2011.11.24 : 平成23年 公営企業委員会
災害時の飲料水の確保など危機管理について。
◯長橋委員 それでは、私からも質疑をさせていただきます。
私の方からは、いわゆる災害時の飲料水の確保、これは、東日本大震災の発生から既に八カ月が過ぎているわけでありますが、その震災によってさまざまな被害が発生したわけでありますが、その中でも特に飲料水をどう確保していくか、これは大変重要な課題であろうかと思います。
そこで、東京都水道局、発災時から今までの対応、今後の取り組み等についてお伺いをしてまいりたいと思います。
まずは、三月十一日に震災が発生をし、そして、三月二十二日に、金町浄水場の浄水から、飲料水中の放射性沃素に関する乳児の規制値を超える二百十ベクレルの放射性沃素が検出をされたわけであります。これが、いわゆる翌日から水の、特に乳幼児の水、これが大変大きな課題になったわけであります。
水道局としても、直ちに対応して、水道水の放射能に関するQアンドA等を出して、何といいますか、過分な反応に対してはきちっと説明した。これはもう評価するところでありますが、その間、三月二十三日以降、私にも何本も問い合わせがありましたし、幼い子どもを抱えているお母さんにとってみれば、どうやって水を確保したらいいのか、こういう問い合わせが殺到したと思います。水道局も、その対応については、昼夜分かたずやったと、このようにも聞いているわけでありますけれども、そういう中で、すぐに、その対応についてはおさまったわけでありますが、いざというときに、飲料水の確保、これが、私も初めてですけど、これほど大変なことであるな、このように思ったわけであります。
そこで、まずは、こうした災害時に飲料水をどう確保していくのか、当然検討をされたんだろうと思います。そこで、まず、いざというときの飲料水の確保をどうしていくのか。お伺いすると、応急給水槽の流入バルブの遠隔制御化というのをすぐに補正予算で組まれたわけでありますが、まずは、そこら辺の説明を伺いたいと思います。
◯酒井浄水部長 都内にあります貯水容量が千五百立方メートルの大規模応急給水槽五十三カ所を対象としまして、応急給水槽への流入、入ってくる方、それと流出、出ていく方のバルブを遠隔で制御できる、そういった工事を進めることとしました。
今年度予算、補正予算を含めまして、平成二十七年度までの五年間で、すべての千五百立方メートルの応急給水施設の整備をしてまいります。
なお、今年度分につきましては、既に契約も済み、これから着手を迎えるというところでございます。
◯長橋委員 今、応急給水槽の遠隔制御化、こういうことでありまして、応急給水槽について、私は、このことに関しては、この委員会でも何回か質疑をさせていただいて、特に区部と多摩の応急給水槽、その数とか、歴史的な経緯もあって、それの対応については、使い勝手も含めて、いざというときに対応してもらいたい、こんな話も質疑をさせていただきましたし、今お伺いすると、いわゆる応急給水槽に放射性物質が入らない、そのためには、安心・安全な水をまずは確保するということで、こういう対応をする。補正予算を組んで、既に着手をしていると、こういうことでありますので、ぜひこの整備は、重要なことであろうかと思います、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
そこで、三月二十二日に放射性物質が発生をした。そういうところから、放射性物質に対する対応、これは水道局としても新たな課題に大きくなったんだろうと、このように思うわけでございまして、そこで、現在の放射性物質に対する具体的な検査体制はどのようになっているのか。私も、ことし九月に、この公営企業委員会の管内視察で、水質センターで、放射能測定機器、これを見させていただきました。そんな大きいものではないですけれども、かなり高額のものであるようなことも説明を受けたわけでありますけれども、現在の放射性物質の検査体制、これについて伺います。
◯酒井浄水部長 ただいまのご質問でございますけれども、当局では、福島第一原子力発電所の事故発生以来、各水系を代表する浄水場において処理した水道水、すなわち浄水だけでなく、その原料となる河川水も毎日検査を行い、即日公表しております。
また、水質センターに放射性物質を測定する機器を導入し、八月からは検査体制を強化したところでございます。
これにより、各水系を代表する浄水場の検査に加え、他の主要な浄水場の浄水について、週一回、多摩地区の地下水などを水源とする約六十カ所の浄水場の浄水について、おおむね月一回検査し、この検査結果についても公表してきております。
さらに、現在、水質センターにおいて二台目の測定機器を整備しているところでございまして、十二月からは、より一層検査体制の充実を図ってまいります。
◯長橋委員 二台目の測定機器をもう既に設置しているわけですね。それを十二月中に、その設置をして体制を図ると、こういうことでありますので、その体制強化については評価をさせていただきたいと思います。
また、この水道水の放射能に関するQアンドA、即刻、翌日出されたわけでありますが、そこの最後にクエスチョン11と書いてありますが、放射性物質は、浄水処理で除去できるのですか、こういうQアンドAがあります。その答えは、凝集沈殿、砂ろ過や活性炭処理といった浄水処理の有効性が文献で確認されていますというQアンドAであったわけであります。
