この度、『杉並区新型コロナウイルス感染症に対する入院・外来医療体制強化事業補助金検証結果報告書』が公表されました。

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2年前、国内で新型コロナウイルスの感染が急激に広がり、杉並区内での医療提供体制が一気にひっ迫した時、区内の基幹4病院に対して区が行った包括補助制度を評価検証した報告書です。
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経緯を申しますと、令和2年2月26日、初めて区内在住の陽性患者が発生し、その後さみだれ式に区内の医療機関が一気にひっ迫しました。当初、コロナ専用病床数は極わずかで、患者の急増により、入院先が見つからないという事態に陥りました。
医療機関としても病床確保や患者の受け入れは、院内感染や風評被害に加え、一般診療も制限せざるを得ず、病院経営に大きなダメージがかかることが予想されました。また、感染防止対策にも多くの経費と人員を要し、コロナ病床を確保することは、病院側にとってはとてつもなく大きなリスクでした。
このままでは、杉並区内の医療提供体制が崩壊しかねない。国や東京都の支援は待っていられない。そうした中、区は「入院・外来医療体制強化事業補助金」という制度を創設し、他に類を見ない規模で補助金交付による区内基幹病院への財政支援を行いました。
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制度の概要としては、予算額22億2900万円(令和2年度一般会計補正予算第1号)、支払額16億3005万円という規模の、区内基幹4病院への補助金です。
補助対象とされたのは、
①令和2年4~6月の診療実績に基づいた入院と外来の診療収益と、過去3年間の同時期(4~6月)の実績の平均額との差額。
②令和2年4~6月のコロナ患者を受け入れるために要した経費を補填するというものです。
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つまり、『 区が全面的に支援するので、心配せずコロナと闘っていただきたい! 』という、医療現場へのメッセージが込められた事業であると私は理解します。
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今回、制度の検証を行い、公表した背景としては、前例のない試みの上、貴重な税金が財源となっていることから、補助制度の妥当性や病院経営に与えた影響、医療提供体制確保の成果等について外部有識者による意見を踏まえて改めて見直すこととしたからです。
検証作業は、東京信用保証協会理事長、全日本病院協会会長、公認会計士、大学教授の、いわゆる分野の専門家によって行われました。
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検証結果は、
◆ 行政の手厚い支援があったからこそ安心して患者の受入れに力を注ぐことができた。
◆ 減収補填の補助金交付は適切な手法であった。
◆ 災害とも言える今般の感染拡大において、区の思い切った決断によって実行したことは、意義のある取組。
◆ 区と医療機関の信頼関係が築れた。
など、その正当性や効果等については、高い評価をしていただきました。
⇒ 報告書全文
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さらに言うと、今回のような機動性をもった対策ができたのは、区が健全財政を維持し、”財政のダム” があったからです。
以下、私の過去のブログも参照してみてください。
⇒ 『財政の健全性を維持するしくみ』
⇒ 『杉並の医療を守る』、『杉並の医療を守る<続き>』
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