2012.10.16 : 平成24年 財政委員会
宿泊税、木密地域の不燃化対策、床すべり対策などについて。
◯長橋委員 私からも、質問を何点かさせていただきたいと思います。
まずは、宿泊税についてであります。
久しぶりの財政委員会でございまして、宿泊税創設のときに、私、財政委員会でございまして、それ以来なので、質問させていただきますが、聞くと、前に定例会で宿泊税についてはさんざん議論があったと、こういうことでございまして、重複を避けながら、簡単にお伺いしたいと思います。
そのときの報告事項であります、この宿泊税十年間の実績と今後のあり方、これを私もいただきまして読ませていただきましたけれども、この十年間に、まさに観光振興を産業ととらえてしっかりと取り組んでいこうと、重要な産業だ、こういうことでこの宿泊税が始まった。
全国で唯一のホテル税、宿泊税は東京だけでございますので、その十年間を見ると、観光振興の財源的には大きな下支えをしてきた。ある年では八割近くを宿泊税で賄ってきた。そういった状況もわかりましたし、また、十年間でございますので、二十三年度までにはおよそ百九億円、これが税金として徴収されたと。
その結果、ウエルカムカードだとか観光情報センターが新たにつくられた、こういうことでありますし、また、外国人の旅行者も、創設前の平成十三年は二百七十七万人だったのが、平成二十二年には五百九十四万人、かなり、倍増近く伸びていると、こういうことでございまして、一兆円を超える、いわゆる生産の波及効果があったんだと、こういうことをこの報告書には書いてあるわけであります。
そこで、この中に、課税人員、宿泊者の数ですね、それから登録施設、ホテル、旅館の数、これが平成二十二年度までについては記載がされておりますけれども、平成二十三年度、昨年、東日本大震災があった年であります、これも、当然、今、話題になっておるわけでありますが、ここには書いてありませんので、平成二十三年度の課税人員、それから登録施設数、どうなっているのか、まずはお伺いいたします。
◯木村課税部長 平成二十三年度の課税人員でございますが、お話のとおり震災の影響もございまして、約五百八十七万六千人となってございまして、前年比二〇・八%の減となっております。
しかしながら、一方、登録施設数は四百六十二件で、前年比二・七%の増となってございます。
◯長橋委員 今いわれた課税人員、宿泊者の数は、五百八十七万人と激減をしたわけでありまして、この表を見ると、二十二年度は七百四十万人、これに比べて二割減ったと、こういうことでありますけれども、多いときには九百九十万人、こういった年もあったわけであります。そう考えると、この課税人員は、景気の動向も含めて、ましてや昨年の震災の動向で大きく打撃を受けているわけであります。
それに対して、施設の数はふえていると、微増でありますけど、ふえているということになるわけでありまして、当然、ホテル、旅館業界の方々は、死活問題にもかかわっておりますし、何とかもう一度、外国人旅行者も含めて呼び戻したいと、こういう強い思いがありまして、私もたびたび聞いてきているわけであります。
そういう中で、この税収も、一貫して十億を超えてきたのが、これを見ると、二十三年度は八億二千万まで減収をしたわけであります。
そういう中で、東京都観光事業審議会が、昨年八月九日に、震災直後ですね、東京の観光の回復を目指す特別提言、これを策定したわけでありまして、緊急的に行っていく、そういった指針を示したわけでありますが、この緊急提言といいますか、特別提言、この内容についてお伺いをしたいと思います。
◯宗田税制部長 お話の特別提言は、東日本大震災等で大きな影響を受けた東京の観光を早期に震災前の状態に回復させていくため、緊急的、短期的な視点から、知事の諮問機関である東京都観光事業審議会が提出したものでございます。
その概要を申し上げますと、低迷している都を訪れる外国人旅行者の回復、観光都市東京における安全性の確保等の課題に対しまして、より積極的な国外から国内への旅行の推進のため、経済効果の高いMICEへの対策を強化していくこと、旅行者が安心して過ごせる東京の実現のため、災害時の旅行者への多言語による案内や、だれもが障害を感じない施設の整備等の指針を示したものでございます。
◯長橋委員 特別提言の中で、MICEの強化、または、緊急時の旅行者への多言語による案内、こうしたことも指針に示されているわけであります。
そうした中で、私も見せていただきましたけれども、宿泊税のご案内というのがございます。これはホテル等に置いてある。そういうことで、ぜひ東京は、宿泊税について、百円、二百円ですかね、ご理解をいただきたいと、こういうことで置いてあるんだろうと思います。
