(「年収の壁」意識せず働ける環境に)人手確保へ支援強化/政府、公明の提言反映し今月から
#公明新聞電子版 2023年10月03日付
パート労働者らの収入が一定額を超えると年金などの社会保険料負担で手取りが減る「年収の壁」への対策として、政府が9月27日に決定し、今月から適用される支援強化パッケージには、“壁”を意識せず働ける環境の整備を訴えた公明党の主張が随所に反映された。
配偶者がいる女性パート労働者の約2割が、就業調整をしている実態がある。
加えて、今月から全国で最低賃金が引き上げられることで、壁を越えないよう仕事量を抑える動きが広がる可能性があり、年末などの繁忙期に企業が働き手を確保できないといった懸念が指摘されてきた。
■(106万円の壁)賃上げ促す助成金
支援策のうち、従業員101人以上の企業で社会保険料の納付が必要になる「106万円の壁」については、手取りが減らないよう賃上げなどに取り組んだ企業に対し、キャリアアップ助成金のコースを新設して従業員1人当たり最大50万円を助成する。
企業が手取りの減少を補う「社会保険適用促進手当」を従業員に支給できる仕組みも新設する。
■(130万円の壁)連続2年まで扶養
配偶者の扶養から外れて社会保険料を負担する必要がある「130万円の壁」では、残業の増加などで一時的に年収130万円を超えた場合について、公明党が対応の明確化を訴えた結果、事業主側が一時的な増収と証明し、扶養している配偶者が働く企業の健康保険組合などが認めれば、連続2年まで扶養にとどまれることとした。
一部の企業で配偶者手当が支給されなくなる「103万円の壁」に関しては、手当見直しの手順を示し、企業への働き掛けを行う。
政府は今回の支援策を「当面の対応」と位置付けており、25年の年金制度改革に向けて見直し案を検討する方針。
(インボイス)各業界の取り組み/免税事業者、不利益被らぬ対応加速
#公明新聞電子版 2023年09月30日付
インボイス制度の円滑な導入に向け、政府がインボイスを発行しない免税事業者や課税転換した事業者に対する支援策を設ける一方で、各業界も、こうした事業者が不利益を被らないよう取り組みを進めています。
【農業】
免税事業者の農業者は、農協・卸売市場への出荷分については、買い手に対するインボイスの交付義務が免除されます。
農協などが発行する書類で買い手は仕入れ税額控除ができるからです。
直売所や道の駅などへの出荷分についても、販売を委託している場合、消費者への販売にインボイス制度の影響はありません。
一方、直売所などが買い取っている場合は、仕入れ税額控除ができなくなるため、農林水産省は、直売所などから相談があれば価格面を含む取引条件について話し合うよう呼び掛けています。
【アニメーション制作業】
アニメ制作会社の団体「日本動画協会」が8月、免税事業者に対する不当な取引停止や価格引き下げを行わないなどの留意点を会員企業に周知しています。
また、各制作会社がフリーランスのアニメーターに対する個別説明会を実施しています。
【建設業】
制度の影響が大きいとされているのが、いわゆる「一人親方」。
住宅メーカーからなる住宅生産団体連合会(住団連)は5月、元請けが発注先である一人親方など免税事業者に対して「(インボイス)登録の強要はしない」「登録しないことを理由に発注取りやめをしない」とする指針を策定し、会員企業に行動を促しています。
この指針を踏まえ、各会員企業は下請け企業に対し、セミナーや個別相談会の開催、相談窓口の設置といったサポートを実施しています。
【フリーランス】
課税転換することで新たに税負担が生じるといった懸念が指摘される中、フリーランス協会は、課税転換するフリーランスが2%以上の報酬値上げをめざすキャンペーン「インボイス2%アクション」を展開。
取引先の企業などに賛同を呼び掛け、報酬適正化に向けた価格交渉を後押ししています。
◇ このほか、出版やフードデリバリー業界などでも、免税事業者に対し「取引価格を引き下げない」旨を表明する動きが出ています。
(Q&A)インボイス、スタート/公明、制度定着へ支援
#公明新聞電子版 2023年09月30日付
10月1日から消費税のインボイス(適格請求書)制度が始まります。
公明党は制度の円滑な導入、定着に向け、事業者に対する様々な支援策を推進!
【表参照】
《Q&A》
■Q、そもそもインボイスとは?
商品やサービスの購入にかかる消費税額を8%と10%の税率ごとに分けて記載した請求書のこと。
事業者同士が取引する際に発行するもので、消費者だけを相手にする商売には関係がありません。
発行するには税務署への登録が必要ですが、登録はあくまで任意です。
■Q、なぜ導入するの?
