(インボイス)各業界の取り組み/免税事業者、不利益被らぬ対応加速
#公明新聞電子版 2023年09月30日付
インボイス制度の円滑な導入に向け、政府がインボイスを発行しない免税事業者や課税転換した事業者に対する支援策を設ける一方で、各業界も、こうした事業者が不利益を被らないよう取り組みを進めています。
【農業】
免税事業者の農業者は、農協・卸売市場への出荷分については、買い手に対するインボイスの交付義務が免除されます。
農協などが発行する書類で買い手は仕入れ税額控除ができるからです。
直売所や道の駅などへの出荷分についても、販売を委託している場合、消費者への販売にインボイス制度の影響はありません。
一方、直売所などが買い取っている場合は、仕入れ税額控除ができなくなるため、農林水産省は、直売所などから相談があれば価格面を含む取引条件について話し合うよう呼び掛けています。
【アニメーション制作業】
アニメ制作会社の団体「日本動画協会」が8月、免税事業者に対する不当な取引停止や価格引き下げを行わないなどの留意点を会員企業に周知しています。
また、各制作会社がフリーランスのアニメーターに対する個別説明会を実施しています。
【建設業】
制度の影響が大きいとされているのが、いわゆる「一人親方」。
住宅メーカーからなる住宅生産団体連合会(住団連)は5月、元請けが発注先である一人親方など免税事業者に対して「(インボイス)登録の強要はしない」「登録しないことを理由に発注取りやめをしない」とする指針を策定し、会員企業に行動を促しています。
この指針を踏まえ、各会員企業は下請け企業に対し、セミナーや個別相談会の開催、相談窓口の設置といったサポートを実施しています。
【フリーランス】
課税転換することで新たに税負担が生じるといった懸念が指摘される中、フリーランス協会は、課税転換するフリーランスが2%以上の報酬値上げをめざすキャンペーン「インボイス2%アクション」を展開。
取引先の企業などに賛同を呼び掛け、報酬適正化に向けた価格交渉を後押ししています。
◇ このほか、出版やフードデリバリー業界などでも、免税事業者に対し「取引価格を引き下げない」旨を表明する動きが出ています。