そうした意味で、これを開きますと、一万円は百円、一万五千円は二百円と書いてあって、何に使うかということで簡単に書いてあるわけでありますけれども、十年たって、これは十年間そうした取り組みで、実績も百億円を超える収入があったわけですから、なおかつ観光振興の大きな下支えをしてきた、そういった意味では、大変大きな貢献をしてきているんだろうと思いますし、また、これは簡単にいえば、宿泊税ですから、取りっぱぐれのない税金になるわけでありますから、いろいろ工夫をして、特別徴収義務者であるホテル等には、その支払い方法については工夫をされているというのはよく聞いております。
そういう中で、今後冷え切った旅行者を呼び戻すには、やはり主税局としても、ただ単純に税金を徴収しているんですと、宿泊税を徴収して、観光振興は産業労働局観光部がというのではなくて、しっかり連携をとって、また、財源を支えている局ですから、そうしたことも、宿泊税の理解をいただくとともにアピールもしなきゃいかぬだろうなと、こう思うわけであります。
宿泊税を課しているホテルというのは意外と高級なホテルが多いわけでありますけれども、私も、これを見て受け取ったことはないですね。
改めて見させていただきますと、ご理解くださいという程度のものですから、やはり十年たって、百億円使ったわけですから、そうした成果を示すことによって、納税者に対しても、特別徴収義務者のホテルに対しても大きな後押しになるんじゃなかろうかと、こう思うわけでありますけれども、ぜひこの十年間の実績を、これを今度は旅行者、そしてホテルの関係者にお示しをして盛り上げていくべきだと、こう思うわけですが、いかがでしょうか。
◯木村課税部長 宿泊税のPRについてのお尋ねでございますが、まず、先生お示しいただきましたリーフレットを作成いたしまして、宿泊者には、税の目的ですとか使い道をお知らせするようにしております。これを都の観光情報センターに置くほか、ホテルのフロントですとか客室等に備えつけ等をしていただいているという状況でございます。
また、お話のとおり、今年度は税の導入から十年を経過するということから、改めて税の意義を周知する取り組みを行ってまいります。宿泊税の充てられる都の観光事業を紹介するチラシを作成いたしまして、特別徴収義務者であるすべてのホテル等にPRを行う予定でございます。
これらの取り組みによりまして、納税意識を高めていただき、適正な課税に引き続きご尽力いただくよう努めてまいる所存でございます。
◯長橋委員 新たにチラシをつくって、そうした成果についてもお示しをしていくと、こういうことでございます。
外国人の方が日本に来られる、それは目的があって、観光であり、また会議もあるかと思いますけれども、それはそれぞれなりに調べて来たりして、なおかつ新たな情報をそこでまた入手をして観光するということだと思いますけれども、あわせて、世界の中で比べて、東京の一つの大きなポイントは治安のよさだろうと思うわけであります。
そうした意味では、夜遅くなっても安心して歩けるというようなこともあるわけでありますから、そうしたことも踏まえると、外国人の方が、東日本大震災があった東京でまた何かあるのか、こういったときに、緊急的に、外国人はどこに行けば緊急対応ができるのか、災害時の対応ができるのか、こういったこともサービスとしては重要じゃなかろうかと思うわけでありまして、ぜひそうしたことも踏まえて、どっちがやるか、観光部といいますか、産労がやるのか、主税局がやるのかはともかくとして、連携をとって、総体的に観光振興の下支えもぜひお願いをしたいと思うわけであります。
二十五年度はどうなのか、ぜひお伺いをしたいと思っておりました。来年は、ご案内のとおりスポーツ祭東京、国体が東京で開かれるわけでありまして、先日も、ホテル業界の方々がこの国体を大変期待されておりました。
改めて、どれぐらいの方が来るんだろうなあと、こういうことを聞きましたら、国体については、その開催県が宿泊施設を確保する、これが決まっているそうなんですね。ですから、参加する選手、監督、また関係者、これについては、開催県、来年であれば東京都が確保しなきゃいけないと、こういうふうに決まっているわけでありまして、どれぐらい来るのかということですけれども、毎年、国体ですから急に選手、監督がふえるわけじゃないものですから、大体平均して、国体の方で十四万、障害者スポーツ大会でおよそ三万人近く、およそ十七万人の方が、来年は間違いなく延べ宿泊者としては来ると、こういうことでありますから、これはもうホテル業界としては期待をすると。
それは選手、また国体関係者ですから、それに応援の方々とか関係者とかとを入れれば、当然この宿泊はさらにふえるわけでございまして、そうしたことを考えると、そのために宿泊衛生専門委員会というのまでつくって取り組んでいるわけでありまして、ぜひ、スポーツ振興局ですかね、そうしたことを、宿泊専門委員会というのがあるわけでありますから、主税局としても、連携をとりながら見込みを立てていただきたい。
それが、税収を、宿泊税を多く押し上げる。それをまた使って、ぜひこのオリンピックを目指す、その施設に役立てていただきたいということでございますので、二十五年度どうかと聞こうと思いましたけれども、要望にとどめて、次の質問をしたいと思います。
