2002.10.21 :平成13年度 会計決算委員会第3分科会
若年者の雇用の推進、若年者の就業対策。「ベンチャー・SUMIDA」等有望分野の創業支援。
〇長橋委員 私の方は、同じ就業対策でも、若年者の雇用の推進、若年者の就業対策についてお伺いをしたいと思います。
文部科学省の学校基本調査ですか、の発表によりますと、ことし春の学卒無業者、これが二十八万人に増大をしているということであります。大学を卒業しても仕事がない若者、これが十一万九千人、約二二%、短大卒業では二万五千人、これも約二〇%、高卒で十三万八千人に、これは約一〇%を超えている、こういうことでございます。
しかも、就職しても三年以内に離職してしまう、こういう割合が、大卒で三割、高卒で五割、ちなみに中学では七割いるということで、七五三現象などといわれているわけでありますし、また、現在就業率が六割を割るというような状況で、近い将来、二人に一人は無業者になる、こういうような深刻な事態になりかねない、こういうことでございます。
大卒は、五人に一人以上が進学も就職もしない、これは親にしてみれば、大学まで出してと、こういうふうに思うわけでありますけれども、確かに、景気の低迷で企業が新規採用を手控える、また若者の働く意欲というのが大きく変化してきている、減退してきているというような状況があるわけですけれども、リクルートの調査によりますと、学校を卒業して正社員としてすぐ就職しなかった者の四割が、正社員として仕事につく気がしなかった、こういうふうに答えているわけです。しかし、正社員として仕事を求めながら仕事につけない、そういった若者もいるわけでございまして、こうした若者がいわゆるフリーター、こういうふうになっているわけであります。
厚生労働省の調査では、フリーターは全国で実に百九十三万人もいると。比べますと、十年前の約二倍近くになっているわけであります。また、同じリクルートの調査によれば、フリーターの六七・五%が、将来はフリーターをやめて定職につきたいという意識を持っていることもあります。
しかし、そうした意識を持ちながら、正社員にならずに、いつまでもフリーターを続けていては、二十代前半ならばまだいいかもしれませんけれども、三十代前後になってくれば、そこから就職を目指しても、なかなか仕事に対応する技術や能力、こういったものが身についていなければ、結局は希望する職種につけない、希望する職種につけないと、そのままドロップアウトしてしまうような者も出てくる、こういうふうに思うわけでございます。
そして、このままでは、今後少子高齢化がさらに進展する中で、技術を継承する若者が育たない、また、企業の成長や国際競争力に本当に影響を及ぼしてくる、ましてや税や社会保障といった社会の基盤も揺るがしてくる、大変大きな危険性をはらんでいるわけで、これはイコール日本経済の衰退、社会の崩壊の兆しでもある、こういうふうに思うわけであります。
こうした中で、国においては、平成十三年十二月から、三十歳未満の若者を対象として、若年者トライアル雇用事業、これを開始するなどして就業対策に取り組んでいるわけでありますけれども、雇用対策、これは一義的には国の事業でありますけれども、東京として積極的に、一番若者の多い東京でありますし、フリーターも多いところであると思います、積極的に取り組んでいくべきである、こういうことでお伺いをしていきたいと思います。
そこで、まず、都における若年者の失業率についてはどうなっていますか、お伺いいたします。
〇高橋労働部長 総務省が行っております労働力調査地方集計結果によりますと、東京都における平成十四年四月から六月の若年者の平均の完全失業率は、十五歳から二十四歳で一〇・七%、二十五歳から三十四歳で七・六%となっております。
〇長橋委員 大変高い数字で、東京の若者は大変厳しい状況に置かれている、その推移も非常に急激に上がってきているというふうに思います。
それでは次に、フリーター、先ほど百九十三万人全国にいるということでございますけれども、都内にはどれぐらいのフリーターがいるのか、お伺いをいたします。
〇高橋労働部長 まず、フリーターの定義でございますけれども、労働経済白書によりますと、年齢は十五歳から三十四歳でありまして、現在就業している者については、勤め先における呼称がアルバイトまたはパートである雇用者で、男性につきましては継続就業年数が一から五年未満の者、女性につきましては未婚で仕事を主にしている者、それから現在無業の者につきましては、家事も通学もしておらず、アルバイト、パートの仕事を希望する者となっております。
これに基づきまして、平成十三年二月の総務省労働力調査特別調査による都内分の集計データを独自に集計してみたところによりますと、都内のフリーター数は、推計で三十四万人となります。これは、十五歳から三十四歳の都内人口の九・六%に相当いたします。
