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杉並区議会 中村やすひろ

一般質問:杉並区議会第4回定例会

2024年11月19日

本日より、杉並区議会第4回定例会が始まりました。12月9日までの会期予定です。

「災害対策について」一般質問を行いました。

長文になりますが、以下質問全文を掲載します。

***

 

杉並区議会公明党の一員として、災害対策について質問を行います。

本年1月1日に発生した能登半島地震から早や1年が経とうとしています。被災地では、9月には豪雨災害にも見舞われました。衷心よりお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災者の皆様にお見舞い申し上げます。

6月、国の中央防災会議は災害対応の基礎となる防災基本計画を修正しました。その中で、能登半島地震で高齢者ら要配慮者が数多く被災したことを踏まえ、災害応急対策に「福祉的な支援」の必要性が明記されました。具体的には地方自治体に対して、避難所の開設当初から間仕切りと段ボールベッドを設置することや、栄養バランスのとれた食事、入浴・洗濯など生活に必要な水の確保に努めるよう要請しています。また指定避難所の保健衛生環境の整備については、仮設トイレなどの早期設置に加え「簡易トイレ、トイレカー、トイレトレーラー」を明示し、より快適なトイレの設置への配慮に努めることを要請しています。「TKB、トイレ・キッチン・ベッド」の確保です。
【1】防災基本計画の「福祉的な支援」について、区ではどのように受け止め、具体的にどのような対策の強化を講じる考えか、伺います。

災害時におけるトイレの問題は、被災者の健康と衛生を守り、災害関連死を防ぐために極めて重要であることは言うまでもありません。

本区の災害廃棄物処理計画では、災害時のし尿発生量は、区内全体で1日当たり約29万リットルになると推計されています。災害による停電や断水があり、下水管路などが損傷することで水洗トイレが使用できないことが想定されるため、震災救援所等におけるマンホールトイレ、吸水ポリマー等で固形化される携帯トイレ、バキュームカーなど、排せつ物の処理は様々な方法によることになります。
【2】したがい、し尿の収集運搬や処理に関する作業形態や手順も多岐にわたることになります。区、清掃一部事務組合、東京都下水道局、民間企業等が分担してそれぞれの作業を実施することになると思われますが、具体的な役回りはどのように想定しているのでしょうか、お聞かせ下さい。

先日、国土交通省による全国の上下水道施設の耐震化の状況に関する緊急点検の結果が、公表されました。データは「東京都区部」として公開されていますが、それによると、避難所や病院など災害時に拠点となる2034箇所の「重要施設」のうち、接続する水道・下水道の管路等の両方が耐震化されているのは、令和5年度末時点で1072箇所、割合で53%とのことでした。東京都区部としては、全国平均15%より大きく耐震化が進んではいるものの、いまだ約半数の施設の水道の耐震化が行われていないという実態です。
今回の質問を行うに当たり、この調査結果の本区内の状況について、区から国に問い合わせをしていただきましたが、区ごとの情報は公開しないとの回答があったとのことです。非公開の理由は分かりませんが、いずれにせよ、ライフラインである上下水道の耐震化は急務であります。東京都と連携を密に取り、引き続き推進をよろしくお願いいたします。

能登半島地震では、県外の自治体が所有する移動式のトイレトレーラーが被災地に集結しました。トイレトレーラーは、換気扇や小窓が付いているものや、電池または太陽光パネルによって電源がなくても照明が確保できるものもあり、衛生的に使える仕様になっています。給水タンク・汚水タンクが付いており、車でけん引して移動可能なため、他の被災自治体への広域的な支援にも有効です。先に述べた通り、防災基本計画でも、自治体でのトイレトレーラーなどの配備が言及されています。
トイレトレーラーは、使い方やタイプなどによって変わりますが、例えば4つの個室が設置されているものであれば、汚水タンクが満タンになるまで、合計で1200回から1500回程度の使用が可能とされています。災害時の全体のニーズから考えると、その対応能力は限定的ですが、平常時においても建設現場やイベント開催時などに活用できる汎用性はあります。
【3】トイレトレーラーの配備について、現状における区の考えを伺います。