次に、先ほど高木理事からも、災害対応、木密対策の質問がありましたけれども、私も、地元豊島区で木密地域を抱えておりますし、特定整備路線は今回二十三路線が指定をされましたけれども、そのうち七路線が豊島区にあるということで、地元では大変な話題になっているとともに、この十年間で、十年間といっても二〇二〇年までなんですよね、あと八年余りしかないわけでありまして、その間に木密を解消する、特定整備路線をやり遂げると、こういうことでありますから、地元の方々からすると、昭和二十一年に決まった計画道路が今になって、本当にあと八年でできるのかと、こういう声もたくさんいただいているわけでありまして、ここは、理事者も初め東京都全体で、我々も地元の議員として踏ん張りどころだなと、こう思っているわけでございます。
そこで、住宅の不燃化、耐震化、こうした取り組みについては、既に東京都は、耐震化促進税制、これを実施しております。そうした意味では、この取り組みは、今回の地域防災計画の見直し、また、被害想定の見直し、その以前から既に進めているわけでありますけれども、まず、この耐震化促進税制、これの概要について伺いたいと思います。
◯宗田税制部長 耐震化促進税制は、災害に強い東京の実現を税制面から支援するため、平成二十年度に創設したものでございまして、二十三区内において耐震化のための住宅の建てかえ、または耐震改修を行った場合に、税制上の優遇措置を講じるものでございます。
その概要を申し上げますと、住宅を建てかえた場合は、建てかえ後三年度分の固定資産税及び都市計画税の全額を減免する。耐震改修を行った場合は、百二十平米までの部分について、改修を行った時期により、三年度分、二年度分、または一年度分の固定資産税等の全額を減免するものでございます。耐震改修を早く行うほど、長い期間、税が軽減される仕組みになってございます。
◯長橋委員 これは平成二十七年までの時限的措置だと、こういうことでございますよね。ですから、今、平成二十四年ですから、あと三年余りの時限措置だと、こういうことでありまして、これは都市整備局所管の防災まちづくりでも、平成二十七年を目指して不燃領域をアップさせていこう、耐震化率をアップさせていこうと、そういう中で、主税局としても取り組んだ税制だと思いますけれども、平成二十年から始まっているわけでありますが、その実績はいかがでございましょうか。
◯宗田税制部長 耐震化促進税制の実績についてでございますが、平成二十四年度定期課税分で申し上げますと、建てかえの減免件数は約一万二千件、耐震改修の減免件数は約二千八百件、減免税額は、固定資産税と都市計画税を合わせて、建てかえ及び耐震改修の合計で約十五億八千万円でございます。
また、平成二十一年度から平成二十四年度定期課税分までの累計の減免税額は、約三十五億円でございます。
◯長橋委員 二十年からですから、二十、二十一、二十二、二十三、二十四と約四年半ぐらいの実績を伺いましたけれども、建てかえの減免件数は一万二千件、耐震改修の減免件数は二千八百件、およそ一万五千件弱の実績がある、こういうことでございますけれども、そういう中で東日本大震災が起きた、そういう中で被害想定を見直しをした。
被害想定を見ますと、東京湾北部地震、これは一番大きな災害になるわけでありますけれども、それは全壊棟数は約三十万棟、三十万棟が倒壊すると、こういう想定があるわけでありまして、それに対して地域防災計画では、そのうち二十万棟を減をさせると。三十万棟被害があるけれども、何とかこの地域防災計画で二十万棟を減らしていこうと、こういう目標が示されたわけであります。
今、実績を伺いますと、およそ一万五千棟ということでありますから、もちろんほかにも助成制度、さまざまな緊急援助の助成制度もあります。さまざま制度を組み合わせていくわけでありますけれども、当然、この耐震化促進税制、二十七年までの期限つきでありますけれども、これは当然、今の東京全体の取り組みからすれば、後でも申しますけれども、延長すべきだと、こう思うわけでありますが、いかがでしょうか。
◯宗田税制部長 耐震化促進税制は、早期の耐震改修または建てかえを促すため平成二十七年十二月三十一日までと期間を限って実施しているところでございます。
平成二十八年以降の取り扱いにつきましては、減免の効果、耐震化率等の状況を勘案いたしまして、また、関係局とも相談しながら、その時点で判断を行っていきたいと思っております。
◯長橋委員 その時点でまた検討するということでありますから、後で申し上げますけれども、現在、木密不燃化十年プロジェクト、これが東京都の重要施策として発表されて進み始めたわけであります。
そういう中で、税制のことを考えると、先ほど高木理事も申されておりましたけれども、私も第二回定例会の代表で、この不燃化建てかえによって家屋の固定資産税評価額が上がってしまう、税負担がふえてしまうという問題がある。