〇長橋委員 全国百九十三万人のうち、東京においては都内に三十四万人いる、全国の二割近くが東京にいる、そして十五歳から三十四歳までの一割もいる、こういうことでございます。大変心配なことであると思いますし、フリーターの約四割が正規雇用を希望しながらフリーターを選択している、こういうふうにいわれています。この割合を単純に掛けてみますと、実に三十四万人のうち十三万四千人が、やむを得ずフリーターをやっているということになるわけでございます。
このように、多くの若者が、働きたくとも働けない、あるいは希望する仕事につけない、こういう状況になっているわけでありますけれども、まずは都の認識、どのように考えられているでしょうか、お伺いいたします。
〇高橋労働部長 意欲を持って仕事につきたいと思い、社会に貢献したいと思っている若者が仕事につけないということは、本人にとっても大変不幸なことであると同時に、社会にとっても大きな損失であると認識しております。
〇長橋委員 単なる若者の就業ということではなくて、社会にとっても、また東京にとっても、日本にとっても大変大きな損失であるわけであります。
大きく対策を講じていかなければ大変なことになるわけでございますが、それでは、現在、都はどのような具体的な対策を講じているのか、お伺いをいたします。
〇高橋労働部長 東京都では、高校生や短大生、大学生を対象とした職業ガイドセミナーや、いわゆるフリーターを対象としたヤングワーカーズフォーラムを実施し、若年者の職業意識の醸成に努めております。
また、平成十三年度からは若年者合同就職説明会を都独自に実施いたしまして、若年者の就職機会を提供したところでございます。
なお、今年度の若年者合同就職説明会につきましては、東京労働局やハローワーク、経済団体や大学の就職部などと幅広く連携を図りながら、十一月の五日、六日の両日、東京体育館におきまして実施する予定にございます。求人企業は二日間で延べ三百社を予定してございます。
〇長橋委員 今お話のあったいわゆる合同就職説明会、東京でも独自にやっているということでありますけれども、説明会に来るのは働く意欲がある、こういうことであるかと思いますけれども、話をお伺いしますと、現在就職まで三つのハードルがある、こういうふうにいわれているそうであります。一つは、なぜ働かなければならないのか、これをクリアしなきゃいけない。きょういらっしゃる皆さんには考えられないような話もあるかと思いますけれども、なぜ働かなければならないのかと。今度は、それを乗り越えると、自分は何をしたいんだろうか、その次のハードルがある。そして、それを乗り越えると、今度はどうすれば仕事につけるのか。この三つのハードルを乗り越えていかないと就職までにいかない、そういう若者が多くなってきている、こういうことであります。
そう考えますと、いわゆる説明会とかいうことではなくて、三定でもうちの中嶋議員が質問いたしましたけれども、厚生労働省は五年間で五万人のキャリアカウンセラーを配置していく、こういうことでございますので、本格的にこのキャリアカウンセラーの養成に取り組んでいるわけであります。
例えば、こうしたキャリアカウンセラーを活用して、一人一人の若者の適性を踏まえてきめ細かい就業支援を行うなど、新たな対策も必要だと思います。都としては、この若年対策にどう取り組んでいくのか、お伺いをいたします。
〇高橋労働部長 都といたしましても、お話のように、若年者の就業支援は重要な課題と認識しておりまして、引き続き国や経済団体、教育関係機関とも連携を図りながら、施策を積極的に推進してまいります。
さらに、今後は、新たに設置しました東京都雇用・就業対策審議会における議論等も踏まえつつ、キャリアカウンセラーの活用も含め、さらなる若年者の就業支援対策を検討してまいります。
〇長橋委員 厚生労働省の概算要求資料においても、国は本格的に若年者対策に取り組んでいくと。都としても、国と力を合わせて、この若年対策は大きな就業対策の柱であると思いますので、ぜひ積極的に取り組んでいただきたい、こういうふうに思うわけでございます。
今お話のありました東京都雇用・就業対策審議会においても、ぜひ若年就業対策についても議論を深めていただいて、また、この審議会の議論を十分に参考にしながら、新たな若年雇用対策を、施策を展開して進めていただくよう要望をいたします。
次に、東京都のベンチャー施設についてお伺いをしたいと思います。
平成十二年度の東京都の空き庁舎を活用したベンチャー施設の第一号として、墨田区に「ベンチャー・SUMIDA」を整備され、十三年度においては神田と八王子の二カ所に開設をされました。
