本日、徳島県で、全国初開催として高校生によるエシカル消費における課題解決発表「エシカル甲子園2019 ~私たちが創る持続可能な社会~」が行われました。
12月20日、政府はSDGs(持続可能な開発目標)への取り組みを、行動の10年として初めて改定し、広島市では、2020年度からの10年計画である基本構想・基本計画に、すべてSDGs(持続可能な開発目標)の目標があてはめられており、「エシカル消費」についても普及啓発を推進していくとのこととなっております。
「エシカル甲子園2019」は、消費者庁の伊藤明子長官の挨拶から始まり、68校の応募から本選へ12校が出場。
その中で最高賞である内閣府特命担当大臣賞を受賞したのが、開催県代表の徳島県立徳島商業高等学校の「Palm Sugar Story~未来への希望~」との発表でした。
カンボジアの特産であり、また、健康にも良い成分を多い含むヤシ砂糖を活用した取り組みで、ヤシ砂糖の生産は、地面で薪を焚いて作られており、商品化する為に、衛生的な環境づくりと品質改良プロジェクトを発足。高校生自ら沖縄の黒糖工場を視察するなど行い、それらをもとに加工場の整備。その結果、900kgだった生産量が約2.7tに増産。また、そのヤシ砂糖を利用したヤシ砂糖カステラやヤシ砂糖アイスも商品化。そして、その収益でカンボジアの学校運営を支援。高校生たちの素晴らしいエシカルな取り組みに感動です。
その他の受賞でエシカル推進協議会賞を受賞したのは、【北海道・東北ブロック代表】の市立札幌大通高等学校による「SDGsの達成に向けた高校生ができること」とのテーマで発表でした。
外国籍を有する者も受験できる高校として、異文化理解や国際協力活動への意識が高く、今回の発表では、「教材開発・商品開発」への取り組み発表が行われました。教材開発は「フェアトレードで世界旅行」とのスゴロクゲーム。よく調べられており、SDGsを楽しみながら学べるこのゲームをぜひやってみたいと思いました。また、商品開発は「フェアトレード・チョコレート」と「蜜蝋によるエコラップ」商品の紹介でした。
また、徳島県知事賞を受賞したのが、【四国ブロック代表】で愛媛県立三崎高等学校の「みさこう最先端エシカル~限界集落から、持続可能な地域へ!~」との発表でした。
学校は、全校生徒80人で、「うみ、そら、かぜ」に恵まれ、人間よりイノシンの方が多いところで、四国の最西端にある高校とのこと。この町が持続するために衣食住をテーマに発表。衣は伝統文化の裂織りに注目。食は高校の構内で栽培している橙を活用して、橙のすし酢、だいだい寒天ゼリー、だいだいジャム、だいだい芋ケーキ等を商品開発し、賞を得た商品も誕生とのこと。住は防災対策で若者が高齢者避難をサポートするなどの町の安全を確保するために知識を習得。また、空き家対策を学ぶ為に県外の尾道まで視察するなど、リアルにある課題に対して、本気度が伝わってきました。そして最後に「私たちの故郷を守りたい!がんはるぞー!」との明るいかけ声に希望を感じました。審査委員の方からも「限界集落とネガティブなテーマから、むちゃくちゃ魅力的な町であることが伝わってきましまた」と。
徳島県教育長賞を受賞したのは、【東海ブロック代表】で愛知県立愛知商業高等学校の「ミツバチと創る、持続可能な地域と未来~未来へ繋ぐエシカルのバトン~」との発表でした。
校舎の屋上に都市型養蜂の実証実験を開始。ミツバチを核に、社会貢献型商品の開発やイベントを実施。SDGsを意識した実践を通してエシカル消費の普及・推進に取り組み、生徒たちが、「誰かが解決すればではなく、自分自身がどう解決できるかと取り組んできました」「企業探しは(断られる場合もあります)、すべて生徒自ら見つけ、自分たちの足で訪問し、提案を行ってきました」との話も素晴らしいものでした。
最後、消費者庁長官特別賞を受賞したのは、徳島県立阿南支援学校の「地域の課題解決に貢献!特別支援学校が取り組む竹林再生活動」との発表でした。
阿南市は、放置竹林が地域の課題となっており、地域のやっかいものである竹を有効資源としての活用策を提案。若い竹は竹紙に、古い竹は竹パウダーにして、防災トイレでの活用(臭いを分解する成分)や牛糞と混ぜて堆肥するなどの提案がありました。
また、【九州・沖縄ブロック代表】の博多女子高等学校も「竹採物語~私たちが救う竹林問題~」との同じ竹に関するテーマでしたが、アプローチがそれぞれ違い、博多女子高は、竹林問題解決策として、メンマのスナック菓子を提案。これも、とてもユニークでした。
その他、【甲信越・北陸ブロック代表】の長野日本大学高等学校は、「エシカルシティ“NAGANO”を創る『あるをつくして運動』の発信をきっかけとして~」とのテーマで発表。「あるをつくして」とは、信州で使われている言葉で、「いま目の前にあるものを大切に」との意味で、エシカルの姿のひとつに通じている。「日本にある『もったいない文化』、しかし、いま日本がその役割を果たしていると言えるでしょうか」との高校生からの訴えは響くものがありました。取り組みとしては、エシカル通信の毎月発行し、「ゴールは、エシカルを知っている人とエシカルを知らない人を繋ぎ、エシカル認知度100%を目指すこと」と。
高校生たちからの提案は、新しい発想とポジティブなアイデア、そして爽やかなエネルギーにあふれていました。
21世紀の社会を担う今の高校生たちが、社会の最先端の課題に挑戦し、地域や世界と繋がっていく貴重な取り組みであり、近い将来、いや来年、広島市から中国ブロック代表として出場できるように、支える仕組みを提案していきたいと思います!