こういうことは今までなかったわけでありますので、文献で確認されているということで、知見があったと、こういうことであると思いますけれども、そういう中でこの放射性物質の検査をどういうふうにしているのか。あと公表もしてきてあるわけでありますが、改めてこの浄水場での、QアンドAにもあった活性炭の注入、粉末活性炭注入ですか、の強化を実施したと、このように聞いているわけでありますが、この粉末活性炭を大量に──大量にといいますか、何倍にしたか、大量に注入したことによって放射性物質を抑えたと、こういうことであったと思いますけれども、この三月二十三日に行った浄水場での粉末活性炭注入、どのように強化をしたのかお伺いいたします。
◯酒井浄水部長 原発事故発生以来、最初にまとまった降雨がありました三月二十一日から、大気中の放射性物質が雨水とともに流下して河川に流入する可能性が懸念されたため、浄水場において粉末活性炭の注入強化を実施しました。三月二十三日には、金町浄水場の浄水で、前日に採水した浄水の放射線沃素の濃度が一キログラム当たり二百十ベクレルとなったことを踏まえ、さらに粉末活性炭の注入率を即日増大させております。これにより、例えば、浄水の放射性沃素が高濃度となった江戸川水系の二つの浄水場においては、当時の注入率は、通常時の四倍まで増大させています。
◯長橋委員 通常よりも四倍まで増大をさせて対応したということで、その結果、大きな結果が出たわけであります。
これが先ほどのQアンドAではあくまで知見であったのが、即座に実施してその効果があらわれたと、こういうことでありますけれども、私も、新聞に、この水質センターの所長が、これがもし原発事故時に効果を知っていれば、百ベクレル前後に抑えられたはずということで、今後に生かしたいと、水質センターの所長といいますか、責任者がそのようにもいっておられるわけであります。
それでは、実際こうした効果があったということを、効果があったらいいというのではなくて、それをきちっと検証していかなければならない、このように思うわけでありまして、これは東京都だけの問題ではなくて、これをきちっと検証して、検討して、確たるものにしていかなければいけない、このように思うわけでありますが、この除去効果、どのような検討を行ったのか伺います。
◯酒井浄水部長 浄水処理における放射性物質の除去効果の検討につきましては、放射性沃素の除去に関して粉末活性炭が有効であるという知見があったものの、実際の浄水処理において、放射線沃素を十分に除去するための処理要件に関する明確な知見がございませんでした。
そこで、三月二十四日から三郷浄水場におきまして、最適な処理条件を求める実験を開始いたしました。その結果、沃素の除去率を大幅に向上させるためには、粉末活性炭と一緒に少量の塩素を注入することが極めて効果的であることがわかりました。
さらに、四月から六月にかけて、研修・開発センターの実験プラントにおいて、高度浄水処理による沃素の除去効果を確認したところでございます。
三郷浄水場での実験結果につきましては、厚生労働省への報告を行ったほか、日本水道協会が発行しております水道協会雑誌に投稿し、国や他の水道事業体に広く発信したところでございます。
◯長橋委員 早速三月二十四日から、三郷浄水場においてその効果を確認したと。その効果については、改めて厚生労働省を初め新聞等にも広報をしたと、こういうことでありまして、やはりこうした対応、水道局の日ごろの危機管理、これがきちっとされているということも私は感ずるわけであります。
しかしながら、こうした対応について、さらに除去をしていくためには、やはり新たな浄水処理技術というものをさらに検討していかなければならない。今までも質疑でもありましたけれども、おいしい水も含めて常に技術的な検討についてはやっているわけでありますが、この放射能の問題を受けて、これは水道局として大きな課題ととらえて、新たな処理技術を開発していかなければならない、このように思うわけでありますが、そのためには、専門的知見を有する大学とか、そうしたところと連携をしていく、また一緒になってやっていく、こういうことが必要だろうと、そのようにも思いますが、いかがでしょうか。
◯木村建設部長 当局ではこれまで、大学や企業と連携し、高度浄水処理におけるオゾン処理の調査や新たなろ過材料の開発など、浄水処理技術の向上を目指し、調査研究を進めてまいりました。
平成二十三年度におきましても、極めて微細な不純物を除去できる、ナノろ過膜による浄水処理技術の検証等を北海道大学と共同で行うなど、調査研究を実施しているところでございます。
浄水処理におきます新たな課題につきましては、大学などの持つ先進的な技術を活用しながら速やかに対応することが、今後の危機管理の観点から必要でございます。このため、引き続き大学や企業と連携し、新たな課題への調査研究を着実に進め、得られたさまざまな知見を適切に浄水処理に活用してまいります。
◯長橋委員 北海道大学と共同研究をするなどということでございます。この間も震災が発生してから八カ月、私のところにさえ、専門的な知見もない私のところでさえ、この浄水技術というのは、まあたくさん、こうすれば浄水ができる、こうすれば放射能が除去できる、こういった技術が私のところにも伝わってきておりまして、それが本当にそうなのかどうかという検証が、私からすると必要だろうなと、このようにも思うところでありますけれども、ぜひ、高い技術力を誇る水道局が専門的な研究、共同研究をして、しっかりとした浄水技術、新たな技術を開発してもらいたいと思うわけであります。
