢者・障害者の複数の施設や小学校などで定期的に長年にわたって行われています。皆さんのご尽力に心より敬意を表します。

施設入居者の方も、かわいい犬や猫とふれあうことで、大変すばらしい笑顔を見せて頂きました。

 

動物と共生する社会は、核家族化、超高齢化の時代において、ますます重要な課題となっています。そのための社会環境を整備していくことの必要性を改めて感じました。

 

11月29日に、総務省消防庁が全国瞬時警報システム(Jアラート)の一斉訓練が全国で行われました。Jアラートとは、弾道ミサイル情報、津波情報、緊急地震速報等、対処に時間的余裕がない事態に関する情報を、人工衛星を用いて国から、市区町村の防災行政無線等を通して、瞬時に伝達するシステムです。以下はJアラートの情報伝達システムの概念図(総務省消防庁の資料)です。

20161201

 

杉並区においても、11:00に防災行政無線による住民向けに放送を行うという予定でしたが、何と音声放送が流れないというトラブルがありました。

皆さまに大変にご迷惑をおかけしたこと、お詫び申し上げます。

  

本日、区議会災害対策特別委員会が開かれ、同不具合について報告が区よりありました。

それによると、Jアラート側から区の防災無線操作卓につなぐ配線の接触不良が原因と判明したとのこと。つまり、上のフローでいうと、Jアラート受信機と自動起動装置までは問題なく動作したが、防災無線として音声を出力させるための配線に接触不良があったということでした。その後、再接続を行い、システム全体が正常に動作することが確認されたとのことでした。

同システムは、平成26年度に区に設置され、今年の4月21日には音声出力の動作確認をしています。

私の方からは、4月21日以降、11月29日まで機材の物理的な移動等の変化はなかったにもかかわらず接触不良が発生したということで、そうであれば、機器(プラグ部分?)が適切なものなのか確認する必要がある。また今後1ヶ月単位程度で動作確認を行うとのことなので、機器のハード面での適切性と動作確認の予定について早急に対策をとるよう求めました。

   

区の報告によると、訓練で、何らかの不具合が確認されたのは13都道県の計28市区町村(都下では杉並区のみ)だったそうです。国民・区民の生命にかかわることです。しっかりとした対応をとらなければなりません。

 

今日は寒かったですね。東京都内では54年ぶりの11月の雪。気象観測を始めた1875年以来初めての積雪だそうです。

 

午前中は、党の東京都本部・都市農業振興プロジェクトチームが主催の「都市農業振興懇談会」が、衆院第2議員会館で開催され、私も、杉並総支部の農業担当として参加いたしました。

JA東京中央会やJA東京青壮年組織協議会、都内のJA関係者約40人と都市農地保全に向けた課題などについて活発な意見交換が行われました。(雪が舞う国会議事堂前)

20161124-1

 

午後には、リオ・パラリンピック陸上で入賞を果たした大西瞳さんが杉並区役所を訪れ、区から、「スポーツ栄誉章」が授与されました。

20161124-2
大西さんは、病気のため右大腿部を切断し義足で生活をされていますが、ご自身の多大なご努力により、パラリンピック陸上のアスリートになりました。

9月のリオ大会では、T42クラス(片大腿切断など)女子走り幅跳びで、3m58cmの6位入賞、同クラス女子100mでは、17秒51の記録で8位入賞を果たすという立派な成績を収められました。

大西さんは、「2020年の東京開催は、ぜひ出たいという気持ちですが、パラリンピックのレベルはどんどん上がっており、これまでの練習ではメダルどころか選手に選ばれることもできないので、さらに努力を続けたい。」と話されていました。

小さな体ですが、偉大な努力の方です。更なるご活躍をお祈り申し上げます。

 

