2005.10.19 : 平成16年 会計決算委員会第1分科会
大震災の選挙。選管にも危機管理対応マニュアル
〇長橋委員 選挙管理委員会の質疑でございます。最近、地震、災害が頻発をしておるわけでございまして、そういったことで我が党は、震災対策、災害対策、さまざまな角度から東京都に提案並びに要望等をしてまいりました。そこで、選挙管理委員会として、選挙を執行する機関として、また投票所を管理する、そういった意味で、それが選挙と重なったらどうなるのか。こういったことについて、それがそれぞれ東京都民の代表、そういうことを選ぶわけですから、それが災害と重なった場合にどうなるかということについてお伺いをしてまいりたいと思います。
まず、いわゆる台風、地震、こういったものが大規模で都内全域に広くわたった場合に、公職選挙法、これではどういう規定をしているのか。後でもお話ししますが、投票所が閉鎖されるような事態になったり、投票所というのはほとんどが避難場所にもなっているわけでありますので、そういった場合に公職選挙法でどうなっているのか、まずお伺いをいたします。
〇渡辺選挙管理委員会事務局長 台風や地震等によりまして、先生の方のご質問にございましたように、都内全般にわたり広範囲に災害が発生して投票ができないというような場合に公職選挙法ではどのように定めているのかというお尋ねでございますけれども、公職選挙法におきましては、地震、火災、水害等の天災によりまして投票所を開設することができないときに、投票日を延期する、これを繰り延べと申しておりますけれども、繰り延べ投票をするという規定がございます。
また、投票を始めた後に交通が遮断して、これも地震その他の天災事変等によるものでございますが、選挙人が、有権者が投票所に行くことができない、あるいは投票をすることができないということになった場合には、投票をし直すということで、再投票という制度がございます。
この両方の制度とも、選挙期日が公示または告示された以降に災害が生じた場合の規定でございます。なお、選挙期日の公示前、告示前に災害が生じた場合には、公職選挙法には規定はございません。
〇長橋委員 今のお話、私も事前の打ち合わせで、公示前については一切規定がない、こういうことを聞きました。いわゆる一投票所が火災に遭ったとかということであれば、対応は私も目に浮かぶわけでありますが、大規模な災害が起きたときに、それが公示前、阪神・淡路大震災のような事態になった場合に全く規定がない、こういうことでございます。そういったことで、これはおかしいな、こういうふうに思ったわけであります。
そこで、ちょっと聞いていなかったのですけれども、規定の問題とそういった場合の予算は、ちょっと今あったのですけれども、予算措置についてはどのようなことになっているのか。わかる範囲で結構ですから、ちょっと教えていただければと思います。
〇渡辺選挙管理委員会事務局長 想定していないような事態が起こりまして投票をする、あるいは選挙をするということになりますと、当然費用がかかるわけでございますが、今回の衆議院議員選挙は、想定をしていなかったといいますか、予算措置はされておりませんでしたので、補正予算を措置いたしまして、その補正予算につきましては、議会にかける暇がございませんので、知事の専決処分で補正予算を作成いたしまして、後ほど、先般の議会でございますが、専決処分をご報告してご承認をいただいた、こういう手続をとっております。 〇長橋委員 基本的には想定しているということで、東京都は過去にそんなに事例がないと思いますので、ただやはり、予算措置というよりも体制をつくっていくということが大事だろうと思います。
そういった中で、先般衆議院選挙が終わりました。都議会議員選挙が終わった後、我々はほっとする暇もなく衆議院選挙があったわけでありまして、その中でも、台風十四号が衆議院選のときにはございました。特に九州で大変な被害を受けて、我々もテレビ、マスコミ等で見たわけですけれども、これは向こうの地元の新聞なんかで見ると、台風の影響で一部の自治体では、道路が寸断されたり、そしてまた避難所が投票所に指定されるケースが多いので投票に支障が出た、こういうことでございます。また、投票所に行くのに、九州の場合には過疎地等もあるでしょうけれども、そういったことで分断をされてしまったので、住民の方が分担をして、リレー方式という方式で足の悪い高齢者の方に便宜を図ってやったとかいうことがございます。
それからまた、期日前投票、こういったことができなくなったり、その時間を早めたり、こういうことで非常に被害があったわけでありますし、投票にも大変な支障を来した。恐らく、投票に行きたかったけれども、まずは自分の身を守る、家族を守ることを含めて、そういったことで投票できなかった方もいらっしゃる。これは別に、決して選挙管理委員会の責任じゃないわけですけれども、災害はいつあってもおかしくない、こういう中にあって、こういう被害が出ました。
