◆「識者に聞く 与党公明党の実績 コロナ感染対策 提言を重ね、スピード実現/長崎大学学長 河野茂氏」(公明新聞2021/08/29 1面より)
政府の新型コロナウイルス感染症対策の決定過程に科学的な知見を反映させる仕組みとして、「専門家会議」(現在の新型コロナウイルス感染症対策分科会)があります。公明党の提案で、感染拡大初期の昨年2月にいち早く設置されたことをまず評価しています。
1年半に及ぶコロナとの闘いで、国民の不満も募っています。この中で、与党の公明党が政府に対し、“言うべきことは言う”との是々非々の姿勢で提言を重ね、対策を前へ進めていることに注目してきました。
そうした実績の一つとして、唾液を使ったPCR検査の保険適用が昨年6月に認められたことが挙げられます。きっかけは同年4月、長崎港に停泊中の大型クルーズ船で発生した集団感染への対応でした。感染の有無を乗員の唾液から調べると、鼻咽頭の検体を使った検査と同等以上の有効性がありました。このことを公明党国会議員に伝え、国会で取り上げられた結果、スピード実現しました。
コロナ禍で、医療提供体制の脆弱性も明らかになっています。急がれるのは、感染症を専門に診る医師の育成強化です。また、迅速かつ柔軟な治療薬の開発も大きな課題です。公明党には一層、対策をリードしてほしいと願っています。
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◆「消費税の軽減税率 庶民の心を大事にした政策/東京大学名誉教授 神野直彦氏」
所得の低い人ほど、より重い負担となる消費税の逆進性を緩和するのが軽減税率です。この実現は、庶民の心を大事にし、常に社会的に弱い立場の人に光を当てるという、結党以来の公明党の本領が発揮された結果といえます。
福祉充実のため、皆で負担を分かち合うのが今回の消費税率引き上げの目的でした。一方、国民の中には税金そのものに対する拒絶反応である「租税抵抗」も大きく、それを乗り越える知恵が軽減税率だったわけです。後世の人が歴史を振り返った時、「軽減税率は画期的な出来事だった」と評価するでしょう。
軽減税率導入とセットで消費税率の引き上げが実現できたことにより、社会的救済が必要な人たちへの財源の見通しが立ちました。特にコロナ禍で福祉制度をどうにか維持できているのは、消費税率引き上げによる増収分が財政の下支えになっているからです。
また、コロナ禍で所得が減った人や年金生活者にとっては、2%の税率差が暮らしに大きな影響を与えます。軽減税率はこうした方々の購買意欲を維持することに寄与するとともに、経済的負担を軽減するという意味で、それ自体が暮らしを支える福祉サービスという役割も担っています。
■経緯
軽減税率は、2019年10月の消費税率10%引き上げ時に導入されました。酒類と外食を除く飲食料品全般などが8%に据え置かれました。
公明党は12年から政党で唯一、軽減税率の導入を主張。消費税率引き上げとその使い道を決めた「社会保障と税の一体改革」で当時の民主、自民、公明による3党合意の中に低所得者対策の選択肢として盛り込ませて以降、一貫して推進役を果たしました。
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◆「3つの教育無償化 “全員に等しく”の理念に賛同/恵泉女学園大学学長 大日向雅美氏」
公明党が政権与党の中で、岩盤に穴をうがつような粘り強い努力の末、教育無償化を実現したことに敬意を表します。
“全ての人に等しく教育を”との教育無償化の理念に大いに賛同しています。まず、子どもの幸福や確かな人生を保障する大切なライフライン(生命線)だからです。もう一つは、これまで教育と福祉は別々に議論されていましたが、教育無償化はその両面の効果があり、教育と福祉を一体的に推進する道を開くものだからです。
コロナ禍で家計が苦しくなった家庭を支えるセーフティーネット(安全網)として、教育無償化が役立っています。教育現場に身を置く者として大変心強く、教育を受けたいと一心に望む子どもたちに救いの手を差し伸べるものになったと改めて感謝しています。
時代と共に「弱者」の概念が変質しています。公明党の結党当初は、経済的困窮など一部の人たちを救済することが福祉と思われていました。しかし今は、心の病なども含め、いつ誰が弱者になるか分かりません。こうした中で“誰一人取り残さない”というイメージを多くの人が公明党に抱いています。教育無償化はその象徴に映っているに違いありません。
■経緯
「3つの教育無償化」は、2019年10月にスタートした幼児教育・保育の無償化、20年度から実施されている私立高校授業料の実質無償化と、大学や専門学校など高等教育の無償化をいいます。
幼保無償化は、公明党が06年発表の「少子社会トータルプラン」で掲げ、段階的に対象を広げてきたものです。私立高校授業料の実質無償化、高等教育の無償化も、粘り強い取り組みにより実現させました。
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◆「防災・減災『社会の主流』に押し上げる/東北大学名誉教授(同大学災害科学国際研究所初代所長) 平川新氏」
公明党は2018年の党全国大会で、防災・減災・復興を政治、社会の主流に押し上げることを掲げました。激甚化・頻発化する自然災害に備え、人々が安心して暮らせる社会をめざす上で大事な視点です。
なぜなら、この方針は、単なる土木事業の増大などハード面にとどまりません。防災教育や避難行動に代表されるような、ソフト面の充実も重視しているからです。特に、女性の視点に立ったきめ細かな対策が求められています。
その上で欠かせないのは、政策の継続性です。公明党の推進で、政府は18年度から20年度まで総事業費7兆円規模の「3カ年緊急対策」、21年度からはインフラ老朽化対策を含めた同15兆円規模の「5カ年加速化対策」を実施しています。災害は変容していくため、今後も中長期的な予算確保を期待しています。
東日本大震災が発災した3月11日から10年以上が経過しました。復興のカギは、災害の記憶をどう風化させないかです。
阪神・淡路大震災が起きた1月17日が「防災とボランティアの日」に制定されたように、新たな記念日を設けるなど、防災教育と災害伝承の取り組みを、さらに進めてほしいと思っています。