■視察報告(岐阜県岐阜市)
公明党 流山市議団として愛知県尾張旭市に続き、
岐阜県岐阜市の「商店街活性化の取り組み」に
関する視察に行ってまいりました。
【岐阜市の概要】
岐阜市は中部圏の内陸拠点都市として発展し、面積は203.60㎢、人口は平成29年2月1日現在で412,823人となっています。織田信長公ゆかりの岐阜城を頂く緑豊かな金華山や、1300年以上の伝統を誇る鵜飼いで名高い長良川など、歴史と文化、豊かな自然に恵まれております。一方で、中部圏最大の都市である愛知県名古屋市とは約30㎞、鉄道でおよそ20分の近距離に位置することや、岐阜駅周辺は再整備が進み、複数の再開発ビルが立ち並ぶなど、高度な都市機能を有する県都でもあります。本年は信長公の岐阜入城及び岐阜命名450年の節目であり、「信長公450プロジェクト」と銘打ち、市内で様々な記念事業やイベントが開催されるとのことで、市全体が更なる賑わいを見せておりました。
【中心市街地及び事業の経緯】
岐阜市の商店街は、岐阜駅を中心に発展し、昭和終期頃まで多くの来街者で賑わっておりましたが、大店舗法をきっかけに市の郊外に多くの大規模小売店舗が出店。この影響を受け、中心市街地では平成11年10月に大手百貨店が閉店、その後も複数の大規模小売店舗が閉店し、中心市街地の空洞化が顕著となりました。この空洞化を食い止め、中心市街地の活性化、賑わいの創出を図るべく、岐阜市では「中心市街地活性化基本計画」を策定し、各種施策に取り組んでおります。なお、中心市街地活性化基本計画は1期(平成19年5月から平成24年9月まで)と2期(平成24年10月から平成30年3月まで)からなっており、対象事業区域は岐阜駅以北の3地区(岐阜駅北地区、柳ヶ瀬通り周辺地区、岐阜大学医学部等跡地周辺地区)、およそ170ヘクタールの区域で、①「まちの魅力向上」②「にぎわいを創出」③「通行量の増大、新規出店店舗数の増大」以上を計画の大きな柱として掲げています。
【事業の概要】
岐阜市の商店街の活性化に向けた主な取り組みは以下の通りです。
(1)「空き店舗対策事業」
中心市街地における商店街の空き店舗への新規出店を促進し、商業機能の充実と集客力の向上の推進を目的とし、平成9年度より空き店舗対策事業を実施。主な事業内容は貸借料及び初期に係る広告宣伝費、印刷製本費などに補助金を交付するもので、補助対象者は小売業、サービス業、飲食業を営もうとする個人または法人となっております(補助を受けるには、商店街団体の推薦が必要)。
また、今回の視察では主に「柳ヶ瀬通り周辺地区」の取り組みに関しての具体例の紹介がありましたが、柳ヶ瀬商店街の中では、平成21年に閉店した大手百貨店の跡地に、平成23年、市の補助金を活用して大規模小売店舗が開店。その後も補助金を活用してコンビニエンスストアや各種テナント出店、一般空き店舗への出店等が相次ぎ、新たな賑わいを創出しています。
また補助金交付事業以外にも、出店希望者を対象とした、「中心市街地空き店舗ツアー」や、「出店希望者相談会」を実施。「中心市街地空き店舗ツアー」に関しては、平成23年度から12回にわたり実施し、延べ131店舗を紹介、うち10店舗が出店。「出店希望者相談会」では、中小企業診断士による事業計画の策定や、融資などの無料経営相談会、空き店舗に関する補助・支援メニューの紹介などを実施しています。これらの施策の効果として、平成23年度から27年度の5年間の補助金事業の補助件数は70件に上り、うち継続店舗数は53件、継続率は75.7%となっていることから、効果は大きいと捉えられます。
(2)「情報発信事業」
柳ヶ瀬商店街では、商店街の活性化の一環として情報発信事業にも取り組んでいますが、その拠点となるのが、「柳ヶ瀬あい愛ステーション」です。柳ヶ瀬あい愛ステーションは空き店舗の1階を活用し、平成20年7月に開設。床面積は約275.8㎡(83.42坪)、会館時間は11時から19時で、木曜日が休館日となっています。
