「新しい生活様式」を実践しやすくするための行動経済学「ナッジ」の活用について公明新聞に紹介がありました。
「ナッジ」は、コロナ感染防止への活用だけでなく、環境美化、健康増進や省エネ行動の促進、災害時の避難行動、避難所運営など様々な場面で活用できるものです。
《概要》
新型コロナウイルスの感染防止には、手洗いの励行やオンラインの利用など「新しい生活様式」の実践が重要。
頭では理解していても、無意識のうちに、おろそかになってしまう。
人間の心理や癖を踏まえた工夫をすることで、望ましい行動を自発的に促す「ナッジ」の活用が試みられている。
公明党は6月30日、政府へ申し入れた「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太の方針)に関する提言の中で、「ナッジ等を活用した行動変容の促進」を求めています。
《ナッジとは》
ナッジは、英語(nudge)で「そっと後押しする」の意味。
行動経済学では、個人の選択の自由を残しつつ、ちょっとした伝え方の工夫などを手助けすることにより、人々に“賢い選択”を促す手法と定義している。
ナッジの概念は、提唱した米国の行動経済学者リチャード・セイラー教授が2017年、ノーベル経済学賞を受賞したことで広く知られるようになり、欧米を中心に公共政策への応用が進む。
英国では、ナッジとして納税の督促状に「10人中9人は期限までに支払っている」「税金は期限までに納めるもの」という内容のメッセージを添えたところ、従来と比べて約5ポイントも収納率が高まったという。
「他者の行動に影響を受ける」「社会規範に従う」人間の行動傾向を踏まえた事例。
補助金や規制といった従来の政策手法と比べて手間や費用をかけずに、高い政策効果を上げられることが、ナッジの利点。
《「新しい生活様式」での活用事例》
■環境省
人は矢印が目に入ると自然と追い掛けてしまう。
こうした習性を活用し、目を引く矢印、メッセージを掲示して手指の消毒者が増加。
■京都府宇治市
「イエローテープ作戦」として、市庁舎の入り口に設置した消毒液に気が付いてもらえるよう、床面に黄色い矢印型のテープを貼り付けた。
テープを貼ってから消毒に協力してもらえる人が増加。
■茨城県つくば市
2019年12月、市庁舎内に「ナッジ勉強会」を設置。
新型コロナ対策では、「石けんで手を洗いましょう」というメッセージやウイルスをイメージしたシールを作成。
庁舎内の全トイレで、人の手に触れやすいドア鍵やペーパーホルダーなどに貼り、感染リスクを「可視化」。
注意喚起を促し、手洗いの励行につなげるのが狙い。
《ナッジの活用ポイント》
■無理せずに習慣化できる様に肯定的な伝え方の工夫が必要。
大型連休の帰省への呼び掛けなどについて、「帰省は控えて」との表現は、損失を感じさせ、負担感を生みやすい。
「オンライン帰省なら、みんな安心」とすれば、利他的な表現で、取り組みやすくなる。
新型コロナとの闘いは長期戦が予想。
誰もが自発的に好んで行動しやすくなるようなポジティブ(肯定的)な伝え方の工夫が必要だ。
《日本版ナッジ・ユニット》
ナッジの普及に向けて、省庁や自治体、産業界などでつくる「日本版ナッジ・ユニット」(事務局は環境省)。
新型コロナ対策でのナッジの活用事例集を近く公表する予定。
《関連サイト》
環境省HPより ⇒ http://www.env.go.jp/earth/ondanka/nudge.html
HPの中に動画による「行動経済学」の講義があります。
とてもわかりやすく大変に勉強になりました。
ナッジとは? ⇒ http://www.env.go.jp/earth/ondanka/nudge/nudge_is.pdf
■参考
YBiT: 2019年2月, 横浜市職員有志中心に設立した日本の地方自治体で最初のナッジユニット
YBiTのホームページ ⇒ こちら

