公明党
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田中まさる

ひと百景 不登校の子どもたちを笑顔に 一般社団法人オレンジファム代表理事(長野・千曲市) 中島壮太さん 公明新聞2025/09/05 6面より

未分類 / 2025年9月5日

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ひと百景
不登校の子どもたちを笑顔に
一般社団法人オレンジファム代表理事(長野・千曲市) 中島壮太さん
公明新聞2025/09/05 6面より

 「学校に行けないから『自分はダメな人間』なんて悲観しないで」――。自宅でも学校でもない子どもたちの“第3の居場所”づくりに汗を流す。情報化社会で価値観が多様化する時代。「今の学校教育では限界があるのでは?」と自問自答を繰り返す。

 23歳の時、千曲市内で唯一のフリースクール「オレンジファム」を開設。自身の愛称は「そーくん」。その場にいるだけで雰囲気を和ませる「お兄ちゃん」的存在だ。子どもたちに「境遇の違う人との出会いを通じて、人生の選択肢を広げてほしい」とエールを送る。

 教育現場に携わろうと志した原点は、中学時代。「担任の先生が生徒一人一人と真剣に向き合う姿に憧れた」。教員になる夢を追い掛けて大学へ進学するものの、2、3年生の時、コロナ禍に直面。満足に外出できず、孤独な日々が続き、「直接、人と関われる居場所の大切さ」を痛感した。

 向学心を燃やし、石川県珠洲市にある10代の若者が集う「ユースセンター」を訪問。これが進路変更の転機に。「お兄さん・お姉さんの立場から子どもたちと触れ合い、困った時は気軽に相談してもらう関係性を築く試みにピンときた」

 フリースクールを立ち上げて2年余り。「出会った頃、ずっと下を向いて暗かった子が、今は毎日、笑顔で学校に通い、部活動を楽しんでいる」と声を弾ませる。これからも、オレンジ色のようなぬくもりを届け、一歩踏み出そうとする子どもたちの背中を押す。

 1999年生まれ。長野県千曲市在住。ユースセンターや学習塾を運営するほか、高校時代の母校でテニスの外部コーチも務める。