杉並区の科学教育
杉並区の科学館は昭和44年に開設されました。子どもの好奇心を掻き立てるような独特のシルエットの建物であり、地元の方からも長年愛されてきました。しかし、施設・設備が老朽化してきたこともあり(築45年を超えているので当然です)、この度、平成28年3月をもって閉館することになりました。
区民の中には、科学教育の拠点でもあった同館を残して欲しいとの要望や、あるいは杉並区の理科・科学教育が後退するのではとの懸念を示す方々もいらっしゃいます。
今後の区における科学教育に関しては、杉並区教育委員会は、これまで行ってきた科学館の事業を、別の教育拠点(済美教育センター・社会教育センター)に引き継ぎ、そこに新しい事業を加え、発展・充実をさせていくとの考えを示しています。特にあらゆる世代の方々が科学に親しみ、身近な場所で勉強ができ、生涯にわたって学び続けることができる機会や環境を充実させていくことをめざし、専門事業者等とも協働しながら「新たな科学教育の拠点」の構築に向けて調査研究を始めています。
例えば、各学校へ理科指導員が訪問し理科室等での出前授業を行う、「杉並子どもサイエンス・グランプリ」の開催、夏休みを利用しての科学教室「中学生フーチャー・サイエンス・クラブ」の実施【=以上学校における理科教育】、また、身近な地域施設等でのサイエンス・ワークショップや移動式プラネタリウム・天文台者による観望会、科学実験が体験できる「(仮称)サイエンス・フェスタ」の開催等【=以上地域の科学教育】を検討しています。
日進月歩で進歩するのが科学です。またICTやデジタル技術の発展もめざましく(それ自体が現代科学の姿の一部です)、そのような時代環境にマッチした科学に関する教育も、そのあり方は時代とともに変化して良いと思います。
今後の展開に大いに期待したいと思います。