東京都も、長引く景気低迷の影響で開業率が廃業率を下回る、こういう状況が長く続いているわけでありまして、創業の促進、活発化というのは大変重要な課題であると思います。しかし、創業を志す人や創業間もないベンチャー企業というのは資金も乏しいわけで、特に事務所経費の負担というのが大きな壁になってきていると思います。
こうした状況の中にあって、東京都においては、すぐれた技術力を保有しながら資金力がない創業間もない企業に対する支援策の一つとして、空き庁舎を利用して、家賃無料のベンチャー施設の整備を進めてきたわけでありますけれども、このような事業は、いわゆる起業マインド、創業したい、こういう効果や、雇用の創出も期待できるわけであります。
それで伺いますけれども、これまでの整備状況と応募状況並びに整備額についてお伺いをいたします。
〇泉本参事 まず、「ベンチャー・HACHIOJI」についてでございますが、平成十三年十二月に開設し、部屋数は十一室でございます。応募者数は二十八件で、その倍率は二・五倍です。
また、「ベンチャー・KANDA」につきましては、平成十四年三月に開設し、部屋数は三十室、応募者数は百三十五件で、倍率は四・五倍でございました。
施設の整備費は、両施設合わせまして九千九百十八万六千円でございます。
なお、参考までに「ベンチャー・SUMIDA」でございますが、平成十二年十一月に開設し、部屋数は二十二、応募者数は百七十件で、倍率七・七倍でございます。
〇長橋委員 大変多数の応募者の中から、この東京都のベンチャー施設に入居できる、こういうことでございますけれども、非常に応募が高いので、厳正に審査をしていかなければならないと思いますし、また費用からすれば、厳しい審査を合格してといいますか、入居できるということは、都のお墨つきをもらえるということで、その後の活動についても大変大きな影響があると思いますし、入居資格者、ベンチャー企業の対象者には、期待される有望分野で創業を図ろうとする者、三年以内、こうなっているわけでありますけれども、応募企業に対する入居審査の方法はどのようになっているのか、お伺いをいたします。
〇泉本参事 入居企業の審査に当たりましては、入居資格判定基準に基づきまして、一次審査の書類審査におきましては、中小企業診断士に審査委員をお願いし、事業の計画性、事業の新規性、創造性あるいは成長性、市場性の各項目を総合的に判定いたしまして、二次審査を受ける候補者を決定してございます。
また、二次審査の面接審査におきましては、中小企業診断士やベンチャーキャピタルなどの民間の専門家に審査委員を委嘱し、一次審査の項目に、さらに経営者の資質を判定要素に加えるなど、技術、経営面などで総合的に審査し、入居者を決定してございます。
〇長橋委員 今いったような審査で入居者を決定しているということでありますけれども、今度は、入居企業の特徴、それから入居後の活動状況についてお伺いをいたしますけれども、新聞によりますと、「ベンチャー・SUMIDA」では、そこから一生懸命成長して、また発展をして、約半数が卒業したという記事もありました。
今いった入居企業の特徴と、それから入居後の活動についてお伺いをいたします。
〇泉本参事 まず、入居企業の特徴でございますけれども、「ベンチャー・SUMIDA」の入居企業を事業分野で見てみますと、コンピューター、通信などの情報関連分野が五〇%を占めまして、医療、教育、安全・防災分野も合わせますと約二〇%を占めてございます。
次に、「ベンチャー・KANDA」の入居企業は、情報関連分野が約六〇%と高く、機械、環境、教育分野を合わせて約二〇%でございます。
また、「ベンチャー・HACHIOJI」は、情報関連分野が約三〇%と、三施設では最も割合が低いわけですが、次いで機械分野が約二〇%、その他コンサルティング分野、デザイン分野などとなってございます。
次に、入居後の活動状況でございますけれども、「ベンチャー・KANDA」、「HACHIOJI」の二つの施設は、開設してまだ間もないもので、大きな動きがないために、開設後二年近く経過いたしました「ベンチャー・SUMIDA」について見てみますと、入居後、事業拡張のため移転した企業が入居者の二割となってございます。また、公的なベンチャー施設に入居したということで信用力が向上した、このことを背景に収益を上げ、その一部を都へ納付された企業が一社ございます。また、十三年度の都のベンチャー技術大賞特別賞受賞企業も一社、さらに創造法認定企業が三社ございまして、入居企業の技術力の優秀性が評価されているという状況でございます。
〇長橋委員 大変に情報分野が多い、また、入居した企業が、その信用力向上を背景に非常に収益を上げている企業もあると。