さらには、この新たな技術とともに重要なのが、やはりそれをいざというときに管理する職員がいかに危機管理能力を高めるか、これが重要であろうかと思いますし、その育成というのは怠ってはならない、このように思うわけであります。
そこで、災害時にあっても個々の職員や組織が持てる技術力を発揮するには、日常的に訓練や研修を実施し、平常時から危機に立ち向かっていく、こうした取り組みが必要であろうかと思います。
そこでまず、職員の危機管理能力の育成について、現在の課題はどういうものがあるのか。また、今後の対応についてはどう考えているのか伺います。
◯松宮職員部長 震災等によります水質事故や漏水事故等に適切に対処するための職員の危機管理能力の育成は、ライフラインを担う事業体として不可欠でございます。しかしながら、ベテラン職員の大量退職や施設整備の進展による事故件数の減少などに伴いまして、将来的な職員の危機管理能力の確保が課題となっております。
こうした認識のもと、平成十七年に研修・開発センターを設置しまして、実技フィールドを活用した少人数での事故対応の実技、演習など、実践的な研修を実施しております。
また、平成二十年からは、実際の事故をもとに作成したシナリオを用いまして、模擬的な訓練を行う職員教育訓練システム、いわゆるシミュレーターを使用した危機管理研修を実施しております。このような実践面を重視した研修を計画的に実施し、職員の危機管理能力の育成を図っているところでございます。
◯長橋委員 この研修・開発センターの実技フィールドを活用して、今、シミュレーターを活用して、既に平成二十年からこうした危機管理能力の育成についても当たっているということであります。
このシミュレーターを使用した危機管理研修、これは、いざというときのさまざまな場面を想定して、それに対して実践的に体で覚えるといいますか、身につけるということだろうと思いますけれども、このシミュレーターというものはどういう内容であるのかな、このように思うわけでありますし、また、今回の東日本の大震災、特に放射能対策、これに対してはどのような取り組みをしているのか、改めて伺います。
◯松宮職員部長 シミュレーターとは、現実に体験することが困難な事例につきまして、仮想的なモデルを作成して、擬似的に体験することができる設備でございます。水道局では、事故対応力を強化するため、研修・開発センターに専用の教室を設けまして、スクリーンや端末を整備し、事故時の映像、音響や通話、通信機能などを活用した模擬訓練を行っております。
このシミュレーター研修は、シナリオに沿って展開するさまざまな状況を、職員が適切に判断し、情報連絡、対処方法の検討等をロールプレーイング方式で行う実践的なものでございまして、職場や職務の異なる職員が、組織横断的な業務連携の重要性を体験、理解することによりまして、事故時の対応能力を養える内容となっております。
これまで、水質事故や配水本管の漏水事故対応など、三つのシナリオを開発し、研修を実施しておりますが、今年度からは、震災時の初動対応のシナリオ研修を実施し、東日本大震災における応急復旧活動の経験などを盛り込む予定でございます。
さらに、来年度改定を予定しております水道局の震災対策事業計画等も踏まえ、より内容の充実を図っていく所存でございます。
◯長橋委員 今のシミュレーターを活用した訓練、大変実践的な訓練であろうかと思いますし、これはさらに精度を高めるといいますか、内容についてもさらに検討していただければ、このように思うわけであります。
今、東京都は、いわゆる被害想定の見直しも含めて、全般的に高度防災都市へ向けて取り組みを開始しておりますし、また、さまざまなプランについても見直しが進められているわけでありますが、さまざまな被害想定も含めた、またそのときの対応について検討したところで、やはりそれを実際に実践をするのか、また動かすのは職員の皆さん方であります。そうした意味では、私も今まで、東日本大震災を受けて、他県との協定だとか、また、震災に向かった水道局の職員の活躍等についてもお伺いをしてまいりましたけれども、やはりいかに机上でプランをつくったとしても、いざというときの危機管理能力、これを高めていく、そのための人材育成をやはり間断なくやっていかなければならない、このように思うわけでありまして、特に水道局の職員はその危機管理能力が求められている、このように思うわけでありますが、最後に、そうした観点について局長の決意を伺いたいと思います。
◯増子水道局長 水道事業は、震災時においても可能な限り安定給水を確保する責務を負っており、当局では、施設の耐震化やネットワーク化などとともに、多様な主体と連携した応急給水訓練や応急復旧体制の構築などに取り組んでおります。
さらに、震災時の被害を最小限にとどめるためには、新たな技術開発や職員の危機管理能力の育成など、ハードとソフト両面からの取り組みを進めることが必要不可欠でございます。そのため、日ごろから、浄水処理や管路など、水道技術全般における調査研究を進め、今後とも新たな技術開発を着実に推進してまいります。
また、今回の震災の経験を踏まえた研修や訓練を行い、水道局が有する技術やノウハウを遺憾なく発揮できるよう、引き続き職員の危機管理能力の育成を積極的に行ってまいります。
首都東京のライフラインを担う水道事業者として、平常時はもとより、震災時、事故時においても安定給水を確保するため、全力で取り組んでまいります。
