主張 #児童虐待対策 #一時保護 で子どもの意見尊重へ(公明 新聞2022/04/27 2面より)
主張 #児童虐待対策 #一時保護 で子どもの意見尊重へ(公明新聞2022/04/27 2面より)
虐待を受けている子どもを守る取り組みを前進させたい。
衆院で14日、児童福祉法改正案が審議入りした。虐待を受けた子どもを保護者から引き離す「一時保護」の要否を裁判所が判断する司法審査制度の導入が柱の一つで、公明党の主張が反映されている。
一時保護については、保護者の同意が得られずに子どもを返した結果、虐待が深刻化するケースが問題となっている。
このため今回の改正案では、一時保護に対して親の同意がない場合に、児童相談所(児相)が裁判所に一時保護状を請求するよう義務付けた。請求を受けて裁判所が審査し、必要性を認めれば一時保護状が発行される。
注目したいのは、裁判所の審査で子どもの意見を尊重することが盛り込まれている点だ。
2019年に千葉県で小学4年生の女児が虐待を受けて亡くなった事件では、女児が「家に帰りたくない」と話したり、父親による性的虐待を打ち明けていたが、児相は一時保護を解除していた。
取り返しのつかない事態を未然に防ぐために、子どもの意見や意向を丁寧に確認することは重要だ。
また、1989年の国連総会で採択された「子どもの権利条約」は「子どもの意見の尊重」が原則の一つである。日本は同条約を94年に批准したが、国内外から取り組みが不十分と指摘されていた。今回の改正案は、こうした点からも意義がある。
ただ、虐待を受けて心身ともに傷つき、自分の気持ちや考えを正確に伝えることが難しい子どもは少なくないはずだ。意見聴取に際しては、児童心理の専門家などによるサポートが必要となろう。
警察庁によると、全国の警察が2021年に摘発した虐待事件で被害に遭った18歳未満の子どもは2219人に上り、過去最多となった。
痛ましい事件が繰り返されぬよう、今国会での法案成立を期したい。
