富士常葉大学大学院環境防災研究科 教授 重川希志依先生から
「自治体における災害対応業務を考える」と題し、研修を受けました。
基礎自治体が災害時にどのような対応業務をこなさなければならないか。何が求められどのような心構えが必要か。
東日本大震災を始め、過去の豊富な事例を交えての重川先生の講演でした。(自分の覚え書きを兼ねて書き連ねてみます。)
始めに今回の東日本大震災に見るまでもなく、現在の科学では自然現象の予想、解明はかなり困難であり、その上で「被害を抑止する」対策の重要性と、限界を認めた上でその限界を前提とした対策が必要であること。そして自治体における災害対応の課題と対策について、実際の被災地自治体からの聞き取りにより、災害をイメージする能力が弱いことや職員がマニュアルや資料を熟知している訳ではなく、マニュアルを作っても質的な向上を怠っている事などを現状の問題点として上げ、それらの問題点の解消が必要であると言われています。
また、防災に求められる人材像とは
災害発生後のプロセスを具体的にイメージすることができる能力を持ち、その状況を分析・判断し理解する能力を持っていること。
知識を有機的に結合し、最適な判断と行動力を持っていること、と示されました。
確かにこのことは災害対応だけではなく、通常の業務を行なう上で行政マンとしての必要な部分でもあろうと思いますし、専門家というよりも、柔軟に判断し行動する、人間としての基礎的な資質の向上が必要になると思いました。
また、現在の防災計画では、10年間という多大な時間を必要とする生活再建に対して、非常に少ないページ数での記述に終わっている点をあげて、災害の初動にページを割く傾向は、その後の災害中・終期の対応プロセスのイメージがない事であると言われていますが、そういった時期の活動を、過去の事例を参考にどこまで詳細な活動計画に明示できるのかが、ポイントとなってくると思います。
確かに類推や類型しやすい初期対応に比べ、その後の対応はその災害の種類や発生場所など千差万別ですが、先生は、過去の災害に際し迅速な対応を果たした組織(消防、自衛隊、国交省など)から、事前の詳細な活動計画の作成や職員の組織化、手順や命令系統が事前に定められている事などを学ぶべきである、とも言われています。
域防災計画の改訂よりも重要なことは、その内容を市の職員や市民が目を通し、共有する事が大事であると言われたがその通りで、「限界を前提とした対策」とは、自然災害の前には科学の限界とともに、行政の限界も当然存在するわけであり、避難所に運営を始め、市民の皆さんに負うところがほとんどなのですから。
また、最後の質問で、災害時の自治体と議会の関わりについて質問がありましたが、今後、各議会で整理が必要となってくると思います。
今回の研修会は豊富な事例と語り口で、非常にわかりやすく、今後の防災行政のポイントを整理する上で、多いに参考となりました。