本日、杉並区の総合震災訓練が開催され、私も区議会災害対策特別委員会の委員として視察に参加させて頂きました。

20161123-1

寒空の下でしたが、区役所、消防、警察、電気・ガス・水道・電話等のライフライン事業者、地域の防災会等々、多くの方々が参加されました。20161123-2 倒壊家屋内に取り残された被災者を救済する訓練として、警察犬2頭も参加です。大変きびきびとした動きをしていました。

20161123-3

自助共助意識を高め、地域と関係機関及び区が連携した訓練を実施することで、地域の防災行動力の向上を図ることを目的とした訓練です。 皆さん、真剣そのもので訓練に臨まれていました。大変にお疲れ様でした。

20161123-4

訓練とは関係ありませんが、会場となった区立井草森公園は、私の家の近くにある、緑の多い閑静な公園です。紅葉があまりにもきれいでしたので、一枚写真に収めました。

20161123-5

 

 

今年最後の区議会が昨日(11月17日)より始まりました。

二日目の本日、一般質問を行いました。テーマは「行政評価について」です。あまりなじみのない言葉だと思いますが、役所の仕事の効率性や有効性(要は、お金をムダなく使っているか)を評価検証し、改善につなげていくための制度・ツールです。民間では当たり前のPDCAです。

この制度がしっかりと機能しているか、様々質問をいたしました。

取り急ぎ、質問内容だけ下記します(長文、また一部難解な用語もあるかもしれませんが、ご容赦願います)。

 

『行政評価について』

杉並区議会公明党の一員として、行政評価について、質問を行います。

 少子高齢化、情報化、生活形態の多様化など、行政需要は日々変化しています。行政は、その変化に対して、柔軟に対応できなければなりません。

区が自らの現状を、客観的に把握し、あるべき姿と比較して、的確な判断の下で改善に結びつけられているかどうか、また、その判断や改善が適切かどうか、常に検証する体制の充実が求められていると考えます。まずこの点について、区の見解を伺います。

 

地方自治法では、「住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げる」との地方公共団体の責務を定めています。杉並区にとって、「福祉の増進に努める」とは、基本構想の目標実現に向けて、施策を着実に遂行することであります。この自治法の条文における責務を果たしていくには、施策執行プロセスの効率性と、成果を生み出す有効性を測定し、そして評価するシステムが不可欠であると考えます。

プロセスの効率性を測定、評価するシステムには、フルコストに基づく公会計情報の活用が有益であることは、これまでも訴えてきたところです。

一方、その成果を生み出す有効性の評価については、「福祉の増進」という行政目的が貨幣価値に換算できないため、公会計情報のみで行うことはできません。行政評価は、貨幣価値とは別の、客観的なデータを基に、体系的に、効率性と有効性の評価検証を行い、改善につなげるという、PDCAサイクルのシステムであります。その意味から、公会計とは、相互に補完する関係にあると言えます。

杉並区における行政評価は、平成11年度に事務事業を対象に、14年度に政策・施策を対象に導入されました。20年度予算から予算の事務事業と事務事業評価の単位を可能な限り一致させ、決算と行政評価を一体的に行う体制を整えました。21年度からは、行政評価の結果に基づいて、区政経営報告書を作成し、決算説明資料として公表しています。

評価の体系は、現在では、総合計画の体系と合わせ、施策評価と事務事業評価の2階層の構成としています。32の施策と657の事務事業は、それぞれの成果やコスト、さらには目的の達成状況などから、効率性や有効性について評価され、そして、事務事業は、構成している施策の成果向上への関連性も踏まえて評価や見直しが行われます。

実施体制については、事務事業評価は担当所管自らが、施策評価は、指定された各施策の評価担当課が実施します。それらを、部長を責任者とする二次評価部門が二次評価を行い、その後、外部の専門家が、その結果について外部評価を行います。

評価や改善といった機能については、予算・決算委員会を含む議会も、その任を担っていると言えます。しかし、職員自らが評価そのものに参画し、区政全体を網羅し、体系立った制度として唯一存在するのが、行政評価であります。