また、老朽住宅を除去して更地にしてしまうと、課税標準の特例措置が適用されなくなるという問題もあると、こういうことを同じように指摘をさせていただきました。
そういうことを踏まえて、この木密不燃化十年プロジェクト、特別な支援を行う、そういうことを踏まえて支援を行うべきだ、こういうことを主張させていただいたわけであります。
既に、特別な支援の中身については、今検討していますと、こういう答弁でありましたけれども、そしてまた、各区からのご提案をぜひいただいて、それを総合的に評価して決めていこうということでありますが、もう既にその取りまとめ作業には入っているんだろうと思うわけでございます。
都税の減免措置、これは例示として入っているわけでありまして、私は、いろんな助成制度、また、アドバイスや支援もあると思いますけれども、実際そこの木密地域に住んでいらっしゃる方、実際に対象となる方にとってみれば、この減免措置というのは大変大きなインパクトになりますし、インセンティブになるんだろうと思うわけでございまして、これについては、ぜひ、地域住民の方が本当にご納得のいく、先ほど申し上げた、不燃化を促進するとかえって税負担がふえてしまうと、こういうことも踏まえて、ぜひ皆さん知恵を絞っていただきたいと思いますけれども、現在どこまでその検討をされているのか、改めて伺いたいと思います。
◯宗田税制部長 首都直下地震が切迫している中、木密地域の不燃化促進は極めて重要な課題でございまして、現在、事業所管局において、先行実施地区に選定された区と地区ごとに整備プログラムの作成を行うなど、特別な支援策の実施に向け、具体的な検討を行っているところでございます。
不燃化建てかえに係る都税の減免措置につきましては、その支援策の一つとして、関係局と連携しながら現在検討を行っているところでございます。
また、空き家対策につきましても、先ほど高木理事からご質問がございましたが、先ほど申し上げたとおり、老朽家屋の認定のあり方や除却後の空き地のあり方などの課題もございますが、これにつきましても、関係局と連携しながら、支援策の一つとして検討しているところでございます。
◯長橋委員 検討しているのはよくわかっているわけでございまして、そういう中で大変期待をしているわけでありまして、ぜひそうしたことを踏まえてお願いしたいと思います。
この不燃化十年プロジェクト、十年間で早急に解消していこうということでありますが、災害はいつ起こるかわからないわけでありまして、いつあってもおかしくない、これはたびたびいわれているわけであります。
そういう中で、現在、東京都で大きな災害が起きる、東日本大震災級の災害が起きる、阪神・淡路大震災級の震災が起きる、そういったことも想定をされるわけでありまして、整備は、そう簡単にはできないわけでございますけれども、現在その整備を進めていく中にあって、いざ災害が起きたときに、主税局としては、被災者に対してどういう支援を行っていくのか、伺いたいと思います。
◯宗田税制部長 被災者に対する都税の救済措置でございますが、災害により申告や納付等の期限までにこれらの行為をすることができないと認められる場合には、当該期限を延長する、徴収金を一時に納付、納入することができないと認める場合は、申請によりその徴収を猶予する、災害により損害を受けた場合は、被災の程度等に応じ、申請により都税の減免をするほか、納税証明等の発行に係る手数料も減免するなどの制度がございます。
東日本大震災においても、例えば、都内に固定資産をお持ちの被災者などに対しまして、これらの制度を適用したところでございます。
◯長橋委員 現在は、そういう制度で東日本大震災のときにも適用したということでございますけれども、木密不燃化十年プロジェクトは、あくまで都の整備地域七千ヘクタールが対象であるわけでありまして、これについて、私もほかの委員会で議論してきましたけれども、七千ヘクタールに限って、地域を限定しているわけでありますが、経年していく中で、整備地域に入ってないけれども新たな整備地域に指定をしてもらいたいという地域もございます。
そういったところからすると、今回の十年プロジェクトの中には指定されないという可能性も出てくるわけでありまして、今、三地区の予定だったのが十二地区、申請した地区すべてを不燃化特区にして先行して来年から本格実施と、こうなっているわけでありますが、その枠はこの整備地域七千ヘクタールになっているわけでありまして、先ほど耐震化のことについてはお伺いをしましたけれども、こうしたことを踏まえると、整備地域以外の地域についても災害は同じようにやってくるわけでありますし、不燃化、倒壊ということも、危険度は整備地域、重点整備地域よりは低いかもしれませんけれども、大きな被害は当然想定されるわけであります。
そうしたことを考えると、主税局としては、東京全体を見据えて、災害対応、先ほどの耐震化税制の延長も含めて、ぜひしっかりと取り組んでいただきたいと要望いたしまして、質問を終わります。
◯長橋委員 最後でございますので、皆様お疲れでございましょうが、最後よろしくお願いいたします。
