高齢者ニーズの多様化に応えるための新しいバウチャー制度「長寿応援券」の導入を提案

本日の本会議で一般質問に立ち、高齢者施策の諸課題について問題提起しました。
質問の概要は以下のとおりです。
1.認知症対策の強化について
区が推進している様々な認知症予防の取り組みや介護者支援の取り組みを評価した上で、認知症を発症してしまった高齢者への支援について質問。
1)医療機関との連携面での現状
認知症の進行を抑える新薬「アリセプト」が1999年に登場以来、認知症治療は格段の進歩を遂げているにもかかわらず、適切な治療を受けないままでいる方が多いのはなぜか?区としても、「ものわすれ相談」の充実や、ケア24と物忘れ相談医との連携など、医療機関との連携を図っているようだが、これまでの成果と課題は?
2)周知活動の強化
認知症に関する正しい知識を持っていない方が多いのが現実。「認知症は早期発見と適切な治療で病状の進行を抑えることができる」ということをもっと周知させる更なる活動を、場合によっては医師会とのタイアップで行っていくことも必要と考えるが、いかがか?
3)医療機関とのスムーズな連携
ケア24やケアマネージャー、各保健センター等が相談を受け、診断の必要性を認めた場合に、スムーズに医療機関につなげ、早期診断につなげるにはどうすれば良いか、多角的に議論し、様々なトライアルをしていく中で、しっかりとした仕組み作りを至急検討すべきと考えるが、いかがか?
4)多機能拠点やグループホームの早急な整備
在宅介護を支えるための多機能拠点や認知症高齢者が専門スタッフの支援を受けながら共同生活するグループホームの整備は急務。整備を更に強化していくことも検討すべき。
2.介護保険制度の更なる改善について
1)介護従事者の待遇改善
安い給与、重労働、周囲の無理解などの要因で起こっている退職者の増加、なり手の減少という現実は、介護保険制度の根幹にかかわる喫緊の問題。区の認識は?
2)介護保険料設定のあり方
介 護従事者の待遇改善には、介護報酬の引き上げが必要。もし来年度の介護報酬改定によって介護報酬が引き上げられた場合、全体の保険料を引き上げなければな らなくなる可能性が高い。そのような情勢を踏まえれば、応能負担という側面をより重視した、更にキメ細かい算定基準が必要になると考える。低所得者への配 慮、納得性・公平性の確保という面から現在の7段階を更に増やすことを検討しても良いのでは。
3)介護報酬改定に向けての総合的な議論を
介護報酬改定には、財源構成のあり方や介護保険料設定のあり方、更には、介護保険の被保険者の範囲など、総合的な議論が必要。区民の生活に大きく影響することでもあり、区として、しっかり議論を行った上で、国に対して適切な要望を出していくべき。
4)要支援者へのホームヘルパーサービス拡充を
要支援認定者のホームヘルパーへのニーズは依然として高い。介護保険制度の中で受けられるサービスを補完する仕組みとして、現行の「生活支援サービス」を発展させて、要支援者がホームヘルパーサービスを受けられるような仕組み作りの検討をお願いしたい。
その際、「ひとり暮らし及び高齢者のみの世帯」という要件について、例えば、子供が一人で親を介護していて日中は高齢者がほとんど1人で過ごしている、というケースが多くあることを踏まえ、そういったケースでも利用できるよう配慮をお願いしたい。
3.高齢者施策の今後について
(高齢者ニーズに応えるバウチャー制度「長寿応援券」の創設)
高齢化の更なる進展を考えた場合、高齢者が利用できるサービスをいかに確保し充実させていくかが重要なテーマになる。
区では従来から、高齢者の社会参加と交流を支援する取り組みや、介護予防の取り組みなどを積極的に推進しているが、今後、高齢者向けサービスに対するニーズは増え続け、益々多様化する。しかも急速に。
そのニーズに応えていくためには、サービス提供者を効率良く誘導でき、そのうえサービスの質を高いレベルで維持できる仕組みが必要となる、という観点から、新しいバウチャー制度の導入を検討していくべきと考える。
「子育て応援券」の高齢者版的なもので、言わば「長寿応援券」である。
区の補助金が応援券という形で利用者個人に直接交付され、利用者がサービス提供者を「選択」する。サービス提供者の側では選択されるよう「競争」が強まり、結果として利用者のニーズに沿ったサービスが提供されやすくなる。
ニーズは更に喚起され、新たなサービス提供者が発生していく。
これがバウチャーの利点であり、「選択」と「競争」がバウチャーの本質である。
使い道が限定された補助金であり、利用者個人の所得など置かれている状況を踏まえ、その金額をきめ細かく設定することができる、であるが故に「ばらまき」とは無関係。
もちろん高齢者のニーズがどう多様化していくのかをよく見極めた上で、どのようなサービスを対象としていくのかを慎重に議論しなければならない。
健康寿命の延伸や生活の質の向上を目指す上でも、外出する機会を持てず家に閉じこもりがちになる高齢者への重要な対策となり、高齢社会を乗り切るための基盤の一つになり得ると考える。