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石炭火力削減の意義と課題

#公明新聞電子版 2020年07月14日付
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東京大学未来ビジョン研究センター 高村ゆかり教授に聞く
政府は、二酸化炭素(CO2)排出量が多い非効率な石炭火力発電所の大部分について、2030年度までにフェードアウト(段階的に消滅)させていく方針を示した。地球温暖化への懸念が世界的に高まり、脱炭素社会の実現に向けた取り組みが求められる中、今回の方針の意義や課題は何か。東京大学未来ビジョン研究センターの高村ゆかり教授に聞いた。

《インタビューの概要》

■政府発表の意義

・脱炭素社会の実現へ、政府がエネルギー政策の転換に向けた重要な一歩。

・高効率の発電所は存続が容認される。CO2排出量の削減効果は限定的との指摘もあり「高効率」の発電所が今後も建設されるのではないかとの懸念も市民やNGOから示されている。

・異常気象により甚大な被害が出て、気候変動への危機感が高まっている。「今世紀後半のできるだけ早期に脱炭素社会を実現する」という日本の長期目標達成には、高効率の石炭火力も含め、温室効果ガスの排出を段階的に減らし、ゼロにする道筋も示す必要がある。

・石炭火力の事業リスクが高くなっている。コストが下がる再エネの拡大などにより、石炭火力の稼働率も低下。事業方針の転換が迫られている。

■コスト低減で再エネ定着促進を

・石炭火力の代替電源として、政府は再エネ拡大に本腰を入れる。その為に火力発電が優先的に使用している送電線を再エネ優先に利用させるルールに変更する方針が出された。

・電力システムの軸になる省エネは、太陽光と洋上風力。洋上風力は、海域利用促進法(海洋再エネ法)が制定され、国として洋上風力を拡大させる方針。洋上風力の拡大には、送電線の利用ルール見直しが必要。

・再エネ主力電源化への課題はコスト。太陽光の発電コストは、18年には10年と比べて4分の1以下になったが、再エネの導入費用は海外に比べてなお高い。送電線の利用ルールなど再エネ拡大に適合した制度見直し要。

・主要先進国は石炭火力に期限を付けて段階的に廃止する方針。日本も、野心的な再エネ導入目標を掲げて、再エネを中軸としたエネルギーシステム像を明確に示し、民間の事業・投資を促すことが求められる。

 

公明新聞 石炭火力

 

 

■経済産業省の方針について(7/2の日経新聞より抜粋)

経済産業省は二酸化炭素(CO2)を多く排出する低効率な石炭火力発電所の休廃止を2030年度までに段階的に進める方針。
電力会社ごとに発電量の上限を定めて徐々に引き下げ、再生可能エネルギーの普及につなげる。近年のCO2排出量が少ない高効率化した新型発電所は維持・拡充し、低炭素化技術が反映されていない老朽化施設を休廃止する。国内の計140基の石炭火力で非効率な110基のうち9割にあたる約100基が対象。
日本の18年度の総発電量に占める石炭火力の割合は32%で天然ガス火力の38%に次ぐ規模。再生可能エネルギーの普及や原子力発電所の再稼働を通じて石炭火力の比率を下げつつ、主要な電源としての位置づけは変えない見通し。
石炭火力は環境負荷が大きいとして先進国で廃止の流れが強く、ESG投資が主流となりつつ金融機関などが石炭火力関連の企業や事業から投資を引き上げる動きが広がる。天候によって発電量が左右されがちな再生可能エネルギーのバックアップとして石炭火力の再評価もある。災害時や離島地域にも配慮し、休止にとどめる可能性もある。

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