そういうことで、今回の場合には投票期日を変更とかいうことはしなかったわけですけれども、十年前の阪神・淡路大震災、これは私も終わった後に見に行きましたが、選挙どころではもちろんございませんし、そういったときに、阪神・淡路のときには特例法が定められてやった、こういうふうに聞いております。こういったことが、都内ではこういった事例があるのかどうか、ちょっとお伺いをいたします。
〇渡辺選挙管理委員会事務局長 九州の方で台風が接近いたしまして、一部の投票区でございますけれども、投票の期日を繰り上げるということが新聞報道では出ております。沖縄県選挙管理委員会は、先島諸島、沖縄四区におきまして、衆議院選を与那国島の全投票区、有権者は千二百八十人でございますが、十日に繰り上げる決定をしたというような新聞報道もございました。
これは、やはり公職選挙法に繰り上げ投票の規定がございまして、投票当日に開票所に投票箱を送る。送って、最終的に一斉に開票するということが不可能な場合には、投票日を繰り上げることができるという規定がございます。前回の総選挙では、九月十一日が投票日で、即日開票ということでございましたので、その前日または前々日なり、適切な日に繰り上げ投票をするという規定がございましたので、この規定を適用して沖縄の場合は繰り上げ投票を実施したというぐあいになったものだと思います。
それから、阪神・淡路の大震災でございますけれども、これに伴いまして特例法が制定されました。平成七年四月の統一地方選挙告示前の一月に、ご案内のとおり大震災が発生いたしました。そこで、三月に臨時の特例法が公布されまして、選挙期日を同年の六月十一日と。当然任期が、四月の統一選挙ですから延びてしまいますので、その前日の六月十日まで任期を長及び議員について延長するという法律が制定され施行されて、これに基づいて兵庫県の県議会議員選挙その他の選挙が行われたところでございます。
東京都内ではどうだということになりますと、災害等によってこのような形の措置をとった例はございません。ただし、小笠原の母島投票区につきましては、これは父島の開票所まで投票箱を持っていかなきゃいけませんので、当日ですと海象・気象条件で運べないということがございますので、前日に繰り上げ投票しているというような形で毎回実施をしているところでございます。
〇長橋委員 今お話を聞きまして、災害では東京都はないけれども、交通の利便性が悪いということで、小笠原で繰り上げ投票をしている。選挙を早目に行って投票箱が間に合うようにする。ですから、繰り上げはあるけれども、繰り下げということは規定がない。阪神・淡路大震災のときには特例法を設けて、任期も含めて繰り下げた、こういうことになるかと思います。
まさに今までも、阪神・淡路大震災のときにこういった特例法を急遽つくったわけでありますが、今後そういったことを想定した場合に、これはきちっと整備をしていかなきゃいけない。最初にお尋ねしたときに、告示前に大規模な災害、地震等が起きた場合には公選法では規定がない、こういうふうなことでございます。例えば知事選で、東京に首都直下型地震が起きて、大災害が起きる。それが知事選の前に起きた場合に、リーダー不在で災害対策をしなきゃいけない。この東京で起きた場合には、知事の決断、またそういった態勢をつくるに当たって最も重要な人が不在になってしまう、こういうことが起こりかねないわけで、これは現実的にあってはならないのですけれども、想定をしておかなければならないと思います。
そういった意味で、例えば知事選で都内でこういった災害があると、どういう対策を講じられるのか、お尋ねします。
〇渡辺選挙管理委員会事務局長 都内におきまして大震災が告示前に発生したというような形になりまして、その被害の程度が大きくて任期満了までにはとても選挙ができる見通しがないというような場合でございますけれども、現在のところ法律上の規定がございませんで、選挙期日や長の任期については対応ができないということになりますので、これにつきましては特別に法律で定める必要がある。
この規定を、阪神・淡路の場合は急遽臨時特例法で、阪神・淡路のためだけに法律をつくったわけですけれども、もう少し一般的なこういう事態に対応できるような、首都圏も含めて日本全国いつ地震があるかわからないような状況でございますので、そのような一般的な定めをする必要があるのではないかというぐあいに選挙管理委員会としても考えてございます。
