8月5日・6日、静岡県へ視察に
◆静岡市美術館(8月5日)
静岡市は静岡アートギャラリー(平成9年の開館)において様々な展示活動に取り組んできたが、低い天井や手狭なバックヤードなど、施設面での制約から十分な美術館活動が困難な状況にあったことから、静岡アートギャラリーに代わる「都市型美術館」として新たに静岡市美術館の開館に至った。(平成22年5月)
コンセプトは静岡駅前に位置する「都市型美術館」。「ロダン」をはじめ収蔵品に利のある県立美術館に対し、収蔵品を持たないがゆえに市の伝統工芸作品から現代美術まで、幅広いジャンルの展示に取り組むことが可能であり、また、「都市型美術館」という立地環境を最大限活用すべく、近隣文化施設や商業施設との連携を図るとともに、誰もが気軽に来館し、触れ、憩い、寛ぐことのできる空間整備と事業展開を目指しているとのこと。
確かに後発の美術館ができることを考えるとき、限られた事業費を作品の収集に費やすよりは企画展を増やすほうが市民にとって価値が高いことは想像に難くない。
また、フロアは展示室と交流ゾーンにほぼ2分されており、交流ゾーンはエントランスからカフェ、多目的室、ワークショップ室が配されていることと併せ、開館前から今日の運営に至るまで市民参加の仕組みを織り込んでいることは特筆ものと言える。
そして、見落としてはならないのは、指定管理者である(公益財団法人)静岡市文化振興財団。この財団はなかなかのプロフェッショナルで、美術館を2館、他には音楽館に科学館、文学記念館に文化会館や文化センターなど多くの文化芸術施設、それに生涯学習センター(岡山市の公民館に当たる)を11館運営している。当日ご説明いただいた学芸員さんの情熱と造詣の深さから「こりゃ、ものが違う」と感心した次第(随意契約への批判もあるとうかがいましたが、淀みは感じられませんでしたので今のままで良いのではというのが正直な感想)。
岡山市デジタルミュージアムは2012年10月1日から岡山シティミュージアムに名称が変更になるが、名称だけでなくコンセプトや運営のあり方として大変示唆に富んでいる。
◆静岡県地震防災センター(8月5日)
基本的には地震防災についての自助・共助の啓発を行う施設だが、特に防災リーダーの育成をはじめとした人材育成研修のメニューの充実が目を引いた。研修講座は定員を上回る受講応募が続いており、小中高校生も県教委が防災協力推進校を決めて計画的に行うことで裾野の広がりに取り組んでいた。
印象的だったのは以下の3点
①早くから指摘されていた東海地震への備えが進んでいる、いわば「先進市」においてさえ市民の備えにはかなり温度差があること。(約5000の自主防災組織が整備されているにも関わらずということは、組織率の低い岡山市においては言わずもがなということでもある)
②「百聞は一見にしかず」のとおり地震体験コーナーで地震を体感して理解したのは、住宅の耐震化の必要性。例えば我が家は新耐震基準(S56)以後の建築ではあるが、3連動の新想定(震度6)に耐えられるとは思えなかった。住宅の耐震化が進まない現状を変えるには体験が一番有効。
③静岡県の地震防災の要の施設であるにも関わらず、事業仕分けに掛かったとの説明を受けた。啓発が広報だけなら市町村でという考え方もあるだろうが、この施設をよくぞ掛けたものだ。(実際には、重要性が認識されたとのこと。当然でしょう)
ちなみに、閉館日が月曜日なのも利用者目線で好感した。
岡山市においても岡山県との様々な機会に必要性を訴えるべきだと感じた。
◆岡山市のまちづくりPartⅠ(8月5日、静岡大学)
いままでは単純集計とクロス集計により「岡山市のまちづくり」に関するアンケートの分析に取り組んできたが、さらに踏み込んだ多変量解析についての馬居教授の講義を、今回静岡市の視察日程に組み込でいただいた。
手順は、①等質性分析、②クラスタ分析、③判別分析、④クロス集計
脳みそがよじれるほど難解だったが、この日は手順に続いて解析の概要説明まで。翌日はこの解析による詳細なデータの講義が予定されており、脳みそは一回転してしまうかもしれない。
それにしても、この大学の研究室はびっくりするくらい年代ものでした。(ちなみに教授の親切で静岡の街並みを車で巡っていただきましたが、静岡県立大学は比較にならないほど立派で美しい外観でした)
◆静岡県の地震防災対策(8月6日、静岡県庁)
昨日の地震防災センターに続き、本庁で危機管理部理事から説明を受けた。「東海地震」対策は35年間、一貫して強化に取り組んできた組織と、多角的重層的な施策ともに執念さえ感じる取り組み内容となっている。
また、担当の理事がその権化ともいうべき人物であることも、こうした推進の原動力になってきたのだろうと推察される。
説明では、啓発では「自助×共助×公助=地域防災力」。足し算じゃなく掛け算。一つが「ゼロ」になったら地域防災は成り立たない(ゼロ)との危機意識。そして「静岡県の防災は追手町(庁舎)で指示するのではなく現場に入ること」という徹底した現場主義が印象に残った。
また、基礎自治体として特に参考にしたいのは、地震防災月間と地域防災訓練を連動させている点。地域任せではなく命を守る「訓練」が根付く取り組みを推進していきたい。
◆静岡市駅前商店街を中心にしたまちづくり(8月6日、静岡市役所、中心市街地商店街から新静岡セノバまでの街歩き)
静岡市中心市街地活性化基本計画の説明では、特に商店街の現状と課題、また再開発事業について多くの時間を割いていただいた。
静岡市は岡山市と同様に「商都」であり、静岡駅北口を中心に商業ゾーンが形成されているが、一番の違いは行政ゾーンや文化歴史ゾーン(駿府公園)が商業ゾーンと隣接してコンパクトに一体的に形成されている点。
例えば、再開発の新静岡セノバは既存の大型商業施設を越える商業床での出店にも関わらず、エリア内の競合(潰し合い)よりも、広域からの集客効果を上げており、商業集積に成功している。
岡山市の場合は商業が二極になっており同様には論じられ内面もあるが、2014年のイオン出店を集積力アップと捉えまちづくりに活かす視点がより重要になると感じた。
またそれぞれの商店街がシャッター街にならず特徴を活かして生き残っているのも、奉還町や千日前の今後を考える上で参考になると思われる。
◆岡山市のまちづくりPartⅡ(8月6日、ホテルシティオ静岡)
新静岡セノバ近くのホテルシティオ静岡の会議室を借り、株式会社サーベイリサーチセンター(岡山市議団が調査・分析を契約している会社)による現時点での分析結果の説明、馬居教授の講義。
岡山市の施設と施策が岡山市民に「知られているか」、「利用されているか」をマトリックスにした上で、市民の属性を新たな座標軸で起き直すことで、個々の施設や施策の課題とともに、これからのまちづくりにおいて、本市が抱える最も大きな課題は何なのか、解決するにはどの位置にいる市民のグループ(クラスタ)に対してどのようなアプローチが必要なのか、などが主な内容で、最後に質疑と併せ、市民に向けて、今回の政務調査の広報媒体についての意見交換も行った。