このベンチャー企業、家賃無料というのが大きく影響しているかと思いますけれども、大変な成果であるかと思います。そういった非常に成果を出した企業もあると思いますけれども、入居した後も、さまざまな企業がいるわけで、さまざまな問題を抱えているのではないかと思います。企業経営に必要な経理のやり方や法律など、専門的な分野の相談などもあるかと思いますし、また、さまざまな都に対する要望もあると思います。
そういった意味で、都は、入居企業への支援策はどのようになっているのか、お伺いをいたします。
〇泉本参事 入居企業に対する支援策でございますけれども、ベンチャー企業は一般的に、技術力は高いものの、経営力、資金力などが弱い企業が多うございます。
このため、入居企業の経営力強化を目的に、東京都中小企業振興公社職員によります巡回経営指導や、経営の専門家派遣による継続的な助言指導を行いまして、経営の安定的発展を目指して支援しているところでございます。
また、創業者の立ち上がり時の資金面を支援するため、各種融資制度や助成制度の活用を促してございます。
このほか、入居者相互の情報交換や都の施策情報などの提供のため、入居者交流会も開催しているところでございます。
〇長橋委員 ぜひ相談窓口というのをしっかりしていただいて、中小企業振興公社の職員の巡回による経営指導などをやっているわけですけれども、ぜひ迅速な対応をして、そういったさまざまな問題を、都として最大限バックアップしていただきたいと思うわけであります。
そしてまた、さっき、入居希望の数に対して、提供された部屋数が余りにも開きがあるわけであります。ある程度の倍率は、優秀な企業を選出し入居させる意味では必要であると思いますけれども、開業率や雇用創出に対応していくには、より多くの企業の創業というのが必要であるかと思います。
こうした施設の整備、今三カ所ということでありますけれども、今後どのように考えているのか。いわゆる少子化の影響で、地域では学校の統廃合が続いているわけでありますけれども、こういった学校、地域性によるかと思いますけれども、活用も考えられるのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
〇泉本参事 新たな創業支援施設の整備の必要性でございますけれども、創業を促進していくためには、創業の場を都内各地に広げていく必要があると考えてございます。
既に、荒川区や三鷹市のように独自に創業支援施設を開設したところもございますが、地元区市町村が創業支援に積極的に取り組む必要があると考えてございます。
こうした動きを促進するため、都は今年度から、区市町村と連携いたしまして、創業支援施設を面的に整備していく計画でございます。
十四年度は、大田区など三区に対し、区の空き施設を活用した創業支援施設につきまして、国と協力して、一カ所当たり一億円を上限に、施設整備に要する経費を補助する予定でございます。
今後とも、都や区市町村の空き施設などを活用して、各地域に創業支援施設の整備を図ってまいります。
〇長橋委員 区市町村、地元の雇用ということを考えると、区市町村との連携というのが大事になってくると思いますし、三鷹などのように本当に積極的に取り組んでいるところもあるわけでございますので、ぜひ大きくこのベンチャー施設、有料でも結構だと思います、進めていただきたいと思います。
最後に、先ほど若年者の就業対策についてお伺いをしたわけでありますけれども、大きく意識が変化してきている。その中には、サラリーマンになりたくないとか、また人に使われたくないというような人もいるのではないかと思いますし、我々の時代と違って、大きくその就業意識は変化してきているわけです。若年層においても、今までは起業、創業、こういうことは主役ではなかったわけですけれども、一部、私もテレビなんかで見ますと、若い人たちが起業して、いろいろな苦労を重ねながらやっているというお話もお伺いします。
ぜひ、そういう意味でいえば、サラリーマンが中高年になって、それから退職をして創業したいというと、中高年の場合、かなり高い賃金のリスクというものがあって、また難しいのではないかと思うわけですけれども、若年層でいえば、高い賃金ということもありませんし、また、いわゆる住宅の問題や教育の問題も、そういう中高年に比べれば低いわけでございまして、そしてまた、失敗してももう一回再チャレンジができる、こういうこともあるかと思いますので、そういった意味で、この就業対策とあわせて、若年者が独立開業、こういうところに飛び込んでいくというような仕組みをぜひ考えていただきたいと思います。これは要望にとどめておきたいと思いますが、就業対策とあわせて、若年者も含めた創業・起業対策をぜひご検討いただきたいと思います。
2002.10.21 : 平成13年度_各会計決算特別委員会第3分科会