区の自治基本条例でも、「政策等の成果及び達成度を明らかにし、効率的かつ効果的な区政運営を行うため」、行政評価を実施・公表することを定めています。

これまで、区が長きにわたって取り組んできた行政評価が、区政運営に対してどのような成果を生んできたのか、総括的に、制度自体に対する評価をお聞かせ下さい。

  

現在の区の行政評価は3つの目的に沿って実施しています。目的の一つめは、「総合計画の進捗状況、達成度の把握」、二つめが「職員の政策形成能力の向上」、すなわち、多くの職員が評価と改善の作業プロセスに関わることで、政策形成能力の向上を目指すというものです。そして、三つめが「説明責任と区政の透明性の確保」であります。

平成11年の開始当初においては、事業や施策の目的の妥当性、有効性、効率性、そして人材や財源等の資源の有効活用といったことを目的としており、現在よりも、効率性や経済性の向上に重きを置いていたように見受けられます。

本区の行政評価を実施する目的が、年を経るに従って変化してきたことについて、その背景にあるものは何か、区の所見を伺います。

  

続いて、指標の設定について伺います。

行政評価は数値指標に基づいて行うことが基本です。指標には2種類あります。一つは、施策や事業の遂行結果に関して、区の「活動量、アウトプット」を表わす活動指標。もう一つは、その活動量が、どの程度の実質的な「成果、アウトカム」を生み出したかを測定する成果指標であります。こうした数値データ、すなわち、客観的な根拠に基づき、事業や施策目標の達成状況を分析し、次の改善にまでつなげていくことを目指しています。言わば、「指標」はサイクルの軸の役割を担っているのです。

であるならば、具体的にどのような数値を指標として設定するのかが、大変重要になります。その指標が、施策の目標や事業の取組内容と合致しているのか、あるいは、事務事業の指標と施策の指標の整合性が取れているのか、施策と事業、さらには活動指標と成果指標を連動させて整理し、適切な指標を設定することが必要です。

しかし、本年度行われた直近の評価でも、活動指標と成果指標の設定の意図が、いまひとつ不明なものが、いくつか見受けられます。

例えば、施策4「利便性の高い快適な都市基盤の整備」の評価では、「バリアフリー推進協議会の開催回数、沿線まちづくり活動団体支援数、道路拡幅整備距離、南北バスすぎ丸の運行本数」を活動指標としていながら、その成果指標は、「区民意向調査による区内での定住意向の割合」としています。これら活動指標と区民の定住意向にどれだけの因果関係があるのか、もっと言えば成果指標のパーセンテージの上下に影響を及ぼすのは区の施策だけなのか、検証が必要だと思います。

また、施策31「交流と平和、男女共同参画の推進」の評価においては、「国際交流事業参加者数」が活動指標、その成果指標が「国内交流事業参加者数」となっています。活動がどの程度の成果を生み出したかを評価する指標として、これらは適切なのでしょうか。

評価指標については、資源投入のインプット、それに伴うアウトプット、その結果得られたアウトカムといった、それぞれの論理的な因果関係で結び付けたロジックモデルの下での設定が必要です。指標の整理・見直しの実施体制、及びこうした課題認識について、区の所見を伺います。

  

次に、施策と事務事業の体系立てについて伺います。

先に述べた通り、本区の行政評価は施策評価と事務事業評価の2階層です。施策は事務事業を行う目的、事務事業は施策を進めるための手段として、互いに「目的と手段」という関係性が成立していることを前提に評価が行われています。

しかし、例えば、施策8「水とみどりのネットワークの形成」では、12の構成事業の中に、「公衆便所の維持管理」として、その定期清掃回数が活動指標としている事業も含まれています。また施策31「交流と平和、男女共同参画の推進」のための8つの事業の一つが、「住居表示の管理」であり、住居表示の付定件数や案内板の設置数が活動指標となっています。

