一般社団法人全国介護者支援協議会主催の男性介護者に対する支援のあり方に関するシンポジュウムが東京都浜離宮朝日ホールにて行われ、参加して参りました。
NPO法人高齢社会をよくする女性の会理事長樋口恵子先生による基調講演「男が変われば介護も変わる」の他、男性介護者の鴇田昭裕氏による体験談、明治学院大学社会学部社会福祉学科和気康太教授による「男性介護者に対する支援の在り方に関する調査結果」報告があり、シンポジウムでは東京大学大学院人文社会系研究科武川正吾教授がコーディネーターとなり高崎市福祉部長寿社会課の中西富士子氏より地域包括支援センターでの取り組み、名古屋市社会福祉協議会の野川すみれ氏より名古屋市南区介護保険事業所の特に男性介護者を対象にした取り組み、静岡県議会議員の早川育子氏からは今年の6月に静岡県初の男性介護者による自助グループの様子と課題について、また、東京福祉大学大学院金貞任教授からは自治体との共同調査報告による男性介護者の実態と支援の現状と課題についてお話がありました。戦後からの高齢者世帯の構造の変化から、団塊の世代が後期高齢者を迎える2025年は国民総介護時代を迎えます。 尊敬する樋口恵子先生はこのことを特有のユーモアたっぷりに「大介護時代がやってきた!団塊の世代は男介(だんかい、男性介護者の意)の世代」とご指摘され、場内からも笑いと納得の声が起こりました。そして、男性が介護が苦手の理由として①ケア能力の不足②ケア問題解決能力の不足の2点をあげられ、これからの介護は、①男から「ながら介護をすすめよう」②男から介護退職ゼロ作戦を広げよう。③男たちよ介護を語りワーク・ライフ・ケアバランス社会を!を提言され、、最後に「男が介護をし、介護を語り合うとき、大介護時代の航路が変わる!」と確信たっぷりにエールを送られました。
シンポジストの皆さんからは、男性は家事や育児の経験が少なく、また仕事との両立で悩み、自分で抱え込んでしまう傾向にあること。離職せざるを得なく経済的な不安を抱えているケースも多いこと。そのことが、高齢者虐待に結びついてしまっているケースもあること。早期発見し情報提供を行うとともに気軽に相談できる体制が必要であることなどがありました。
浦安市でも本日11月9日女性プラザの主催で、「こころが軽くなる男性のための介護講座」が開かれるようです。樋口先生もおっしゃっていましたが、人類が経験したこともない高齢社会をどう進んでいくか、日本はその先頭にたって舵とりをしていかなければならないのです。とのお言葉が耳に残るシンポジウムでした。