私の方からは、都有建築物の整備、これに絞って質問をしたいと思います。
私も昨年、各決の総括質疑で、都有施設等の節電対策、昨年は節電が大きな話題になったわけでありますが、その際に、昨年は、都民さらには事業者が、ピークカット、ピークシフト、大変なご努力をしてしのいでいただきました。
そういう中で、今後、電力問題、これは今後も大きな課題になりますし、また、お伺いをすると、夏場以上に冬場も大変な電力を使うと、こういうこともあるわけでありまして、そういった意味では、ベースカット、省エネ対策、これも重要であるということを申し上げたわけでございます。
そこで財務局では、各局の委任を受けて、建築の整備については、公共建築物整備の基本指針、これを定めるとともに、平成二十一年には、主要施設十カ年維持更新計画、これにより、先ほども質疑がありましたけれども進めているということでございます。
この公共建築物の整備の基本指針、中身は、コストダウンであるとか、それからバリアフリー等もあると思いますけれども、環境への配慮と、こういうのもあると思いますけれども、改めて、その内容、そして、主要施設十カ年維持更新計画、これは一期、二期、三期と分かれているわけでありますが、一期が終わった時点での進捗状況、どれぐらいの施設が、この一期の中で維持更新されたのか、具体的にご答弁をいただきたいと思います。
◯末菅建築保全部長 建築保全部では、都有建築物を適切かつ効果的に整備していくため、計画から維持管理までのライフサイクルを通じて、最も基本的な事項を、公共建築物整備の基本指針と定めており、コスト管理の徹底や地球環境への配慮など七つの事項を掲げております。
この指針に基づき、公共建築物の基本的な整備水準や整備手法の検討を十分に行い、主要施設十カ年維持更新計画などの建築保全部が施行する公共建築物の整備を適切かつ効果的に執行するよう努めているところでございます。
また、主要施設十カ年維持更新計画の進捗状況でございますが、平成二十一年度から二十三年度までの三カ年の計画では、四百十棟を計画しておりまして、各局からの回答によれば、一部の事業には若干のスケジュールの変更はございますが、おおむね順調に推移しているものと認識しております。
◯長橋委員 具体的に三カ年でどれぐらいの施設というのはどうでしょうか。
◯末菅建築保全部長 具体的な棟数は定かではございませんが、おおむね五〇%程度は進んでいるというふうに認識をしております。
◯長橋委員 五〇%というのは、何が幾つの五〇%かわからないんですけれども、いろんな数え方があるかと思いますけれども、昨年の決算委員会の質疑のときには、都有施設は三千施設とかというようなこともありましたし、その中で、主要施設ですから、この十カ年計画、要は昭和四十年代の建物が老朽化しているということを含めて、それが一気に更新時期に来るから、計画的にやっていきましょうということでありますし、また、平成一けたについては、設備の改修時期に来ているということで、これを計画的に進めていこう、こういうことであろうかと思うわけであります。
そういう中で、昨年も取り上げましたけれども、保全業務支援システム、こういうのがあるということがわかりました。これは財務局がシステムをつくって、各局のデータを収集をして、それをもとに、電気、水道のエネルギーはどれぐらいこの施設は使っているのかとか、そういうデータ収集を始めているということでございまして、平成十九年にシステムをつくって、平成二十二年から本格運用になったということでございまして、既に運用され始めているわけでありますけれども、この保全業務支援システム、これが、きょうまでどのように活用されてきたのか、まずは伺いたいと思います。
◯末菅建築保全部長 保全業務支援システムでございますが、面積が一千平方メートル以上の約二百施設を対象といたしまして、建物の基本情報や工事の履歴、電気、水道等のエネルギー使用量などを電子データ化したもので、平成二十二年度から本格運用をしてございます。
システムにより、施設ごとに使用量を比較し、設備機器の劣化状況を調査することにより、施設改修計画の基礎資料とするものでございます。運用開始間もないため、データの蓄積量が少なく、今後、必要なデータの蓄積を進め、建物の長寿命化や、費用対効果を踏まえた都有施設の維持更新計画等への活用を図ってまいります。
◯長橋委員 この保全業務支援システム、これ私は非常に重要なデータだろうと思います。いわゆる都有建築物が、どれだけ経年劣化しているのか、老朽化しているのか、設備の更新はいつしたらいいのかとか、そういうのをきちんとデータで把握をしていく。これ本来であれば、もっと早くやるべきことだったとさえ思うわけであります。