これらは個々には当然必要な事業ですが、目的と手段という施策との関係性からの体系立てが、果たして適切なのか、疑問が残ります。

また、平成27年度の行政評価報告書によれば、施策の今後の方向性に対する評価結果を「拡充」としたものが、71.9%、「現状維持」としたものが21.9%であったのに対し、それらを構成している事務事業の今後のあり方については、「拡充」が22.7%、「現状維持」67.3%と、全く逆の結果が示されています。本来であれば、施策と事務事業のあり方に対する評価としては、相当の因果関係があるはずだと思うのですが、こうした結果となっていることも不可解です。

施策とそれを構成する事務事業の関連性や評価体系における整理・見直しの実施体制、及びこうした課題認識について、区の所見をお聞かせ下さい。

  

行政評価結果の予算編成への活用について伺います。

評価は、それでとどまるのではなく、活用してこそ意味を持つものです。行政評価の結果を、各課において事業の見直しにつなげるほか、次の予算編成に活用することで、はじめてPDCAサイクルが成立し、実効性が高まると考えます。

行政評価の結果を予算編成へと結びつける運用は、現状どのようになっているのでしょうか。また、そのことについての区の方針や考え方をお聞かせ下さい。

  

評価シートの記載欄についても一点指摘をさせて頂きます。施策と事務事業それぞれのシートには「今後の方向性」「今後の進め方」について、総括的にコメントを記載する欄が設けられていますが、そのタイトルが、「改善・見直しの方向 中長期」となっています。

「改善見直しの方向」が「中長期」では、時期が抽象的ではないでしょうか。これを「翌年度」とした方が、より具体的な評価、そして改善に結びつくと考えますが、区の考えはいかがでしょうか。

  

効率性の評価の観点から、コスト分析について伺います。

施策や事務事業は多種多様で、コスト構造も大きく異なります。現状、全ての施策と事務事業の評価シートに、投資的経費等と委託費に分類された事業費と、職員数の配分に伴う人件費がコスト情報として記載され、それらを足したものが総事業費として、それぞれ記載されています。

各施策の総事業費に占める人件費の割合が、低いもので4%程度、高いものでは53%のものもあります。また投資的経費でも、これは年度間でばらつきが発生すると思いますが、0のものもあれば、総事業費の7割を超えている施策もあります。労働集約的、資本集約的、あるいは金銭を主要な手段とする資金集約的など、様々であります。

それぞれの活動のコスト情報は、正確に把握する必要があり、それには、冒頭でも述べた通り、フルコスト、すなわち、減価償却費や退職給付費用、起債に伴う金利等、見えなくとも実際は発生しているコストを含めるべきであると考えます。管理会計の意味からの公会計情報の活用であります。

先日、公会計情報の行政評価への活用に先進的な取り組みを行っている町田市を訪れ、詳しくお話を伺いました。同市では、課別・事業別の行政評価シートに、それぞれ細かく分けた財務諸表を掲載し、ストックやフルコストの情報を提供しています。それを行政評価の非財務情報と交えて分析し、マネジメント上の課題を明らかにする試みを行っています。

先日、総務財政委員会で視察に伺った、大阪府吹田市も同様の取り組みを進めています。共に、詳細な「情報インフラ」を整備し、議会や市民に対する説明責任に徹する姿勢が、大変印象的でありました。

ただ、こうした取り組みは、両市で行っているように、日々仕訳を導入し、全職員に複式簿記の考えが浸透してこそ、実効性が発揮されるものと考えます。その意味から、本区では、まだ、これらを導入する環境が整っていないというのが、私の率直な感想です。

しかし、将来を見据えて、本区も検討を進めて頂きたいと思います。公会計情報と行政評価とを組み合わせることで、より詳細なコスト分析、及び評価が可能になり、有意義なツールになると考えます。区の考えを伺います。

  

関連して、毎年9月に発行している事業別行政コスト計算書についても伺います。この計算書は、行政評価とは連動しておらず、独立した分析です。全てではありませんが、財務諸表からフルコストに近い情報を使用しています。