そこで、東京都の選挙管理委員会といたしましては、委員長以下四名の委員がございます。小倉委員長、河合委員長職務代理、長橋委員、近本委員、この四名が全員そろって、十月五日でございますけれども、直接総務大臣に法整備を行うべきであるという要望を行いました。早急に、公職選挙法等の改正の機会があるときにぜひこの問題を取り上げていただきたいということをお願いしてまいりました。今後とも、選挙管理委員会としては、制度が整備されますよう取り組みを進めていきたいと考えております。
〇長橋委員 総務大臣に法改正の整備、改正をすべきである、こういう要請をしたということでございまして、東京だけでなくて、ほかのところでも同じ意識はあると思いますし、さらに強く要望をしていただきたいと思っております。
そこで、最後に、打ち合わせのときに見せていただいたのですが、選管にも危機管理対応マニュアルというのがある。ほんの数ページですので、見させていただきました。この中に、いわゆる危機管理対応マニュアルですから、想定されない事態が起きたときにどうするのかというマニュアルがここにございます。指針として、まずは都民の生命、身体等の安全第一を確保する、そして首都機能を守る、こういう中であるのですが、もちろん選挙管理委員会としても、対策本部というのですか、これを事務局長を本部長として設置する。大規模になったときには、東京都の災害対策本部とも連携をとる。こういうことで、態勢については書かれているわけでありますが、そこの最後に、選挙期間中の災害への対処というのがあります。
ここにも書いてありますが、災害の時期が公示、告示予定日前までの場合にはどうかというと、国に要請を行っていきます、こう書いてある。今のご答弁と同じなんですが、次に、災害の時期が選挙の告示から選挙期日までの場合はどうなのかというと、わずか四行しか書いていないのですけれども、全職員は速やかに局本部に連絡をとり、以後の指示を受けるとともに本部に参集すること、これしか書いていないわけであります。また、災害の時期が選挙期日と重なった場合はどうなるか。これは単なる、以前もそうですけれども、繰り延べ投票するとか再投票するとかいうことだけでございまして、これでは、総務省に要望した、国の改正を待つまでもなく、これはいつ起きるかわからないわけで、このマニュアルはもう一度見直す必要があるのじゃないか、こういうふうに思います。
ぜひともこの危機管理対応マニュアル、東京都にも危機管理監ができて、全庁を挙げて進めているわけであります。いざ選挙と重なった場合に、都民の代表を選ぶ大事なときにこういう災害があったときに、どうやってスムーズに、またどういう対応をするのか、この見直しについてぜひ進めていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
〇渡辺選挙管理委員会事務局長 東京都の選挙管理委員会としては、先生がお示しされました危機管理対応マニュアルというのをつくってございます。中身は非常に大綱的な定めでございまして、詳細について定めているわけではございませんが、これを基本として対応していこうということでございます。
先生ご指摘のように、実際に災害が起こったときに具体的な対応をとっていくという形の中では、いろんな場合も想定されますし、より詳細な検討をしていく必要があろうかと思います。特に、投票所と開票所を管理しておりますのは区市町村の選挙管理委員会でございます。こういうところと十分相談をして、より実効性のある対処手順書みたいなものをつくる必要があるのかなということは前々から考えてございました。
そこで、東京都と区市町村の選挙管理委員会で選挙事務運営協議会というのをつくっております。この中で詳しく、東京都選挙管理委員会の危機管理マニュアルを一つのたたき台にしながら、さらに実効性のあるものを検討していこうということで、まだ検討は始めておりませんが、検討していこうという話は既にしているところでございますので、できるだけ早く、かつ内容があるものをつくっていきたいというぐあいに思っております。
それから、国への要請の件ですが、東京都の選挙管理委員会として要請をしたのですが、あわせて、都道府県の選挙管理委員会連合会というのが全国でございます。その連合会の方にもこの件について国に対して働きかけをするように我々も要請をしているところでございますので、連合会、全国一丸となって制度の整備についても取り組みを進めていきたいというぐあいに考えております。
〇長橋委員 今のご答弁、大変ご丁寧にありがとうございました。東京都も、震災被害の見直し、これを進めるという答弁がございましたし、全力で取り組んでいくということでございます。ぜひ選挙管理委員会も、今いった区市町村との運営協議会において呼びかけて、早急に進めていただきたいことをお願いしまして、質問を終わります。
ありがとうございました。
2005.10.19 : 平成16年度_各会計決算特別委員会第1分科会
