委員会視察最終日は金沢市の無電柱化の取組とまちなか自転車利用の環境整備についての2つのテーマでの視察です。
何方の取組も大変勉強になりました。
特に自転車利用についての取組は今回、伊丹市にも行かせていただいた事もあり金沢市は、町歩きをする歩行者を守るという視点で進めており、同じ自転車空間の整備を行うにも、取組方の違いにつながってくることを勉強させてもらいました。
特に、事故マップの作成をする中で明らかになったことは、「危ないことがわかった」ことで「事故が減り」、「危ないことがわかっている所に事故はない」という担当者の指摘には納得するものがありました。
地域の特性と目指すべき街の姿を明確にし事業を進める事の重要性を再認識した視察でした。
都市経済常任委員会の2日目の視察は、兵庫県伊丹市の「安心安全見守りカメラ」です。伊丹市は、面積が25㎢で、人口が20万人と浦安市と規模が似ています。
子どもや高齢者、障がいをお持ちのかたなどの見守りのため、1小学校区に50台で17校区計850台、水害等災害対応の為に河川、中心市街地への設置に50台、公園等設置や市の予備分で100台、計1000台の防犯防災カメラを市内各所に設置、また、ピーコン受信機(小型のブルートゥースを活用した発信装置)を搭載し、電源とネットワークのインフラ整備をすることで、コスト面とプライバシーの部分の配慮をしている事業です。
日本で初めての取組であり、平成28年3月から一部運用を目指し取り組まれています。
現時点では、警察署との協定締結、肖像権やプライバシー保護のための条例制定、設置場所等含めた地域住民のワークショップを行いながら準備を進めている最中です。心配されるような市民の皆様からの反発は現段階では無いようで、早期設置を望む声が大半であるとのことでした。前例が無い中での事業実施は大変だなぁと思いながら、「安心安全な街を作ろう」「子ども達をみんなで守ろう」との担当の思いが伝わってきた視察でした。
都市経済常任委員会の視察で「自転車のまち」大阪堺市に伺いました。
堺市は、古くから刃物や鉄砲の産業が引き継がれており、その技術を利用し、明治時代からは、自転車関連産業が始まり、現在も国産自転車の製造や、部品製造の出荷額はトップシェアを誇っているそうです。
「自転車産業のまち」として世界に名を馳せた堺市は、「自転車のまち 堺」として、自転車を安全で安心して、楽しく利用することができる街として市民、事業者、行政が協働して進める取り組みをしています。
平成25年から10年間の達成目標を立て「つかう〜利用促進」「まもる〜安全利用」「とめる〜駐輪環境整備」「はしる〜通行環境整備」の4つの柱で進めています。
その中の幾つかをご紹介します。
コミュニティーサイクル事業は、堺市で製造された堺市のロゴ入り自転車を使用し、配置自転車690台のうち、8割が定期利用だそうです。サイクルポートの配置や利用金額の工夫を行い、現在は1日フル稼働の状態となっているようです。
堺市は、「自転車のまちづくり推進条例」を作り事業を推進しているのですが、条例の特色として「ヘルメット着用」「自転車の点検整備及び保健への保健加入促進」「ひったくり防止カバー活用施錠の徹底」、さらには、事業所に自転車利用推進委員を設置することを規定しています。平成27年度からは、自転車ヘルメット購入補助制度の導入を始めていますが、高齢者向けと小学生の親子向けとして安全講習を受けてもらった方に補助をするという仕組みにしており、順調に進んでいるようです。
ハード面の取組として、堺市は、大阪初となる交差点部も連続した自転車レーンを整備しています。説明の後、現地も見させていただきました。整備には、地域高校生や、学校、地域住民を巻き込み通行方法の周知など進められました。特に交差点部における自転車レーンの確保の為に、警察と協議し、右折車線を廃止し、複合レーンに変更、連続した自転車指導帯を設置しています。また、ハンドルが取られることのあるグレーチング蓋を、50㎜以下に改良し整備していました。自転車レーン整備により、駐車車両が減少し、逆走する自転車の減少がみられたそうです。今後は、平成27年〜平成34年までに自転車道、自転車レーンを約50㎞整備し、自転車ネットワークを形成していく予定です。整備完了したら、自転車で観光してみたいです。