同施設では情報発信事業として、ラジオ放送のブースの設置や様々な情報チラシを来街者に配布すると共に、ふれあいサロン(休息スペース)やキッズパークといった来街者スペースを有し、来街者同士の交流の場としても活用されています。また、商店街のコンシェルジュも配置し公益機能も持たせるなど、柳ヶ瀬商店街の賑わい創出の一大拠点となっており、同施設の利用者は平成20年の開設以来、年々増加し、平成27年度の利用者数は77,951名となっています。
(3)「まちづくりと健康づくりのための取り組み」
柳ヶ瀬商店街内の空き店舗を活用し、市の事業として平成23年9月より、「岐阜市柳ヶ瀬健康ステーション」を開設しています。同施設は「まちなかの健康づくり拠点」として、健康づくりに関する様々なサービスを提供することで、健康に関心のない市民の健康意識の向上及び健康増進を図ることを目的としています。
ステーション内には、自動血圧計や骨健康測定器といった各種測定機器が完備されたセルフチェックスペースや、簡単な運動が実施できる運動スペースなどがあります。また健康づくり教室の開催や、運動に関するアドバイスをするスタッフの配備、さらにコミュニティ形成のための交流スペース等もあり、多くの来街者に利用されています。なお、同ステーションの平成27年度の利用実績は26,758人(一日平均77人)、うち女性の利用者が76%を占め、なかでも60代以上の利用者(75.2%)が多いのが特徴となっております。
(4)「商店街活性化イベント」
商店街団体やその他団体と連携した夏の縁日やステージショー、大型の恐竜模型を活用したスタンプラリー等の各種イベントを開催し、中心市街地の賑わい創出を図っています。これらのイベントは日頃、あまり商店街に足を運ばないファミリー層や若年層を呼び込むことを目的とし、幅広い層への集客へと繋がっており、主なイベントとして、「柳ヶ瀬ジュラシックアーケード」、「フラッグアート展」、「信長楽市」等が開催され、フラッグアート展は期間累計集客数が約40万人、信長楽市は開催二日間の集客数が約16万人となっています。
(5)「柳ヶ瀬リーディングプロジェクト」
柳ヶ瀬商店街では民間の取り組みとして、「柳ヶ瀬リーディングプロジェクト」を実施し、商店街の活性化及び空き店舗の活用等に取り組んでおります。柳ヶ瀬リーディングプロジェクトの大きな特徴として、創業希望者に沿った、3つのステップを備えていることが挙げられます。
<ステップ1:サンデービルヂングマーケット>
毎月第3日曜日に開催され、クラフト(手作り)商品等を扱う店を集めた定期市で、定期的に出店することにより固定客が創出され、実店舗に出店する可能性のある、「創業予定者」を獲得することを目的としている。平成26年9月から延べ23回開催され、出店店舗数は約120店舗を数える。
<ステップ2:ウィークエンドビルヂングストアーズ>
ビルの空きテナントを利活用して短期出店を行える施設を開設し、創業者のテストマーケティングの機会をつくり、創業者を支援する取り組みで、出展料は通常の60%の賃料で貸し出し、平成27年11月から実施し、これまで13店舗が出店している。
<ステップ3:遊休不動産のリノベーション活用事業>
空きビルの利活用を立案し、リノベーションを行い、集客施設として再生することで、柳ヶ瀬エリアの賑わいの創出や価値を高めることを目的としている。
【所感】
岐阜市と流山市では人口や財政規模、そして商店街自体の規模など、様々な違いはありますが、既存の商店街が苦境に立たされているという点では一致しております。
商店街の活性化に向けては各店舗の経営努力、そして大型店舗とは異なる魅力づくりのための創意工夫が何よりも求められているのが事実であり、それこそが第一義であることは間違いありませんが、行政からの積極的な支援も欠かせない時代へと突入していると感じております。
流山市でも創業支援等の施策を実施していますが、既存の商店街、また各店舗への支援という観点では取り組むべき課題は多く、商店街の活性化、賑わいの創出のためには財政的な補助のみならず、活性化の舵取りを担う組織づくりや、新たな発想をもった人材確保等にも積極的に取り組む必要があることを、今回の視察を通じて改めて実感しました。