事業者間の取引の消費税額を正確に把握し、より公正な税制を実現するのが狙いで、複数税率を導入している諸外国では“標準”の制度です。
10月以降は、原則としてインボイスがないと事業者が商品を販売して消費税を納税する際、仕入れ時に支払った分の消費税額を納税額から差し引く「仕入れ税額控除」ができなくなります。
■Q、小規模事業者は新たに税負担が生じると聞いたけど……。
消費税の納税義務が免除されている売上高1000万円以下の「免税事業者」が、インボイスを発行するために税務署に登録すると「課税事業者」として扱われ、消費税の納税義務が生じます。
ただ、その場合、経過措置として3年間は納税額が売り上げ時に受け取る消費税額の2割で済みます(2割特例)。
■Q、従来の「簡易課税制度」は続くの?
続きます。
売上高5000万円以下の事業者が実際に仕入れにかかった消費税額を計算しなくても、業種ごとに定められた「みなし仕入れ率」を使って納税額を算出できる仕組みです。
この制度を適用した場合、2年間は継続して適用しなければなりません。
■Q、免税事業者のままでいると、発注者側から一方的に取引停止や値下げを強いられそう……。
まず、課税事業者になるかどうかは各事業者の判断です。
公正取引委員会は、取引先から不当な扱いを受けることがないよう、監視・対応しています。
すでに独占禁止法違反につながる恐れがあるとして公取委が発注側の事業者を注意した事例は、8月末時点でイラスト制作業や人材派遣業など20件に上ります。
一方で、発注者側にも支援策が設けられています。
■Q、受領したインボイスの処理で事務負担が増えそう……。
簡易課税制度か2割特例を適用すれば、売上額だけで納税額が計算できるため、インボイスの保存なしで仕入れ税額控除ができます。
それ以外の事業者についても、必ずしもインボイスを受領する度に登録番号が適正かを確認しなくてもよいとするなど、国税庁は柔軟に対応する方針です。また、売上高1億円以下の事業者は、6年間は1万円未満の仕入れについて帳簿を付けていればインボイスの保存が不要となります。
(解説ワイド)パートなどの働き控え招く「年収の壁」を考える視点
#公明新聞電子版
2023年09月20日付
パートなどの短時間労働者が、一定の年収を超えると社会保険料や税負担が発生するのを避けるため、就業調整(働き控え)をする「年収の壁」。人手不足が深刻化する中、この問題の解決が喫緊の課題となっている。
「年収の壁」について解説するとともに、労働経済学に詳しい立教大学経済学部の首藤若菜教授に話を聞いた。
<解説>
■社会保険の負担回避が背景に
年収の壁が生じた背景は、かつて収入のない専業主婦が多かった時代、専業主婦が社会保険から漏れず年金を受け取れる権利を確保するため、社会保険料を支払わなくても給付を受けられる仕組みをつくったことにある。
近年は、共働き世帯の増加という時代の変化に合わせ、厚生年金保険の適用範囲の拡大などが進められてきた。
現在の主な年収の壁は、①所得税が発生する103万円②101人以上の会社で社会保険料が発生する106万円③全ての会社で社会保険料が発生する130万円④配偶者特別控除が段階的に縮小する150万円――がある【イラスト参照】。
このうち、税金の壁である「103万円」は税制措置で実質的に解消されている。
一方、社会保険料が発生し、配偶者の扶養からも外れる「106万円」と「130万円」では手取りの減額幅が大きく、パート労働者が働き控えをする基準と言われている。
さらに近年は最低賃金の上昇によるパート労働者の時給アップで年収の壁に到達しやすくなっており、働き控えが増えているとされる。
■公明、手取り減少防止へ提言
公明党は、年収の壁を意識した働き控えを防ぐために今年4月、「年収の壁プロジェクトチーム」(PT、座長=西田実仁参院会長)を設置。
関係団体や企業、有識者と意見交換するなど対応策を探ってきた。
今月5日には、同PTが加藤勝信厚生労働相(当時)に対し、年収の壁を意識せず働ける環境の整備に向け、政府が策定をめざす「支援強化パッケージ」の検討を加速化するとともに、使い勝手の良い新たな助成金制度の創設などを提言した。
具体的には、10月から最低賃金が引き上げられることを踏まえ、年末に就業調整がされないよう、早急な環境整備に必要な予算の十分な確保を要請した。
特に「106万円の壁」について、これを超えても手取り収入が逆転しないように、労働時間の延長や賃上げに取り組む全ての事業主に対する「支援強化パッケージ」を9月中に策定し、10月から適用することなどを求めた。
政府、新制度きょう発動)ガソリン補助が拡充/10月に175円まで抑制/家計・中小企業の負担軽く
#公明新聞電子版 2023年09月07日付
政府は高騰するガソリンなどの燃油価格を抑制する新たな補助制度を7日から発動する。
物価高に苦しむ家計や中小企業の負担軽減を求めてきた公明党の主張が反映された。
9月7日以降、168円を超えた分の30%補助は185円までとし、それを超えた分は全額を補助。
さらに10月5日からは、168円を超えた分の補助を60%に引き上げ、185円を超えた分は全額補助する。
■軽油や灯油、重油なども対象
補助の対象はこれまでと変わらない。ガソリンに加え、軽油、灯油、中小企業や農漁業で使う重油のほか、航空機燃料も含まれる。