そういう中で、財務局がその基本データを持つわけでありますけれども、その入力等については、各局がその施設の管理者が入力をするというようなことも聞いておりますけれども、そうしたことによって、電気、水道さまざまなデータを把握をできるということであるわけでありまして、そうしますと、まだ運用して、これからだと、こんな話もあったわけでございますけれども、都有施設、相当な数があると思いますけれども、そのうち、面積が千平米以上の二百施設に限っているというわけであります。
今後、先ほど申し上げたベースカット、省エネ対策ということを考えれば、本運用を開始して、データを収集するわけですから、手間はかかるんでしょうけれども、そんなに費用が、コストがかかるというわけじゃありませんので、これはぜひ、千平米以上の施設を対象としているということから、千平米以下といいますか、すべてというのは大変でしょうけれども、ある程度基準をつくったにしても、この二百施設というのは、都庁財務局として、さまざまな管理をする立場として、少ないんではなかろうかと思うわけでありまして、この対象を拡大すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
◯末菅建築保全部長 対象の建物の拡大につきましては、維持保全の適正化の観点から、より多くの建築物についてデータ入力することが望ましいのですが、エネルギー等のデータの入力は、各施設管理者が行っていることから、入力作業の習熟など、システムに関する周知等が必要でございます。
今後、各局とも調整をいたしまして、対象施設の拡大を検討してまいります。
◯長橋委員 拡大をしていくと、こういうことでございます。そうすることによって、各局も、コスト意識、また、高まってくるんだろうと思うわけであります。
このデータの蓄積が進めば、例えば、ある局は、どれだけ事業を運営する、また、事業を執行するに当たって、どれだけのエネルギーを使っているのかとか、また、改修工事に当たっての選定についても、的確な判断ができるんではなかろうかなと、こういうわけでございまして、例えば、急激にエネルギーの使用量が上がるというような場合も、それはデータとしては出てくる場合もあるんだろうと思うわけであります。
それは、その原因が何であるのかということを調べなきゃいけない、こうなってくるわけでありますけれども、そうするとそれは、機械設備にふぐあいが起きていると、老朽が起きているようなことも考えられるわけであります。
そうすると、もしデータをとっていなければ、それが発見できなくて遅くなってしまう、こうしたことにも対応できるわけでありますけれども、この保全業務支援システムのデータをふやしていくことによって、今いったようなこともありますけれども、どのような活用方法があるのか、改めてお伺いしたいと思います。
◯末菅建築保全部長 今、委員ご指摘のように、各施設におきましてデータの蓄積が進めば、経年的なデータの変化を追うことが可能となります。
例えば、エネルギー使用量の急激な変化がございますれば、設備機器等のふぐあいの可能性、例えば、水道、水の量が急激にふえたとすれば、どこかで漏水があるとか、電気代が急激に上がったとすれば、モーターのふぐあいがあるとか、そのようなことが予測されます。
こういうことを早期に調査することにより、適切な時期に改修等の対応を検討することができると考えています。
◯長橋委員 今いったそのとおりでございまして、各局がそれぞれ自分たちでデータを入力をしていくということによって、そういうことが発見できるわけでありますし、それが、施設改修に大いに役立つわけでありますけれども、これがまた、局が違うと比べられないわけであります。
局が違っても、大体同規模の施設というのは、用途は多少違っても、それを比べてどうかという場合があるかと思うわけであります。そうした場合に、それをわかって指摘できるのは財務局しかないわけであります。
自分の局としては、今のこのデータに基づいて適切だと思っていても、財務局から見たら、同規模とか、同じ経年みたいなことを比べた場合に、ちょっとこっちは高いなということができるのは、財務局しかないわけでありまして、まだこれからデータの蓄積をしていかなきゃいかぬということもあるかと思いますけれども、ぜひ、保全業務支援システム、これを管轄するのが財務局でありますから、今後、都有施設の更新に当たっては、そうしたアドバイスができる、指摘ができる、これは財務局でございますので、ぜひそういうシステムにまで育てていただきたい、これは要望にしておきたいと思いますけれども、よろしくお願いを申し上げます。
それから今度は、先ほどうちの同僚の高倉議員からも、都施設のバリアフリー化、これについて質問をさせていただきまして、高倉議員は、視覚障害者のことについてはずっと取り組んできておりますけれども、あわせて、今般、国土交通省が、高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準、これは書類をここにいただきましたけれども、これを見直しをしたということがあります。
