「地方創生」についての雑感
今回の全国統一地方選挙の一つのテーマとされているのが「地方創生」です。
これは、昨年制定された「まち・ひと・しごと創生法」に基づく地方の活性化が焦点となっています。その背景には、①人口減少への歯止め、②東京圏一極集中の是正という課題があります。
「東京圏一極集中の是正」については、人口問題も含めた東京へ過度に集中している現状を地方に振り向けるということで、一見私たち東京都民・杉並区民にしてみれば、地方との、いわゆる“ゼロサム”的な取り組みにも思えます。しかし、私は、二項対立的なものではなく、東京と地方の「共存共栄」=「WIN-WIN」の関係の構築に取り組むことを重視したいと思います。
我が杉並区でも積年の重要課題である保育園待機児童や特別養護老人ホームの定員不足などは、ある意味、首都圏への一極集中が原因とも考えられます。こういった課題を地方と杉並区が「協働」して双方にメリットのある形で解決策を模索していくということが、これから必要なわけです。
どのような形での共存共栄策か、その連携のあり方や相手・パートナー選び(別に協定や交流を正式に結ばなくとも、目的に応じたパーシャルな連携、あるいは区部共通の課題解決をめざすのであれば特別区あるいは隣接区と共同で進めるなど、様々なバリエーションがあり得ると思います)にも、まずは、戦略を明確にすることからであると思います。
別の視点として、現在区が進めている「地域包括ケアシステムの構築」は、ある意味小さな単位でのミクロな目線、そして地方創生は、自分の区だけでなく地方も一緒に考え、その上で区民福祉も充実させていくというマクロな目線が求められてきます。
さらには、この取り組みには経済の活性化や雇用創出も絡んできます。これまでは、「自治体経営」としての”マネジメント”が注目されていましたが、これからは、より多面的・広域的な、地域経済の”イノベーション”に注目が集まる時代です。
役所のあり方も大きく問われてくると思います。