コミュニティナース市民フォーラムin綾部に日帰りで行ってきました。
雲南市に視察に行かせていただいた時に、綾部市で、コミュニティナース育成プロジェクトのフィールドワークを行っていると伺っておりました。そこで、平成29年4月から3名のコミュニティナースが活動することとなりそのキックオフイベントが23日開催されるとのことで、参加させていただきました。登壇者は山崎善也綾部市長に始まり、市長からは、都市計画の線引きの廃止とまちづくり条例の策定をし、IUターンによる定住促進、半民半Xの勧め、水源の里事業など、綾部市が、社会実験に挑戦し成功させてきた特性があり、コミュニティナース事業に取り組むとの力強い挨拶がありました。
雲南市で実際にコミュニティナースとして活躍している歌田ちひろさん
綾部市医師会会長の米谷博夫先生から地域医療について、
綾部市社会福祉協議会の社会福祉士の西野知子さんから地域包括ケアについて
高齢者と介護について小規模多機能管理者の四方祐己さん
地域の課題を自治会連合会会長の木下芳信さん、地域の持つ課題をどうにかしたい、そのためにもコミュニティナースに期待している熱い思いをお話ししてくださいました。
地元企業の期待を永井晃さん
永井さんは、少し前まで、役所の地域振興関係の部長さんだったそうです。今は、あやべ温泉の代表取締役です。事業者としてのコミュニティナースに期待する役割を話されました。
途中で、綾部の地域振興に関わっている京都の若手起業家のお話もはさみ
京都大学名誉教授の谷口栄一さんから医学・生理学アプローチと都市系工学アプローチを融合して、人々が生き生きと暮らせる理想的な都市「安寧の都市」という概念を伺い、コミュニティナースによってこの構想が実現できるのではないかとの期待と、そのためには、「地域になくてはならない存在になる」「ダイナミックい地域が活性化するシードを蒔く」「3世代の人々が生き生きと生活出来る街を作るために、人々と直接対話しながら具体的な活動を行う」「新しいコミュニティビジネスにチャレンジする」「地域の活性化に参加したいという想いを持った存在の育成」に取り組むよう提言がありました。
ボノ株式会社の代表取締役横山貴敏さんからは、コミュニティナースの可能性を
4月から綾部でコミュニティナースをする3人。ファーストペンギンになる!と目がキラキラしていました。
NPO法人健康生活まちづくり理事長の木下博夫先生は、コミュニティナースは、人材育成を行ってからまちづくりの活動内容や枠組みをフレキシブルに考える新しい事業ではないかと期待される挨拶をされ、大幅に時間のおしたフォーラムが終了しました。雲南市で育ったコミュニティナースが、ボノ株式会社、京都大学の谷口先生や、綾部市とつながることで、大きな力となって動き出そうとする場に参加させてもらい、これからどう街を作っていくか楽しみです。
2月5日、12日、19日の3回、富岡公民館にて、郷土史研究家の前田智幸さんが講師の「浦安の温故知新」の講座に参加しました。残念ながら12日には出られなかったのですが、第1回目は、千葉氏や妙見信仰、浦安の社寺から見えてくる浦安のルーツを、自然の脅威にさらされながらも自然と共存した先人たち。特に浦安の漁業の歴史が興味深かったです。第2回目は、浦安の豊かな海が死んでいった黒い水事件で、漁民が立ち上がり水質防止法成立までの歴史(聞きたかったです!!)そして、第3回目は、大きな権力に翻弄されながらも、浦安市の未来、子ども達の幸せを願って、真剣に立ち上がった首長、議会、町民たちの闘い、特に、頓挫しそうになったディズニーランド建設を、後押しした町議会の特別委員会のアナハイム視察。
この視察の内容は、ディズニーランド建設がもたらす市税の増加、雇用の促進、交通アクセス、災害時の対応、ゴミ対策の必要性だけにとどまらず、アナハイムが、果樹園の街から、工業と商業との「ダイナミックシティ」として生まれ変わった都市であり、これからの浦安をどう魅力のある町として発展させていくか、都市計画をどう考えていくか。公園整備や図書館の整備を含めた社会教育の重要性も実感させるものだったようです。
