公明党全国大会で決意新たに出発
結党60年へ勇躍前進
統一地方選断じて勝利/生活現場に徹し党勢拡大
公明新聞2022/09/26 1面より
■山口代表再任、政調会長に高木氏
公明党は25日午後、都内で第14回全国大会を開催し、2年後の結党60年をめざし、党勢拡大にまい進する決意を新たに勇躍出発した。党代表に再任された山口那津男代表は「全議員が党勢拡大に闘い抜き、大いなる飛躍を遂げて結党60年を迎えたい」と力説。来年春に迎える統一地方選について「公明系候補が政界に初進出した党の出発点であり、党の基盤を強化する上でも断じて勝たなければならない」と強調し、「決意を新たに党勢拡大に向け地域へ、現場へ勢いよく打って出よう」と呼び掛けた。大会では、石井啓一幹事長、高木陽介政務調査会長ら本部役員が指名・承認された。
=2面に人事一覧と関連記事、3面に山口代表のあいさつ全文
山口代表は、公明党の前身である公明政治連盟の第1回全国大会で党創立者が立党精神の淵源となる「大衆とともに」の指針を示されてから今月で60年となったことに言及。「立党精神に込められた思いは『庶民の声を代弁する政党、政治家はいないのか』という“衆望”にほかならない。衆望に応えていく闘いこそ公明党議員の不変の使命だ」と訴えた。
その上で、長引くコロナ禍やウクライナ危機、物価高といった危機を打開するには「どこまでも庶民に寄り添い、生活を守る立党精神の実践が今ほど求められている時はない」と強調。党の「生活現場の小さな声を聴く力」「ネットワークを生かした政策実現力」を発揮し、「一刻も早く国民に安心と希望を届けていこう」と力説した。
当面の政治課題のうち新型コロナ対策については、感染防止対策と社会経済活動との両立を一段と進め、医薬品の国産化を後押しするなど次の感染拡大に備えた体制整備に万全を期すと述べた。
物価高対策では、政府が10月に策定する総合経済対策に向け「今後の与党提言を踏まえ、施策の具体化や財源となる今年度第2次補正予算案の編成に尽力を」と求めた。
ウクライナ危機を巡っては、ロシアの核による威嚇に強い懸念を示した上で「唯一の戦争被爆国として日本は、来年5月の広島サミットなどを生かして核保有国と非保有国の橋渡し役を担い、『核のない世界』に向けた潮流を加速させねばならない」と強調した。
統一地方選に向けては地域から党勢拡大の波を起こして「年末の茨城県議選をはじめとする統一外地方選挙全てに勝利し、連続勝利の上げ潮の中で完全勝利しよう」と呼び掛けた。
これに先立ち代表選出が行われ、党規約17条3項の規定に基づき、ただ1人の代表選出候補と確定した山口代表が出席代議員の起立総員で信任を得て再任。山口代表は新役員を指名し、石井幹事長、北側一雄中央幹事会会長(副代表)、高木政調会長ら本部役員32人が挙手多数で承認された。
党大会では、来賓として岸田文雄首相(自民党総裁)が出席し、あいさつ。創価学会の萩本直樹主任副会長(中央社会協議会議長)、沼倉千佳代女性部書記長(同委員)らも来賓として出席した。
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党大会後に開かれた第1回中央幹事会では、常任役員人事を了承し、幹事長指名人事で新たに西田実仁選挙対策委員長が就任、佐藤茂樹国会対策委員長が再任された。
第14回 公明党全国大会
山口代表あいさつ(全文)
2022/09/26 3面
■(はじめに)「大衆とともに」を胸に強靱な党構築へ全身全霊
ただ今、代議員の皆さまのご信任を賜り、引き続き党代表の大任を務めさせていただくこととなりました。
強靱な党の構築へ党の力を最大限に発揮できるよう、「大衆とともに」との立党精神を胸に全身全霊、闘い抜いてまいります。また、次世代を担う議員と共に闘う中で、これまで培った経験をしっかりと伝え、後進の育成に全力を注ぐ決意であります。今後とも皆さまのお力添えを賜りますよう心よりお願い申し上げます。
本日の大会には、米国での国連総会から帰国間もない自由民主党総裁の岸田文雄内閣総理大臣にご出席を賜りました。党を代表して厚く御礼申し上げます。
岸田政権の強みは、国民の声を聴き、信頼と共感を広げていく国民本位の政治姿勢にあります。公明党は昨年の自公連立政権合意に基づき、国民の声に耳を傾けながら、謙虚で真摯な姿勢で政権運営に徹し、岸田政権を全力で支えてまいります。
わが党所属の熊野参院議員を巡る報道では、党員、支持者、国民の皆さまに大変ご心配をおかけしています。改めて、おわび申し上げます。こうした問題が二度と起きないよう、今一度、公明党議員は自らを厳しく戒め、党全体で綱紀を正してまいりたい。
公明党は今月13日、党創立者である池田大作・創価学会名誉会長が立党精神の淵源となる講演をされてから60年を迎えました。本日の大会は、立党精神の意義と実践を改めて確認し、2年後の結党60年へ勇躍出発するための会合です。さらに、来年春には、統一地方選挙が控えており、党の盤石な基盤を構築するため、何としても完全勝利を果たすためのスタートでもあります。
全国の公明党議員の皆さま、党大会を機に決意新たに党勢拡大に向け地域へ、現場へ勢いよく打って出ようではありませんか。
■(危機の今こそ立党精神の実践を)衆望に応える闘いが使命/国民に安心と希望届ける