これまでの震災で、避難所の床の上での雑魚寝状態によるエコノミークラス症候群などの健康被害も問題化しました。雑魚寝状態の生活が続くと、立ち上がることが億劫になり、動かないことによる歩行機能低下と下肢血栓リスク、不眠による血圧上昇、床面の粉じん吸入による咳や呼吸機能の低下、心身のストレスなどが生じ、最悪の場合、死亡に繋がる危険性も指摘されています。
【4】そのような健康被害の予防や湿気・粉塵対策として、段ボール製の簡易ベッドが注目されています。本区では、震災救援所における段ボールベッドの使用は、どのように計画しているのでしょうか。調達、運搬、配備等の計画について、お聞かせ下さい。
先日、東京都が避難所の雑魚寝解消へ支援策を来年度の当初予算案に盛り込む方向で検討しているとの報道がありました。そうした動向もよく注視して、区としても充実、強化をよろしくお願いしたいと思います。

次に、災害廃棄物について伺います。
能登半島地震では、石川県内で7万5000棟以上の住宅の被害が確認されました。損壊家屋等の解体・撤去に伴い大量の災害廃棄物が発生し、その量は県内の年間の一般廃棄物の約9倍にあたる約332万トンと見込まれているとのことです。言うまでもなく、一気に大量に発生する災害廃棄物を適正かつ円滑・迅速に処理しなければ、復旧・復興の大きな妨げになるだけでなく、衛生環境の悪化や伝染病の蔓延といった事態も引き起こしかねません。

東京都では、本年9月27日から、石川県輪島市と珠洲市において災害により発生した可燃ごみの受け入れを行っており、杉並清掃工場を含む23区清掃一部事務組合所管の清掃工場及び多摩地域の15清掃工場において最大4万トンの焼却処理を行う見込みです。

区の災害廃棄物処理計画によると、東京湾北部でマグニチュード7.3の地震を想定したシミュレーションから、コンクリート系混合物(コンクリートがら)、木質系混合物(木くず)、金属系混合物(金属くず)、可燃系混合物、不燃系混合物を全て合わせて、累積で約149万トンの災害廃棄物が、区内で発生すると推計しています。
【5】この推計重量に対する体積量については、計画では、地震被害シミュレーションに基づけば232.1万立米、一方で、特別区災害廃棄物処理対策ガイドラインによる算定では129.2万立米と、2つの異なる算出結果が記載されています。この違いは何によるものなのか、説明をお願いします。

区の計画では、232.1万立米に対する応急集積場所、一次仮置場に集められる廃棄物の月毎の推移に対する必要面積を、阪神・淡路大震災時の実績を参考に推計しています。それによると、全て処理するのに3年必要とされ、発災後6か月目に集積量がピークになり、12.4万平米の集積用の土地が必要と見積もられています。
【6】現在の区内における空地、オープンスペースとなっている公有地で、十分な面積の仮置場の確保は可能とされているのでしょうか、具体的なデータを用いてご説明いただきたいと思います。
【7】区内における代表的な公有のオープンスペースは、都立・区立の公園になると思います。一方で、大規模な公園は、災害時には広域避難場所、応急仮設住宅の建設用地、復旧のための重機や資材置場、臨時のヘリポート、災害派遣部隊の宿営地、さらには車中泊避難者向けのスペースなど、多様な目的に使用されることが想定されます。これらの用途別のすみ分けは、どのようになっているのか、お聞かせ下さい。
【8】また計画では、「必要面積が不足する場合、私有地の借用を検討する」とありますが、具体的に使用可能な私有地としては、どのような種類の土地が、どの程度存在するのか、種類別の面積をお示し下さい。また、土地所有者とは平時から協定等を結んでおく必要があると思いますが、現状どのようになっているのか、お聞かせ下さい。
【9】さらには、災害廃棄物置場に使うことで土壌汚染などが発生する可能性も考えておかなければならないと思います。対策は、どうなっているのか、お聞かせ下さい。