今日の浦安があるのはアナハイムというロールモデルがあったからということを再認識するとともに、議会と首長が未来を見据えて街づくりを考えていくかがどれだけ大事なことかということを発展する浦安に育ってきた一人として実感させられました。議員として気の引き締まる講義でした。
浦安は、出身地も価値観も違う移民が集まり独自の文化を醸成してきた場所であり、環境都市としての先進地であることを、先人への感謝を忘れず取り組んでいきたいと思います。素晴らしい講座でした。
精神科医の斎藤環先生が書かれた「オープンダイアローグとは何か」という書籍を読みました。斎藤先生は、精神科医で、日本の「ひきこもり」支援・治療・啓蒙活動の第1人者です。その先生が、フィンランド初のオープンダイアローグという精神医療における薬物治療によらない治療方法を紹介した書籍でした。あらゆる精神障害を含む治療方法として驚異的な効果を出しているそうです。患者本人、家族、関係者、スタッグを含めて、患者の世界に寄り添い、その苦しみを言語化「リフレクティング」を用い「言葉の回復」で「現実の治癒」につなげていくものです。発達障がい、精神疾患、ひきこもりなどの方々の生きづらさを支え、社会参加に結びつけていくために、心の発達の視点や気持ちを言葉に現すことの大事さは、様々な事例や書籍、セミナーなどでお聞きしてきたことでしたので、こんな取組ができるようになれば素晴らしいなぁと感動してしまいました。
また、オープンダイアローグを、社会のネットワークの中でなされるコミュニティケアと位置付けると、NPO法人自立支援センターふるさとの会で実践されている「対人援助論」なども、それに当たるのではと思いました。いずれにしても、薬物療法だけで回復に結びつくことが難しい精神疾患や生きづらさから社会参加に結びつけることができるオープンダイアローグ。認知行動療法が長年かけて昨年4月に保険適用になったことを考えると中々精神科の治療での実施は難しいかもしれませんが、斎藤先生は、ACT(包括型地域生活支援)の実践において、オープンダイアローグと組み合わせると実現可能性が高いのではないかと言われています。まずは、多くの関係者の方に知っていただきたいです。
2月7日、「子育てを地域で支えるために」と題して、本市の子ども・子育て会議副会長をしてくださっている柏女霊峰先生と、うらやす市民大学副学長の関谷昇先生が協働講演会をされるということで、楽みに参加してまいりました。柏女先生、関谷先生のお話は、「子育て」という視点だけではなく、これからのまちづくりの大事な視点をご指摘いただいたものでした。特に、異口同音に、重層的、多角的、横断的、高密度的に、それぞれができることを少しづつ広げていく、「つなぐ」ことを「つなげていく」。これが、子育てだけではなく、介護においても必要であることを柏女先生は、子育て支援事業の事例を通じて、関谷先生は、コミュニティを再構築する協働のまちづくりの必要性と事例を通じてお話いただきました。これからの行政のあり方、まちづくりの視点に大きな気づきとなった講演会でした。
4日、千葉大学で、文部科学省の委託事業である「子どもみんなプロジェクト」の年に1回のシンポジウムが千葉大学医学部で開催されました。とても楽しみにしていたのですが、予定が重なり、後半の「子どもたちの未来を創る〜科学的アプローチの可能性〜」だけ聴くことができました。研究者からは、千葉大学子どもの心の発達教育研究センター長の清水栄司先生、金沢大学子どもの心の発達研究センター教授三邉義雄先生、教育現場からは、猿渡正利先生、千葉県教育庁の石川康浩先生、弘前市教育委員会の小笠原恭史先生がそれぞれシンポジストとして発言をされました。異口同音に、教育現場での現状課題の認識が主観的になりがちだが、科学的アプローチのための学校風土尺度の活用は有効ではないかとの意見がある一方、教育現場の研修は飽和状態であることを解決し、ツールを活用する仕組みを作っていく必要性も出されていました。医学、脳科学、心理学と教育の連携がさらに進み、少しでも生きづらさを感じている子どもたちの対応ができるように願うばかりです。