「大衆とともに語り、大衆とともに戦い、大衆の中に死んでいく」との立党精神に込められた思いは、当時の高度成長の発展から取り残され、苦難に遭いながらも、政治から置き去りにされた無数の庶民の願いや期待、すなわち「庶民の声を代弁する政党、政治家はいないのか」という“衆望”にほかなりません。この衆望に応えていく闘いこそ公明党議員の不変の使命です。
現在、長引くコロナ禍やウクライナ危機、物価高といった「多重危機」が国民生活に押し寄せています。その中で、どこまでも庶民に寄り添い、生活を守る立党精神の実践が今ほど求められている時はありません。生活現場に飛び込み、その声を議員ネットワークの力で政策に反映していく。「生活現場の小さな声を聴く力」「ネットワークを生かした政策実現力」、この二つの力に一段と磨きをかけ、一刻も早く危機を打開し、国民に安心と希望を届けていこうではありませんか。
「大衆とともに」との立党精神は、健全なプロセスに基づき、国民の声を政治に生かす民主主義の本来の姿を示す規範でもあります。それを実践する公明党は、民主主義を支える要の存在です。民主主義の土台は、政治に対する国民の信頼であり、未曽有の危機に挑む今、政治への信頼は不可欠です。自公連立政権として20年間、公明党は、いかなる時も国民の声に耳を傾け、丁寧な説明を尽くすとの姿勢で政権運営に当たってきました。引き続き、安定した自公政権を堅持し、わが国を取り巻く危機の打開へ総力を挙げてまいりたい。
■(当面の課題について)コロナ防止、社会活動を両立/幅広い「総合経済対策」を
新型コロナについては、ワクチンや治療薬の実用化など重症化を抑える対策が前進し、第7波の感染者数も減少傾向に転じています。引き続き感染防止対策に気を緩めることなく、社会経済活動との両立を一段と進めなければなりません。その上で、次の感染拡大に備え、医薬品の国産化を後押しし、いざという時に十分な量の医薬品が確保できる体制の整備に万全を期さなければなりません。
また、この秋も相次ぐ食料品などの値上げから家計を守る対策が急務です。従来の対策は、ガソリン価格の上昇を大きく抑えるなどの効果を発揮し、政府は対策を延長・拡充する追加策を実行しました。これに加え、政府が10月に策定する「総合経済対策」では、さらに幅広い対策を効果的に講じる必要があります。政府は、今後の与党提言を踏まえ、施策の具体化や、その財源となる今年度第2次補正予算案の編成に尽力してもらいたい。
ロシアのウクライナ侵略は、力による一方的な現状変更の試みであり、断じて許されません。ロシアの核による威嚇など従来の核軍縮の流れに逆行した動きがある現状を強く懸念しています。核兵器の使用は断じて防がねばなりません。唯一の戦争被爆国として日本は、来年5月のG7広島サミットなどを生かして核保有国と非保有国の橋渡し役を担い、「核のない世界」に向けた潮流を加速させなければなりません。
■党調査団の成果踏まえウクライナ支援で提言
ウクライナ避難民支援では、党東欧調査団がポーランドなどウクライナと国境を接する3カ国を訪問し、大きな成果を上げることができました。冬場を前に住宅や暖房施設の復旧が急務であることなど現場で把握した生のニーズに迅速に応えられるよう近く政府に支援策を提言したいと思います。
年末の「国家安全保障戦略」など3文書の改定に向けて、厳しい安全保障環境を考慮した日本の防衛力の整備が大きな論点になっています。公明党は党内議論を重ねて考え方を取りまとめ、与党協議を通じて国民の理解を得られる内容となるよう議論を尽くしていく方針です。
今月29日には、日中国交正常化50年の節目を迎えます。公明党は、中国との交流に一貫して取り組み、対話の扉を開く役割を担いながら、両国関係の改善に力を注ぎます。一方で、国際社会が指摘する懸念について、中国は透明性ある説明を尽くし、懸念払拭に努力してほしいと望みます。
■霊感商法被害防止へ関連法見直しなど必要
旧統一教会を巡る問題は、宗教と政治の問題ではなく、社会的な問題を多く抱える団体と政治家との問題と捉えるべきです。「信教の自由」や「政教分離」という憲法上の問題と捉えるべきではありません。
また、いわゆる霊感商法の被害を防ぐには、既存の消費者関連の法律見直しなどが必要だと考えます。
■(結党60年へ統一地方選に断じて勝つ)党勢拡大の金字塔、全議員で地域に根を張り実績重ねる
私たちがめざす次の目標は2年後の結党60年です。全議員が党勢拡大に闘い抜き、大いなる飛躍を成し遂げて結党60年を迎えたい。どこまでいっても、私たち公明党議員の党勢拡大の突破口は、常に地域、そして一人に寄り添う中にあります。地域に根を張り、一人の声から実績を積み上げていく。この実践なくして信頼を広げることはできません。
来年春の統一地方選挙は、その闘いの結果が表れる重要な政治決戦です。統一地方選挙は、公明系候補が政界に初進出した党の出発点であり、党の基盤を強化する上でも断じて勝たなければなりません。全議員が、かつてない党勢拡大の金字塔を打ち立て、必ずや全員当選を勝ち取っていこうではありませんか。
まずは年末の茨城県議選をはじめとする統一外地方選挙全てに勝利し、その連続勝利の上げ潮の中で統一地方選挙に完全勝利しようではありませんか。私自身、その先頭に立って闘い、断じて勝つとお誓いし、ごあいさつとさせていただきます。