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3月22日に成立した過去最大となる一般会計総額107兆5964億円の2022年度予算が成立しました。主な予算のポイントを紹介します。

■新型コロナ対策 柔軟な対応へ予備費5兆円
新型コロナウイルス対策では、政府の判断で柔軟に使える予備費として5兆円を確保した。21年度当初予算でも同額を計上しており、ワクチンの確保などに充てた。医療提供体制の整備などに使われる見通しだ。
昨年12月に成立した21年度補正予算では、医療機関がコロナ感染者を受け入れる病床を確保するための支援交付金として約2兆円を計上した。22年度予算では、現場のコロナ対応の要となる保健所の機能を強化するため、専門人材を派遣する仕組みづくりを進める。水際対策の強化では、検疫に携わる人員確保の経費も盛り込んだ。
治療薬やワクチン関連では研究開発推進費として15億円を計上。なお、21年度補正では、8817億円を確保している。
雇用対策では、企業が支払う休業手当の一部を支給する雇用調整助成金(雇調金)などの財源に一般会計と合わせて5843億円を計上した。新型コロナウイルス感染拡大に伴う特例措置を実施し、大規模な支出が続く。
コロナ収束が見通せない中、前年度当初予算(6273億円)に近い規模とした。
■教育・子育て対策 教科担任制、35人学級で教職員を増員
公立小学校5、6年生を中心として、教科別に専門の教員が教える「教科担任制」を推進するため、教職員の950人増員が決まった。児童らの学びの質向上を図るとともに、教員の働き方改革につなげる。公立小の「35人学級」への移行を3年生で実施することなどと合わせ、教職員定数は4690人増。国が教職員給与の一部を負担する「義務教育費国庫負担金」は1兆5015億円を計上した。
学校では教職員以外の配置も強化する。教員の負担軽減を図るため、新型コロナウイルスの感染防止対策を担う「教員業務支援員」に過去最高の45億円を計上し、1万650人を拡充。人工呼吸器や、たんの吸引などが日常的に必要な「医療的ケア児」に対しては、通学しやすい環境を整えるため26億円を盛り込み、学校現場の看護師らを3000人増やす。
教育の情報通信技術(ICT)化を巡っては、公立小中学校のほとんどに1人1台のタブレット端末が配備されたことを踏まえ、機器のトラブルに一元的に対応する支援センターを新たに全国約200カ所に立ち上げる。全国の小学5、6年生と中学生らには、英語などのデジタル教科書を無料配信する実証実験を開始。いずれも21年度補正予算と合わせて進める。
■待機児解消、ヤングケアラー支援対策
児童虐待防止対策に1639億円を計上した。子ども食堂や学習支援を展開する民間団体と連携し、地域における見守り体制を強化する。また、家族の介護や世話に当たる18歳未満の「ヤングケアラー」の問題にも対応。子ども本人や学校からの相談を踏まえ、必要な福祉サービスにつなげるコーディネーターの配置が進むよう、自治体に補助する。
待機児童解消に向けた子育て支援策には969億円を投じる。21年度から4年間で新たに約14万人の保育の受け皿をつくる計画に基づき、保育所の整備や保育人材の確保などを進める。
千葉県八街市で児童が死傷した事故を受けた合同点検を踏まえ、歩道やガードレールの整備など自治体の安全対策を補助する制度の創設に500億円を計上した。
■防災・減災、復興対策 インフラ老朽化対策に重点
公共事業関係費は、前年度当初予算比で26億円増の6兆575億円となった。激甚化する自然災害に対応するため、21年度から始まった「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」に力を入れるほか、インフラの老朽化対策にも重点を置いた。
国土強靱化関連は3・0%増の3兆8736億円。「5か年加速化対策」の2年目として21年度補正予算に計上した1兆2539億円と合わせて、取り組みを加速させる。
自治体の防災対策を支援する「防災・安全交付金」に8156億円を計上した。
このうち河川流域の民間や住民を巻き込み、ハード・ソフト両面で治水対策を行う「流域治水」の取り組みに3602億円を優先配分。防災拠点や避難場所の整備、河道の掘削など自治体の事業を集中的に支援する。
昨年7月に静岡県熱海市で発生した土石流災害を受けた盛り土対策も、同交付金で対応する。自治体が行っている点検結果を踏まえた詳細調査や、盛り土撤去などの費用に充てられるようにする。
一方、これまで同交付金で支援していた自治体によるインフラ老朽化対策をより集中的、計画的に進めるため、河川・ダム・砂防、海岸、港湾それぞれに対応する個別の補助制度を創設する。
■福島に国際教育研究拠点を設立へ