3日は、雲南市に視察に行きました。秋葉議員がフェイスブックで見つけたコミュニティナースの視察、で伺ったのですが、担当してくださったのは、雲南市の企画政策課?!お話を伺っていたら納得しました。雲南市は、平成16年11月に6町が合併して誕生しました。東京23区の約9割に当たる面積553.4㎢に、人口は3万9千人の高齢化率36.8%の日本の25年先の高齢化社会のトップランナーです。地域の課題を地域で解決するのを目的に、概ね小学校区に、地縁型、属性型、目的型の組織を束ねた小規模多機能型の住民発意による地域自主組織を30、平成19年度までに結成完了しました。公民館等を公設民営の「交流センター」として整備し、常設の事務局機能を持たせ、それぞれの地域課題を住民自らが事業化して解決する取り組みをされています。住民と行政、勿論議員も入り徹底して議論をし事業化していく中で、行政へ「やってくれない」から「やらせてくれない」というクレームに変わっていったそうです。(素晴らしいです!!)現在は、全国の自治体とネットワークを作り、賛同する121自治体との連名により小規模多機能型自治組織に法人制度創設を求める提言書を平成27年1月に国に提出しました。さらに、同年から地域づくり応援隊制度を創設し、3年間ですが、自治組織が雇用し地域課題を解決する若い力の活用を図っています。もう一つ、コミュニティナース誕生のキッカケを与えた雲南市の人づくりの取り組み「幸雲南塾」は2011年から開始されており、その1期生の「矢田明子さん」と神奈川県相模原市でナースをしていた「歌田ちひろさん」が、超高齢社会を迎えた日本で必要とされる看護師の役割は、住民の生活の場に出向き、予防的看護活動を展開することではないかとの思いが共鳴し、「コミュニティナース」の取り組みを始められました。今この思いは、全国の医療看護を目指す若者に共感として広がっていて、地域住民への介入方法や住民他職種との連携の仕方、在宅療養者に必要な看護などを体系化して学べる「コミュニティナース育成プロジェクト」としてスタートし、現在2期生が学んでいます。この視察には、政策企画部長さんと職員の皆さん、健康福祉部長も同席してくださり、全員野球で取り組まれている様子が伝わってきました。時間が2時間でしたので、もっともっと聞きたいこと、現場も見させていただきたかったこと、沢山ありました。ぜひ、また伺うことをお約束し、後ろ髪を引かれながら帰ってまいりました。とんぼ返りでしたが、学びの多い視察でした。
2月2日、会派で出雲市に介護予防、介護支援事業(老老介護)についての視察に行ってきました。
出雲市は、地域包括ケアシステムを地域単位ではなく、7地域ごとに、あんしん支援センター(地域包括支援センター)、15の中学校区ごとに介護事業所などサービス基盤の整備、地区社協を中心とした43地区ごとにコミュニティセンターを設置し、見守り、生きがい活動、介護予防の活動など行うという「重層的ケア」という考え方で取り組まれています。
庁内の組織体制も医療や地域との連携を推進する医療介護連携課を、設置しており、島根県として推進している医療連携のツール「まめネット」の普及も進めています。また、基礎的なことから地域の資源の情報まで、ベテランのケアマネさんが教える知恵袋として「ケアマネマニュアル」を作成していて、ケアマネさんから好評であるとのことでした。
出雲市で独自に行われている「老老介護生活支援事業」は、介護保険でカバーされない高齢者の困り事を解決する取組でした。平成22年10月から開始された事業で、給付対象は、①世帯全員が65歳以上であること。②世帯員に要介護3以上の人がいる。③住民税非課税世帯である。の3つの要件全てに該当する世帯です。1ヶ月3000円分(500円*6枚)で1年分を一括支給しています。給付内容は、様々ですが、草木の管理、屋内修繕、草取りの利用が多いとのことです。在宅を続けていく上で、気持ちの負担を和らげてくれる高齢者に寄り添った支援だなぁと感じました。医療連携推進課、高齢者福祉課の多課にまたがり長時間の視察の受け入れ本当にありがとうございました。大変勉強になりました。