衆院代表質問で斉藤代表 いま必要なのは即効性ある物価高対策 企業献金規制、決断を/先送りなら政治不信増大 公明新聞2025/11/06
衆院代表質問で斉藤代表
いま必要なのは即効性ある物価高対策
企業献金規制、決断を/先送りなら政治不信増大
公明新聞2025/11/06 1面より
衆院は5日の本会議で高市早苗首相の所信表明演説に対する各党代表質問を行った。公明党の斉藤鉄夫代表は、喫緊の課題として「物価高から幅広い国民生活を守り抜くため、即効性ある新たな対策を打つべきだ」と強調。企業・団体献金の規制強化を巡って「これ以上の先送りは国民の政治への不信を増大させるだけだ」と指摘するなど、政治改革の断行も強く求めた。=2、3面に斉藤代表の質問と首相答弁の要旨
斉藤代表は、高市首相の所信表明演説に触れ、「歴代首相と比べ、多様性の尊重、格差や孤独に寄り添う姿勢、包摂的社会づくりへの決意が薄かった」との認識を示し、「個人の尊厳や社会的弱者を守る『包容力』こそ政治の役割だ」と訴えた。
物価高対策について斉藤代表は、政府が検討する、電気・ガス料金の支援などの対応策では不十分だと指摘。家計の可処分所得を継続的に底上げする減税を実現するまでの間、国民生活を守る即効性ある支援を迫った。
■核禁条約のオブザーバー参加、来秋の会議で必ず
核兵器のない世界の実現に向けては「首脳外交を積極的に展開し、核兵器禁止条約への署名・批准に向けた環境整備に全力を」と要請。来年11月の同条約第1回再検討会議へのオブザーバー参加を強く求めたが、高市首相は「慎重に検討する」と述べるにとどめた。
高市政権が掲げる、防衛装備品の移転対象の拡大に向けた「5類型」撤廃について斉藤代表は、「全面的に撤廃すれば、『平和貢献・国際協力』の目的が揺るぎかねない」と指摘し、説明を求めた。高市首相は厳しい安全保障環境などに言及し、防衛装備品移転を推進する考えを示した。
■比例のみ定数削減、多様性排除の暴論
斉藤代表は企業・団体献金の規制強化など「政治とカネ」を巡る問題を今国会で決着させるため、高市首相に決断を迫った。衆院議員の定数削減では「比例区のみの削減は多様性を排除する考えで、民主主義の破壊にほかならない」と指摘。高市首相は「できるだけ幅広い賛同を得ることが重要だ」と答えた。
■科学技術の再興へ予算倍増/新技術の社会実装で課題解決
日本の科学技術の再興へ斉藤代表は「人手不足や災害などの課題を乗り越え、活気ある温かい社会をつくる鍵は、新技術の社会実装にある」と力説し、科学技術予算の倍増を提唱した。
■政府系ファンドで財源創出/国の資産を大胆に運用して国民に利益
また、斉藤代表は財源を生み出す「政府系ファンド」創設を提案。国民の利益となる政策実現に向け「今こそ発想を転換し、国の資産の一部を大胆な運用へと見直すべきだ」と訴えた。高市首相は「保有資産の運用改善や有効活用の有用性の検討を行う」と答えた。
■明確な答弁なく不満/記者団に斉藤代表
公明党の斉藤鉄夫代表は5日の衆院本会議代表質問後、記者団に対し、政治改革を巡る高市早苗首相の答弁について「これまでの見解を上回る答弁は全くない。特に選挙後に明らかになった事実に対する説明は全く触れられなかったことは不満だ」と述べた。
また、政府系ファンドの創設でも「力を入れて提案したが、『前向きに検討する』という言葉がなくて残念だ」との見解を表明。核兵器廃絶や衆院議員定数削減、防衛費増大の財源でも一切明確な答弁はなかったと指摘し、今後の国会論戦で深掘りしていくと語った。
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◆斉藤代表の衆院代表質問(外交・安全保障部分の要旨)
■(外交・安全保障)防衛装備品移転、歯止め明確に
世界の平和と安定を図る現実的な外交・防衛政策について伺う。
広島・長崎への原爆投下から80年。世界では紛争が相次ぎ、人類の生存を脅かす核兵器使用のリスクが、かつてなく高まっている。
今年8月に会談した核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)事務局長の「核廃絶は、今こそ緊急に必要だ」との訴えは決して忘れられない。また、今日までパグウォッシュ会議世界大会が20年ぶりに広島で開催されており、世界の科学者と被爆者・市民による核兵器廃絶などをめざした対話が行われている。
対立よりも対話、拡散よりも軍縮を選び、核兵器廃絶へと世界の潮流を変えるべきだ。
公明党は、唯一の戦争被爆国であり非核三原則を堅持する日本こそ、核兵器のない世界の実現に向けて、首脳外交を積極的に展開し、核兵器禁止条約への署名・批准に向けた環境整備に全力を挙げるべきだと考える。
まずは来年11月の「核兵器禁止条約第1回再検討会議」へのオブザーバー参加を強く要請する。
◇
先日の日米首脳会談では、安全保障や通商の分野などの協力が確認され、拉致被害者家族との面会も実現した。両国の信頼関係が再確認された、意義ある会談だったと思う。
一方、今回の会談では、防衛費増額を前倒しする方針を米国側に伝えたとの報道がある。物価高騰に苦しむ国民の負担はどれだけ増えるのか、財源をどうするのか、国民へ丁寧に説明する必要があると考える。
また、「世界で最も偉大な同盟」として日米の新たな黄金時代を築くとされる中で、経済、気候変動、公衆衛生、先端技術などのグローバルな課題の対応へ、日米の連携を基盤としつつ、日本が国際協調を主導していくべきではないか。今後も、トランプ大統領が掲げる「米国第一主義」の政策と日本の経済、外交・安保政策をどのように調和させ、同盟を深めていくかが極めて肝要だ。
今回の会談を踏まえ、日米同盟をどのように深化させていくのか。
◇
日本を取り巻く安全保障環境は厳しさを増しており、防衛力・抑止力と外交の両輪で国民の平和と安全を守る対応が必要だ。国家安全保障戦略では「外交」が日本の安保政策の最上位に位置付けられている。防衛費の増額など防衛力だけを強め、外交とのバランスを崩すことは、真の安全保障にはつながらない。
経済援助、環境問題、人道支援など、非軍事的な分野での国際協力を積極的に行い、国際社会における日本のソフトパワーを高める平和外交の強化こそが、憲法の理念にかなった最も重要な安全保障の手段であると強く訴えたい。
自民・維新の連立政権合意には「防衛装備品移転の5類型撤廃」が明記された。自公政権下で決定し、その後、慎重に議論してきた5類型を全面的に撤廃すれば、「平和貢献・国際協力」の目的が揺るぎかねない。また、当然ながら、紛争当事国へ殺傷兵器が供与されないよう、明確な歯止めが必要だ。
「防衛装備品移転の5類型」について、どういった必要性を踏まえて、どこまでの撤廃をめざす考えなのか。
■高市首相の答弁(外交・安全保障部分の要旨)
<核兵器禁止条約へのオブザーバー参加>国際社会の情勢を見極めつつ、わが国の安全保障の確保と核軍縮の実質的な進展のために何が真に効果的かという観点から慎重に検討する必要がある。
<防衛装備移転>厳しく複雑な安全保障環境に直面する中、防衛装備移転をさらに推進していく。