政府が東日本大震災からの「創造的復興の中核拠点」と位置付ける、福島県の国際教育研究拠点の経費として25億円を盛り込んだ。運営主体となる法人の設立準備や用地取得などに20億円を計上。将来新拠点に参画する研究者の法人設立前の人件費などで5億円を確保した。
■成長と分配の好循環へ 看護、介護、保育などの賃上げを後押し
22年度予算では、「成長と分配の好循環」の実現に向け、看護、介護、保育分野の賃上げなどの施策を盛り込んだ。分配の原資を生み出す成長戦略として、「科学技術立国」「デジタル田園都市国家構想」「経済安全保障」の3分野に重点投資する。
政府は22年度予算と21年度補正予算を一体の「16カ月予算」として編成。補正では分配戦略の柱として、今年2月から9月まで介護職員や保育士の収入を月3%程度引き上げるための経費などを2640億円計上した。22年度予算でも診療報酬改定などで10月以降の処遇改善に対応するため、588億円を確保している。
22年度予算では、高い成長が期待されるデジタル分野の人材育成や非正規労働者のキャリアアップなどの支援に労働保険特別会計から1019億円を投じる。
一方、「科学技術立国」をめざし、科学技術振興費を過去最大の1兆3788億円計上。デジタル化や脱炭素分野のほか、次世代半導体などの研究開発を推進する。文部科学省は科学技術・イノベーションを担う人材の育成・確保に262億円を計上。博士課程の学生や博士人材が研究に専念できるよう経済支援を拡充するほか、海外に比べて少ない女性研究者の育成に力を入れるなど多様化を図る。
「デジタル田園都市国家構想」を推進するため、光ファイバーや高速大容量通信規格「5G」の基地局整備など地方のデジタル基盤整備を加速させる。スマートフォンやオンライン手続きに不安を感じている高齢者らを支援するため、「デジタル推進委員」を全国展開する。
「経済安全保障」では、解読が困難とされる量子暗号通信の研究開発やサイバーセキュリティー対策の強化などに財源を振り向ける。
■社会保障対策 不妊治療の保険適用拡大
22年度予算で、一般会計の3分の1を占める社会保障費は過去最大の36兆2735億円。医療サービスの価格に当たる診療報酬の引き下げなどで21年度当初予算からの伸びを抑えた。
2年に1度の診療報酬改定は、医師らの人件費に当たる「本体」部分を0・43%引き上げる一方、薬の公定価格である「薬価」部分を1・37%引き下げ、全体で0・94%のマイナスとすることが決まった。今回の改定においては、公明党が長年取り組んできた不妊治療への保険適用拡大が4月から実現する。
■重層的支援対策 整備、孤独・孤立対策など
住民の悩み事に多機関が連携して対応する「重層的支援体制」の整備に261億円を盛り込んだ。属性を問わない相談支援、多様な参加支援、地域づくりに向けた支援を一体的に行う。
生活困窮者の自立支援やひきこもり支援、自殺総合対策、孤独・孤立対策として707億円を計上。居住支援体制の強化による生活困窮者の自立支援の推進や、自治体と連携したハローワークでの就労支援などを展開する。
■脱炭素対策 カーボンニュートラル
地球温暖化対策では、民間企業による脱炭素事業を後押しするため、新たなファンドを創設する。再生可能エネルギー導入や森林保全、プラスチックのリサイクルなど温室効果ガスの削減につながる幅広いプロジェクトを出資により支援。国が企業に資金援助する財政投融資の仕組みを活用し、200億円を充てる。
自治体への支援では「地域脱炭素・再エネ推進交付金」を新設し、200億円を計上した。地域内の温室ガス排出ゼロをめざし、再エネ導入や建築物の断熱・省エネ化、電気自動車(EV)の普及などを進める経費の最大75%を補助する。
■中小企業対策
中小企業に関しては、事業再構築などを支援する補助金の新設を盛り込んだ。10億2000万円を充て、中小企業が連携した製品・サービス開発などを支援。21年度補正予算で確保した支援金なども活用し、コロナ禍で打撃を受けた中小企業の業態転換などを後押しする。中小企業の下請け取引の適正化を推進するため8・5億円を計上。「下請Gメン(取引調査員)」を倍増し監督体制を強化するほか、「下請かけこみ寺」による相談対応を行う。
■農林水産業対策
30年に農林水産物・食料の年間輸出額を5兆円に増やす政府目標の達成に向け、農家や食品メーカーなどの輸出を後押しするため22年度予算に前年度当初比8・9%増の108億円を計上した。21年に初の1兆円超えを果たしており、予算額を上積みし、海外での販路開拓を支援するなど取り組みを加速させる。
コメ農家の転作支援は、主食用米から飼料用への転換に軸足を置いていた従来の制度を改める。飼料用は主食用の栽培に復帰しやすいため、今後は麦や大豆に重点を移す。
(3/23付 公明新聞3面より)
政府予算を把握し、国の支出金を上手に活用できるように調査を行っていかなくてはなりません。着実に市政に反映できるよう取り組んでまいります。