議員研修~行政評価等を活用した決算審査
7月26、27日と全国市町村国際文化研究所にて、市町村議員研修に参加した。報告書を本日提出。以下、報告内容です。
【講義】決算の意義と審査のポイント
【演習】決算審査の実践
【講義】理論編 決算審査の新しいアプローチ
【講義】実践編 行政評価等を用いた決算審査の実践
はじめに決算の意義と審査のポイントで、前提に人口減少、高齢社会の時代に変化してきていることを頭に入れる必要がある。「人」だけでなく「もの」道路や橋、施設も高齢化。更新費用なども頭に入れなければならない。そして、決算審査における着眼点として、予算審議との関連から審査する。予算の質問内容が反映されているか、目指す目的が達成されたのかどうか。また、住民の視点から審査する。予算の執行によって財政状況はどのようになったのか、実施すべき行政サービスは目的を達したのかどうか。それをまず、全体をとらえてから細部の議論へ。木の大きさ(全体の規模)から、枝ぶり(全体の構成)、そして、葉っぱ(各事務事業)を見ていく。具体的に秩父市の平成27年度一般会計歳入歳出決算書、財政状況資料集、決算カード、類似団体比較カードを用いて、用語の説明も含め比較の仕方、視点など説明された。
続いて、決算審査の実践では、講師の作成した収支状況と基金残高や経常収支比率の性質別科目ごとの数字を見て分析、どこに視点を置くかなどを各自演習。これは数字だけを見るので非常に難しかった。
翌日、決算審査の新しいアプローチでは、新地方公会計改革で、平成26年4月30日統一的な基準として発生主義の活用、複式簿記の導入、固定資産台帳整備が義務化。多くの自治体では平成30年3月末までに開示の予定。貸借対照表の用語の説明、見方など、教わった。今までの現金発生主義では見えなかった、資産の余剰化、世代間の衡平が見ることができる。また、住民一人当たりの負債額、行政コスト、人件費、物件費など他団体との比較ができるなど、分析の視点を教わった。
最後に、行政評価等を用いた決算審査の実践で、行政評価シートとは、定量的評価(非財務数値の数値化)と定性的評価(ロジックを分析、妥当性・有効性・効率性の評価)として、指標を作成したもの。対象(誰に対して、何に対して)手段(どうやって働きかけて)意図を数値で表す、成果指標(アウトカム指標)のことである。この結果が(成果)が有効性となり上位の成果(施策)となっていく。実際に、秩父市、名古屋市の事務事業評価シートを使い教わった。
講師の先生には、一つ一つの用語から丁寧に説明をいただいた。決算は予算と連動しているものであり、決算の財務数値、財産、成果のそれぞれの視点から分析し、予算につなげることが重要であると感じた。難しい専門用語も多かったが、先生から「あなたたちが、難しいと言ってしまうと、住民の方たちはどうしたらいいのでしょう」という言葉にハッとさせられた。また、豊山町は公共施設の建て替えの問題もあり、バランスシートで、現役世代の負担と将来世代の負担が比較できることが分かり、非常に有意義な研修であった。
この研修会で教わった視点を生かし、9月議会の決算審査をしっかりと臨んでいきたいと思った。