適正かつ円滑・迅速な処理のための運営体制についても伺います。
【10】仮置場及びそこへ運搬するまでに必要な作業や職員の役割、必要人数について、どのような配置とし、実際の運用については、どのような体制となるのか、お聞かせ下さい。
【11】それに伴う資機材や重機等の調達先、支援要請はどうなっているのか。また、仮置き場の夜間の不法投棄対策や便乗ごみの防止、火災の予防や安全管理については、どのような体制を計画しているのか、確認します。

横浜市では、民間企業と協働して、PLATEAU(プラトー)を使用した災害廃棄物発生についての実証実験を行っています。改めて、PLATEAUとは、国土交通省が主導する3D都市モデルを整備し、オープンデータ化を行うプロジェクトのことです。
多くの自治体の災害廃棄物処理計画では、災害廃棄物発生量の算定は、メッシュ単位や、建物平均延床面積を用いて行われています。本区も同様です。対して横浜市はPLATEAUを使い、建物1棟ごとの建築年や木造・非木造などの構造、建物の階数を被害判定のパラメータとし、より精緻な推定を行いました。結果、従前に行っていた算定値よりも災害廃棄物の発生量が大きくなることがわかり、また、市内全域での仮置場の割当も、公有地約160箇所の仮置場候補地が必要となり、特に市街地では、他地域との連携が必要となることなど、今後の政策課題が明らかになりました。
【12】災害廃棄物発生量のシミュレーションや、その算定結果の活用による仮置場ごとの集積範囲などの検討に対して、デジタルツールを活用することにより、計画の精度向上につながるものと考えますが、所見をお聞かせ下さい。

私は、昨年の第4回定例会でも、災害対策にPLATEAUなどの3D地図データを活用することを提案しました。その時、区からは、「防災分野におけるデジタル技術の活用は、災害対策の精度や質を向上させる可能性を持っている。災害対策の様々な局面に積極的にデジタル技術を導入していく」、「土木部門、情報政策部門が連携をして、オープンデータ化やデータ連携基盤の検討を積極的に取り組んでいく」との答弁を受けております。今後の展開に期待したいと思います。

次に、所有者不明の空き家の解体に関して伺います。
空き家の問題については、熊本地震や西日本豪雨災害、また能登半島地震でも復旧の妨げとなる深刻な問題としてクローズアップされました。全半壊した建物の解体がなかなか進まないことの背景に、公費解体の対象建物が膨大な数で審査等に時間を要したことや、解体に必要な重機や資機材、人員とその宿泊先等の確保に加え、所有者が特定できない空き家が多数存在するという問題がありました。
【13】本区において、所有者が不明とされる空き家は現状どの程度あるのでしょうか。民法と不動産登記法等が改正され、本年4月より、不動産の相続登記の申請が義務化されています。防災上の観点からも、不動産の相続登記が適切に進むことで、リスクの低減につながると思いますが、区としては、どのような対策を進めているのでしょうか。
【14】能登半島地震では、所有者の同意を得ることが難しい場合には、「所有者不明建物管理制度」を適用して公費解体を進めたと聞いています。この制度の概要についてと、自治体はどのような手続を踏み、運用を行うことになるのか、説明をお願いいたします。

能登半島地震の廃棄物処理では、災害ボランティアとの連携に遅れが生じたことも、課題として浮かび上がりました。交通事情が非常に悪く、また、水や食料、宿泊場所の確保ができないことから、被災当初は地域外からの災害ボランティアは遠慮してもらうという方針がとられ、被災住宅の片付けが進まない事態が生じました。
本区内でも、高齢者の単身世帯や高齢者のみ世帯が5万件以上にのぼり、災害時には、被災した住宅の片付けに多くの人の支援が必要となります。災害ボランティアの存在は欠かせません。
【15】災害ボランティアに対して、誰が何を伝え、どのように活動してもらうかという具体的な連携体制や指示系統、指示内容、ルール等についてはどのようになっているのでしょうか。お聞かせ願います。