それで、この見直しした内容──高齢者や障害者が、円滑な移動ですから、例えば、廊下や階段などの通路で、つまずきや転倒することがないように、床の仕上げ面を滑りにくい材料とするということで、床の滑りという項目がされたわけでございますが、この高齢者や障害者等の円滑な移動等に配慮した設計、建築設計標準、これの改定の内容、またその背景については、どう認識しているのか伺いたいと思います。
◯室木技術管理担当部長 平成二十四年七月、ことしの七月でございますけれども、国土交通省では、主に建築主や設計者などに、バリアフリー設計の考え方や基準の適用方法、優良な設計事例などを紹介するためのガイドラインとして作成された、先ほど委員からもご指摘のありました高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準を改定したところであります。
今回の改定は、前回、平成十九年に改定を行ってございますが、それから相当な期間が経過していることから、この間に蓄積された新たな知見等を反映させるため、記述の充実ですとか、あるいは適切な事例の追加などを行ったものであります。
主な改定内容といたしましては、これまで記載されていなかった、先ほど委員からもございました、床の滑りに係る評価指標及び評価方法などについての記述のほか、多機能便房における多様な利用者の集中回避の考え方などについての記述の充実が図られたものであります。
◯長橋委員 今ご答弁がありましたとおり、今まで記載されていなかった床の滑りにかかわる評価指標とか、評価方法ですよね。今までは、建築基準法では、床材は滑りにくい材質を使うこととしか規定をされていなかったというようなことでございます。それが、今度は、床の滑りについてもきちんと、測定方法だとか、それから評価方法、こういうことが定められたということであるわけです。
床の滑りというのは、雨が降った場合とか、いろんな状況があろうかと思いますし、また、平面の場合も、少し傾斜がついている場合とか、いろんな場面があるわけであります。
この中にも、転倒したことがあると思いますし、高齢者の方は転倒することによって重大事故につながるということもよく出ているわけでありますけれども、ところが今までは、滑りにくい材質を使いなさいという程度だったのが、この評価方法が決まったというわけでありますが、ちょっと専門的になるんですけれども、ぜひ聞いておきたいのは、この床の滑り、これについての測定方法とか、評価方法はどのように定められているのか、伺いたいと思います。
◯室木技術管理担当部長 今回改定された国の設計標準では、床の滑りの指標といたしまして、JISに定める床材の滑り性試験によって測定される滑り抵抗係数を用いることとなっております。
滑り抵抗係数につきましては、測定対象の床材の上に滑り片を置き、一定の力で引いたときの最大引っ張り力をもとに算出した値でございまして、認証された試験機関においてJISに規定された滑り試験機を用いて測定を行うものであります。
また、今回の国の設計標準では、望ましい床の材料、仕上げの評価といたしまして、建築物の出入り口や通路、スロープなどの部位の使用条件を勘案した上で、当該部位ごとに設定された滑り抵抗係数の推奨値を参考といたしまして、適切な材料、仕上げとすることが示されております。
◯長橋委員 まさに、高齢社会に向けて、もう既に迎えている中にあって、この滑りについても、きちんとそれを取り組んでいくといいますか、定められたというのは大変なことだと思います。
私も、今回初めて知ったんですけれども、今回のこの厚生労働省の人口動態統計、平成二十一年に実施しているらしいんですけれども、転倒、転落が原因の死者数が七千三百十二人あると、二〇〇九年でですね。この厚労省の資料によると、徐々にですがふえているわけです。亡くなった方が、転倒、転落、転落では亡くなると思いますけれども、滑って転んで死に至るということもあるわけでありますけど、それが七千三百十二人いるというんですね。そのうち、同一平面、いわゆる平らなところで滑った方で亡くなった方は、四千四百八十七人いるということで、私も驚きました。
何と比べるかというと、これが交通事故、現在は、十年連続交通事故死は減っているんですね。運転免許証の保有数はふえているんです、十年間で運転免許証保有者数は、二〇一〇年で八千百万人、十年前では六千八百万人ぐらい、かなりふえている。しかしながら交通事故は、十年前は一万人を超えていました。ところが現在は、五千を切って四千八百六十三人、これだけ交通事故については、さまざまな取り組みの中で減ってきているんだろうと思うわけであります。
それに対してこの転倒、転落ですかね、これがふえているということで、交通事故死者数を上回るということを、私も教えていただいたんですけれども、調べたらわかったわけであります。
そういうことでいうと、特に建築物では、エントランスホールなどの事故、これが多いようであります。
