5月13・14日、自治政策講座in横浜「進む人口減少と自治体の政策」を受講
5月13・14日、神奈川県民ホールにて第15期 自治政策講座in横浜「進む人口減少と自治体の政策」を受講してきました。テーマは私のど真ん中で期待も大きく会場入りしました。特に収穫のあった二講義の概略は以下のとおりです。
◆持続可能な都市経営の課題
人口問題と自治体が直面する課題については、
人口問題研究所の直近のデータで2025年問題の解説をいただきました。2010年比で75歳以上人口が53%増(岡山市でも50%増)は、提示されると破壊力充分です。
また、高齢者人口の急増に伴う財政負担の増加はみんな頭の中にあるものの、個人市民税の推移との比較や扶助費と高齢者人口には高い相関がある点は新鮮でした。
持続可能な都市経営のための戦略(人口減と高齢者増への対応)では、
絶対数が急増する高齢者へのサービス提供体制をつくることについても53%増という具体的な数字を踏まえると見える景色が違います。
また、生産年齢人口を誘致するためのサービスの充実と都市ブランドを上げる戦略は想定内でしたが、
ファシリティマネジメント+PRE戦略で、PREはまちづくりだ、というのは確かにそのとおりで、市民参加というキーワードはFMやPREでは想定外でした。
岡山市における課題対応については、
まず推計です。本市における2025年の高齢者数、高齢者扶助費、個人市民税の推計を算出し(見える化)、財源及び必要な施策を検討しなければなりません。それを受け、取捨選択と政策の優先順位付けを6月議会で議論したいと思います。
◆これからの健康・介護予防政策—健康格差社会と自治体
この講義は当所予定の講師は緊急手術が入ったため代打だったのですが、素晴らしかったです。
気になっていたけど掴みどころが判らなかったことを言い当てていただいたといったところでしょうか。以下箇条書きにします。
1.社会と健康
・21世紀初頭からはじまった「健康日本21」では生活習慣病対策を進めてきたが、これらの疾病は減少していない。
・健康づくりというと、とかく個人の努力の問題とされやすいが、社会環境が個人の健康に対してかなりのインパクトを持っていることが豊富なデータで示されてきている。メタボも糖尿病も要介護者も、低所得者や社会的孤立者に多い。この事実を見逃してきた、あるいは無視してきたことが、これまでの健康増進施策の不振の原因と考える。
2.健康格差の現状と課題
・健康状態は集団によって異なる(健康の多くは社会環境で決まる)。つまり、本人の努力の及ばない、その人が置かれた社会的に不利益な状況により、不健康となってしまう(健康格差)。
・地域の交流、社会参加なども健康づくりには欠かせない社会環境要因
3.自治体での取り組み(3つのアプローチ)
①見える化
健康状態が地域の中でどのように分布しているのかを把握する必要がある。
・一番死亡率の高い地域、一番低い地域
・保健センターとの距離と地域の利用者の割合
・サロン開催と参加者の分布
健康格差を社会経済格差や地域格差の視点で把握し、政策が最重要ターゲットとすべき人々を見つけ出さなければ、次の一手が見えてこない。
健康格差を視覚化するには、自治体がすでに保有している保険や税に関するデータを活用すれば、かなりのことが高精度で可能になるはずだが、実際は「個人情報保護」の名の下に、その活用は進んでいない。個人のためのきまりが、個々人の利益のためのリソース活用を拒んでいる。
(マイナンバー法の施行が打開の糸口になるか?)
②連携
社会環境に切り込まなければこれからの健康づくりは難しいとすれば、保健部門が福祉のみならず、雇用、教育、地域振興、都市計画といった他部門と柔軟に連携できるシステム構築が不可欠。(そのためにも見える化は重要・・・・問題意識を共有するために)
③まちづくり(によるソーシャルキャピタルの醸成)
健康・介護対策として、コミュニチィのなかで人と人とがつながる仕組みを再構築する→すなわち、まちづくりが健康対策そのもの。
すべての人が場所と役割を持てるまちづくりが、重要な健康対策、そして健康格差対策となる。
まとめというほどでもありませんんが、まちづくりのポイントは、社会が家族の役割を果たすことです。そしてそのためには、行政サービスは公平にという理念ではなく、必要なところに必要な手を入れなければなりません。