4月23日、24日、都内で開催されたセミナーに参加
4月23日、PHP研究所東京本部2階ホールで開催された、地方議員のための政策力アップ講座「公共施設管理の最適化に向けて」を受講しました。概要は以下のとおりです。
テーマは進まない保全・再配置をどう進めるか
1)「白書」制作までの課題
・近代以降、成長型の社会では効率的なタテ割りで組織が運営されてきたが、低成長時代になっても行政組織にはタテ割りの既得権が残ったままである。従って、施設の情報を一元化(固定資産台帳)するには大きなエネルギーが要ることになる(時間もコストもかかる)。
・施設の情報を一元化とは統一した固定資産台帳を作るということだが、款項目も予算決算もばらばらなので、一元化できているのは200自治体くらい。
・ポイントは、①白書にお金と時間をかけすぎないこと(総務省の簡易ソフトで㎡35万円試算をすればおおよその実態がわかる)。②いつできて、面積がいくらで、減価償却額、残存価値がいくらでというのが判ればよい(固定資産台帳)。
2)「白書」以後の課題(一向に進まない)
・白書は実態(データ)を示すが、施策の優先順位を示してはいない。
・総論賛成、各論反対で改革は進まない。
①日本では縮減型の再編成、統合再配置(施設を縮小しながら充実していく)はやったことがない。箱モノを建てインフラを充実するという思想以外にはない。
②地域住民は統廃合を嫌がる。タテ割りの組織で住民の要望を聞くと、市全体では拡張計画になる。
③縮小という意見は議会からも出ない。
・ここを突破していくにはどうすればよいか。
①白書を台帳(資産把握)や情報開示のツールに終わらせないで、公共施設再編の基本計画を盛り込む。つまり、総論の段階で各論(手順)についての理解をとりつけることで、実効性の高い方針(基本計画)が策定可能になる。
②狙いをつけたモデル事業で検証しながら進める。
③単にコスト削減をするのではなく、節約した分を投資に回すというプロジェクト管理をすることで反発を和らげる。
3)行財政改革
・施設から機能へ発想転換
公共施設は貸室機能がほとんど。しかも稼時間は非常に少ない。再編成が重要。
公共施設の価値は利用価値(利用率、稼働率が高い=価値が高い)。
・「行政財産」から「普通財産=市民財産」へ
行政財産は→行政目的→部局の管理→タテ割り、と進む。固定化され変化への対応ができない。
・指定管理者制度はもっと活用できる。
施設の利用目的をはっきりさせる。
契約期間と競争原理は反比例するとは限らない。
修繕費を含め指定管理料以外のコストが上がっていく傾向にある。(要調査)
岡山市における公民館等の統廃合・再編問題、あるいは幼保一体化に向けた統廃合・民営化問題など、個別の事例において本市は苦しんでいる現状にある。また老朽化対策は新築移転とニア・イコールという現状にもある。財政的制約の中で持続可能性を考えれば当然行革からスタートする以外にない以上、総論が実現可能な手順を過たず進める上で参考となる講演だった。
4月24日、クラブハウス会議室赤坂で開催されたセミナー、「法案成立間近!マイナンバーがやってくる」を受講しました。概要は以下のとおりです。
岡山市は現在、国保年金システム、市税システム、いくつもの福祉システム、住民記録システムなどを順次更新する一方、個々のシステムを統合する共通基盤システムを開発中ですが、同様の工程をたどりながら、番号制度導入に向けた下準備を行われている事例として、町田市の取り組み事例を総務部情報システム担当部長の坂下知司氏から学びました。
町田市では新庁舎への移転に伴い、業務システムも移行することが求められ、さらに、2006年から導入してきたオープン系システムがライフサイクルを終え、更改に向けた対応を迫られていました。
そこで、安全かつ速やかな移転を第一義としつつ、移転を機に情報システムの刷新を図ることを決定。移転に伴うリスクを最小限に減らしつつ、これまでの個別最適から全体最適に大きく転換。膨大な数のサーバ機器の集約を図り、運用コストを削減できる環境を整備してきました。
