公明党
広島市議会議員(西区)
田中まさる

主張 自律型兵器の禁止 民間人保護できるルール作りを 公明新聞2025/09/08 2面より

未分類 / 2025年9月8日

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主張
自律型兵器の禁止
民間人保護できるルール作りを
公明新聞2025/09/08 2面より

 人工知能(AI)などの新興技術を組み込んだ兵器が、自ら標的を探し出して殺傷する「自律型致死兵器システム」(LAWS)を禁止・規制する国際ルール作りを急がねばならない。

 国連のグテレス事務総長は、人間による制御や監視がなく、民間人を意図的に狙う攻撃などを禁じた国際人道法を順守することができないLAWSを禁止し、そうではないAI搭載兵器も規制する「法的拘束力のある国際法文書」(条約)の来年までの策定を各国に求めている。

 この禁止と規制の“2層構造”の条約策定に向けて交渉する特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)の政府専門家会合(GGE)が1日から5日まで、スイスのジュネーブにある国連欧州本部で開かれた。

 評価したいのは、LAWSの定義を巡り、ようやく各国の合意が得られつつあることだ。

 今回のGGEの議長がまとめた文書によれば「いったん起動されると、さらなる人間の操作なしで標的を識別、選択し、交戦する」のがLAWSであり、「殺害だけでなく、標的を負傷させたり、建造物などを破壊したりする」ものもLAWSに含めている。

 これにより、民間人を負傷させたり、住宅や学校、病院といった民間施設を破壊したりしてしまうLAWSを禁止できる。

 また、日本や米国、英国など11カ国が共同でまとめ、3日に提出した条文の起草案にも注目したい。

 この案は七つの条文で構成され、▽不必要な苦痛や過度の傷害を与える兵器の使用禁止▽戦闘員と民間人を区別しない無差別攻撃の禁止▽民間人や民間施設に過剰な被害をもたらす攻撃の禁止―などの国際人道法の中核的な原則に反するLAWSを禁止・規制する文言を盛り込んでいる。

 さらに、この案は「AIなどの新興技術は民間人を保護するためにこそ使われるべきだ」とし、民間人に被害が及ばないような判断をするAI開発も促している。この考え方に基づくルール作りが重要だ。