そこで、雨が降った場合もありますし、また、当初は滑らない材質といいますか、滑りにくかったのが、いろんな人が通る、大勢の人が通れば道路だって劣化しますよね。同じように床材も劣化をするわけでありまして、そういうことによって、使用環境によって、都有施設でも事故の例は過去にあったんだろうと思うわけであります。
そういうことを考えると、今後こうした滑りについて、きちんと対応していかないといけない。私も滑って転んだことはありますけれども、重大事故には至りませんでしたけれども、高齢者の方は、そういうことによって、骨折に至ったり、ましてや、それによって頭を打ったりして死に至るということもあるわけであります。なおかつ、最近は、訴訟もふえているというふうに聞きます。
昨年、ある店舗で、転倒して、死に至らないけがをしてしまった女性が損害賠償を求めて提訴したと。その提訴した結果、店側にこれは金額五百七十万円の支払いを命じたと。なぜかというと、店側が危険防止措置をとらなかったことが過失認定されたと、こういうことであります。
そう考えると、都施設、都有施設はたくさんあるわけでありまして、私もあのエントランスホール等々は、通る中で、皆さん方も危ないんじゃないかと思っているようなところもあるんじゃないかと思うんですけれども、過去にこうした事例もあろうかと思いますけれども、ぜひそうしたことを踏まえて、今後の対応、どうするのか、これは重要な対応だと思いますし、都施設で転んでけがをしたということは、これはあってはならない。いろんな状況があろうかと思いますけれども、そういうことがないようするためには、今後どう対応していくのか、答弁を求めたいと思います。
◯室木技術管理担当部長 既存の都立建築物の対応についてでございますけれども、私ども施設管理者と連携しながら、材料ですとか、あるいは使用条件、転倒などの発生状況などを十分に把握した上で、適切に対応していくことが必要となります。
特に、委員からご指摘もございますように、エントランスホールなどでは、建築物によって多様な床材が使用されていることのほか、仮に事故が発生した場合には、その当時の天候ですとか、あるいは混雑した中での利用など、さまざまな状況があることから、的確な情報把握と適切な対応策の検討が肝要と考えております。
その際、先ほどご説明申し上げました今回の設計標準の改定内容も踏まえながら、使用材料ですとか、あるいは、改修方法などについて調査検討し、対応方法の助言など、施設管理者への必要な支援を行い、適切に対応してまいります。
◯長橋委員 適切に対応していくという、床の滑りについては重要だと認識して対応していくということであります。
こういうのは事故が起こってから対応するのでは、もちろん遅いわけでありまして、そうした意味では、過去にあった事例を踏まえて、すぐに対応しなきゃいけないというようなところもあろうかと思うんです。起きてから対応するのではなくて、未然防止をぜひお願いをしたいと思うわけであります。
そういうことをきちんとやっていくことによって、これは都施設だけの、都有施設だけの問題じゃなくて、先ほどの訴訟も大きな店舗だったようですけれども、店舗の中で、その訴訟の事件があったわけでありまして、そうしたことを考えると、都みずからそういった取り組みをすることによって、よく見ると、東京の中で歩いていても、滑りやすいところはたくさんあるわけでありまして、雪が降る、雨が降れば、だれかが必ず転んでいるわけでございます。そうしたことを踏まえると、この国交省の床の滑りが新たに加わったことについて、都としても、先駆的に取り組んでいただきたい、こう思うわけであります。
そういう中で、国交省がこうした改定をしたわけでありますから、都としても、この都立建築物の施設整備、これを財務局が担っているわけでありますし、その技術的な指導も行っているわけでありますから、設計基準の改正、都としての設計基準の改正ということだと思いますけれども、これが必要だと思いますが、いかがでしょうか。
◯室木技術管理担当部長 床の滑りに係ります評価指標及び評価方法などについては、これまで明確な指標等がありませんでしたが、今回の改定によりまして、具体的な指標等が示されたことから、床に用いる材料などの選定の際に参考になると考えております。
国の設計標準が改定されまして間もないことから、現在、改定内容の調査把握に努めているところでございますが、今後、国などの動向も注視しながら、床の滑りに係る指標などにつきまして、都の基準類への反映を含め必要な検討を進め、都として適切に対応してまいりたいと考えてございます。
今後とも、都立建築物をだれもが安全で快適に利用できるよう、施設整備に取り組んでまいります。
◯長橋委員 長い時間ご苦労さまでございました。
以上で終わりたいと思いますが、この課題については、まだ改定したばかり、七月ですかね、七月の終わりというふうに聞いていますけれども、改定したばかりでありますけれども、ぜひ、最大の人口を擁する東京都でありますし、こうした事故がないよう、先駆的な取り組みを、ぜひ財務局がリードをとってやっていただくようお願いをいたしまして、質問を終わります。