今後、事業別行政コスト計算書を発展させ、いくつかの、財政へ影響が大きい事業、とりわけ同じ事業に複数の運営形態・コスト構造が存在するものなどは、行政評価との関係性を持たせた上で、区政経営報告書に分析結果を掲載することも有益ではないかと考えます。区の所見を伺います。

  

外部評価について伺います。

区では、専門的知見を有する第三者の立場から、5人の学識経験者からなる「杉並区外部評価委員会」において外部評価を実施しています。行政評価の客観性を高め、制度の充実を図ることを目的としたものです。

同委員会では、毎年、6つの施策と、施策を構成しない2つの事務事業を選定し、さらには区が財政的な支援などを行っている団体の経営状況と合わせて、評価を行っています。所管課とのヒアリングや、施策担当の課長及び関係課職員との意見交換なども評価プロセスに組み込まれています。

指標の適切性、費用対効果や評価の視点、また、改善・見直しにあたり留意すべき視点が押さえられているかといった観点から、さらには、記載内容が分かりやすくなっているかなど、評価制度そのものに対する評価を受けています。鋭く、時には忌憚のない意見も頂いており、区にとって大変価値があるものと思います。

外部評価報告書には、「外部評価に対する所管の対処方針」として、頂いた指摘・意見に対しての、区側の考えも明らかにしており、意見を受けっぱなしで終わっていないところは評価できます。しかし、中には「意見の交換」に留まり、実際の改善に至っていないものもあるようです。

外部評価の活用について、区はどういう改善が必要と認識しているのでしょうか。所見を伺います。

 

評価結果の公表方法について伺います。

先日、本区の外部評価委員を経験された方にお話を伺いました。杉並区民でもあるその方は、外部評価委員の活動を通して、「区の職員が矜持をもって、誠実に日常の業務に取り組んでいることがよく理解できた。また区が実施する事業や議会での質問なども身近に感じるようになった」と語っておられました。

外部評価については、区民サービスの直接の受け手である、より多くの区民の評価への参画、あるいは意見が反映される形が、本来であれば理想であると思います。多くの方々に区の実状をよく理解して頂くことは、区政運営にとって大切であると考えるからです。

しかし、行政評価の公表方法は、各図書館に分厚いファイルが並べられている他、ホームページ上で大量のPDFシートが貼り付けられているだけであります。私自身の肌感覚から、制度の認知度はあまり高くないと思います。

行政評価の結果、あるいは制度自体がどの程度区民に普及しているのか、また周知方法で改善するべき点は何か、所見を伺います。

回答が限定されたり、バイアスがかかったりする可能性はあるものの、アンケート結果を評価へ組み込むしくみなども、検討の余地があるかもしれません。

  

これまで縷々、課題の指摘などを行わせて頂きましたが、実態としては、「行政評価の形骸化」「制度自体の目的化」といった状況に陥る恐れも、一部あるのではないかとの印象を受けています。また、その背景として、行政評価実施に伴う現場での作業負担感も、課題の一つであると思います。

しかし、冒頭述べた通り、時代に即して、変化に対応する「福祉の増進」と「効率性の向上」へのあくなき挑戦は、これからも継続していくべき区の責務であります。

評価のあり方について、現場の作業負担の軽減に配慮するとともに、目的や利用者に応じて適用範囲や対象を限定した評価制度を導入したり、単発の評価をその都度実施したりするなど、柔軟性を持たせ、多様化を図るといったことも必要かもしれません。

最後に、行政評価の今後の展開について、区の考えをお聞きして、私の質問を終わります。

ありがとうございました。

 

カレンダー
2022年8月
« 7月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  
Twitter
モバイルサイトQRコード
QRコード対応の携帯電話をお持ちの方は画像を読み込んでいただくことでモバイルサイトにアクセスできます。
サイト管理者
杉並区 中村康弘
nospampls543@gmail.com