続いて、災害廃棄物の処理に係る経費について伺います。
廃棄物処理法第22条に基づく「災害等廃棄物処理事業費補助金」により、被災自治体は国から財政的な支援が受けられることとなっています。この補助金は、災害廃棄物や汚水等の収集、運搬及び処分に係る事業を対象に自治体負担分の2分の1を補助するというものです。
【16】災害廃棄物処理計画における災害廃棄物の発生推計から、その処理に係る費用は概算どの程度と見積もっているのか、お聞かせ下さい。

さらに、国からの財政支援スキームとして、この補助金を除いた自治体負担分の2分の1に対し、8割を限度として特別交付税の措置があり、財政負担が一定の水準を超える場合には、特例により災害対策債が発行でき、その元利償還金の57%分も特別交付税に含まれることになっています。
【17】この特別交付税に関しては、不交付団体である特別区の扱いはどうなるのか、災害時の特例措置等の適用が考えられるのか。確認いたします。

区では「財政健全化と持続可能な財政運営を確保するための基本的な考え方」において、大規模災害と経済事情の著しい変動等による減収に備え、財政調整基金の年度末残高450 億円を維持することを定めています。そして、現在では、この額を約135億円上回る585億円の財調基金の積立があります。
450億円の内の大規模災害への備え200億円は、阪神淡路大震災で被災した西宮市のデータに基づいて算出されています。 “集中復興期の5年間”にかかる経費のみを対象とし、その半額のみを設定額としていること、約30年前の貨幣価値に基づいていることなどの課題はありますが、あくまでも現実を踏まえた上での当面の対策としては、一定の合理性はあるものと理解しております。

災害発生時に、財政課が取り組まなければならないのは、適時適切に補正予算を組むことです。財政面からの危機管理能力が問われます。平常時から、いざ災害が起こった場合は、どのような財政需要が発生するのか、財政面からのイメージトレーニングを行っておく必要があると考えます。
【18】実際に被災した場合、既存の災害財政制度のなかで、国等からはどのような支援が受けられるのか、一方で、区として独自に財源を調達して執行しなければならない事業はどのようなものがあるのか、財政需要と財源を整理し、災害時の補正予算の内容を予測して積算してみてはいかがでしょうか。そして、その積算額から、西宮市の事例を参考に導き出した200億円という現在の設定額の妥当性を検証する、いわば財政上の危機管理の演習を行ってはいかがか、所見を伺います。

次に、災害時のドローンの活用について伺います。
今年9月の能登半島での豪雨被害の際、ドローンが活用されました。国土交通省の緊急災害対策派遣隊(テックフォース)は、護岸の一部が崩れて河川が氾濫した能登町柳田地区の被害状況などを調査しました。土砂で埋もれ、人が立ち入ることができない場所は、ドローンを飛ばして上空から被害の様子を確認しました。国土交通省はドローンによる調査結果を被災自治体と共有し、自治体が災害復興予算を国に申請する際に利用できるようにするとのことです。
また、一般社団法人「日本無人航空機システム産業振興協議会」は石川県の要請を受け、輪島市下山町の孤立していた避難所にドローンを用いてパンやアルファ米などを届けました。

災害が発生すると、負傷者の搬送や消火活動などでヘリコプターが頻繁に低空を飛ぶようになり、被災地の上空はドローンの飛行を禁じる緊急用務空域に指定されることになります。しかし、自治体の要請を受けた民間事業者のドローンであれば、飛行可能であり、事前に連携協定を結ぶことで、速やかにドローンを活用することができます。
このテーマについては、昨年も一般質問で取り上げました。その時の答弁で、区は「まずは防災関係団体や、区が災害時の協定を締結している団体等のドローンの状況について確認をしていく」とのことでした。
【19】調査の結果、民間事業者や関係団体等でのドローンの保有・活用はどのように把握しているか、またそうしたドローン関連事業者との連携協定について、現在の取組状況はいかがか、確認します。
【20】最後に、災害時のドローン活用の体制構築に向け、今後の展開に対する区の考えを伺って、私の質問を終わります。
ありがとうございました。
以上

 

 

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