移転に伴うさまざまな課題を解決する手法として町田市が選択したのは、新たに統合システム基盤を構築し、そのもとで仮想化技術を用いて各種業務システムのサーバ群を集約、CPUやメモリなどのハードウェアリソースを負荷に応じて柔軟に利用できる統合サーバ環境を導入することでした。
1.町田市に於ける情報システム刷新 ~2012年新庁舎移転を機に~
■システム構成要素の密結合から疎結合へ
地域情報プラットホームを介した業務システム間連携= 業務ユニット間疎結合に
仮想化技術を使ったサーバ統合(庁内・庁外クラウド) = 業務ユニットとサーバ間疎結合に
シンクライアント化= 業務ユニットと端末・ネットワーク間疎結合に
■結果的に
庁内・庁外クラウドを使った多拠点運営= ディザスタ対策・節電対策
プライベート/コミュニティ/パブリックなど各種クラウドの活用= 運用負荷の軽減
3年間で既存システムコスト半減、 新たなシステムは削減分で構築= 経費削減
・市民感覚・・・なぜ同じシステムを使い続けないのか?と思っている。だから一時的にも追加予算(イニシャル導入を仕方ないと言わない)を求めなかった。
・情報システムの全貌(全体予算)を捉えた。(役所はタテ割りの部門ごとになっていて全体把握が難しい)
・全庁のシステムを統合の対象とした。
各システムの更新時期を捉える。既存業務システムの利用期間延長。
・データ構造を標準に合わせた。
マイナンバー実施までは時間があるとの思いは禁物。一斉構造変更はコストが膨らむ上、大混乱する。
・例外を掌握する。
住基ネットのように共通基盤の外にあるものはある。例外こそ確実に記録する。
・計測(モニタリング)できる仕組みの組み込み。
2.自治体クラウドへの移行の阻害要因と、その排除策
■積重ねた規則・制度・手順・ノウハウ・慣れ
→改革風土作り、長期計画立案、最重要だが時間が掛かる
■経費
既存システムのリース残(1-5年分)
新システムの構築費/データ移行/教育・訓練
移行期間(3年程度) 新旧システム併行稼動
→現行でまず削減;簡素化、目途をつけ、本格取組み着手
■人材不足
既存システム運用・改善に忙殺
情報化全域を鳥瞰する人材の払底
→現行システムの簡素化、人事交流、相互支援、民間人活用、切磋琢磨
■硬直化したシステム(構成要素の密結合)
業務ユニットとサーバ等コンピュータ
端末とネットワーク
業務ユニット間
→サーバ統合、仮想化、シンクラ化、業務ユニット見直し、地域情報PFに準拠した連携
○自治体が環境変化に対応できる仕組みをうかがいました。
①自治体クラウドに参加する・・・小さい自治体向け
複数自治体による共同運営(北海道西胆振、神奈川県町村組合など)
ベンダー提供のクラウドサービス利用(奈良県宇陀市、広島県三次市など)
②情報システムの構造を整理整頓(簡素化・近代化)する・・・大きい自治体向け
具体的には、
システム基盤の共同利用(全業務システムを対象)
業務システム間連携基盤(地域情報PF準拠)の共同利用
◆①、②いずれもナケは掛からない、むしろ節約できる。(共同利用はワリカン)
◆マイナンバー法対応には地域情報PF準拠が前提とされている。
3.マーナンバー法の趣旨
業脊事務の処理において、個人又は法人その他の団体に関する情報の管理を一層効率化するとともに、当該事務の対象となる者を特定する簡素な手続きを設けることによって、行政運営の効率化及び国民の利便性の向上に資すること。
平たく言えば、
・行政機関は、国民から既に聞いた同じ内容を何度も聞くな!
・利用者の了解を得たうえで、その情報を持っているところに電子的に問い合わせろ!
・何度も役所に呼び出すな!
というところです。
→圧倒的な市民サービスと行財政改革が期待できる。
まずは岡山市の情報システム担当に、町田に行って情報交換をしていただきたい(あるいは学んできていただきたい)と伝えました。