5月14日、「地方議員のための地域福祉の政策と実践」を名古屋で受講
平成24年度NOMA行政管理講座に名古屋へ出かけました。テーマは「地域福祉」。講師は日本福祉大学社会福祉学部教授 野口定久氏。
冒頭、「地域課題への「応戦」として地域福祉を考察していく講義です」と、講義の位置づけを話され、期待感が高まりました。
時間配分には幾分難がありましたが、興味深く、また実践的な気付きのある内容で、収穫ありです。
概要は以下の通り(箇条書きですみません)。
◆現代日本が抱える3つの危機
①人口構造の危機
②経済危機
③自然環境エネルギー危機
◆地域福祉の概念
社会福祉と違い、地域福祉はもともと行政の政策からは抜け落ちていた。
◆これからの高齢者政策の方向と対応システム
このままでは介護保険の第6期はパンクする。
健康状態の推移を3段階に分けると
1)健康かつ就労が期待されるゾーン
2)介護予防が期待されるゾ-ン
3)要支援・要介護のゾーン
このうち
1)健康と就労について、「健康」は個人の自己責任、「就労」は企業や市場すなわち民間の問題と行政は言ってきた。しかしこう言っててはダメ。健康と就労に積極的に政策を打ち出していくことが重要。
2)介護予防を介護保険を使ってやらない。包括の専門職はこっちに手を取られないこと。ここは一般行政施策でやる。
つまり行政が、1)と2)を強化して対応すべき。
3)を介護保険でやる。専門職は相談を受けるだけ聞くだけでなく対応まできちんとすること。
◆地域福祉の目標
福祉コミュニティをつくるという意思が要る。
福祉コミュニティの拠点形成=居場所をつくる
次に出番を作ることが大事・・・このプログラムがない
どういう場所にどういうプログラムを用意するのか。
サービスを供給していく側からは、中学校区が単位としてちょうど良い
◆コンパクトシティ
コンパクトシティで本当に良いのか?
集落がなくなったときの日本の社会はどうなるのか?
集落を残し自然を守る政策も同時に必要ではないか?
集落を守れば都市が守られる(自然生態系と人間社会システムは共生している。再生が必要である)。
自然生態系を守っているのは集落、集落に住んでいる人。
「水を守るには山を守るしかない。そしてその山を守るには山を守っている人を守るしかない。」(宮崎日日新聞『ふるさとを忘れた都市への手紙』より)
◆地域福祉計画の相関図
①高齢者保健福祉計画、障碍者福祉計画、健康21、次世代育成支援計画などは数値目標を持ち個別に計画されているが、それらの個々の計画の中で地域でやったほうが良い部分を地域福祉計画にまとめることで繋げていくことができる。
②地域福祉計画は、保健福祉の領域(タテ割り)を超えて、総合計画、防災計画、地域再生計画、まちづくり計画などと連携できる。・・・地域福祉計画は広がりを持つことができる。
※総合計画と地域福祉計画の範域と関係が紛らわしくなる
これは、行政と住民の間の役割分担の違い。行政は公助のウエイトが高く、住民は自助のウエイトが高い(だから市民がつくる)
◆地域福祉計画の構図
第1部 市民計画
第2部 行政計画・・・市民が作った計画の基盤整備を行政がしていく
第3部 社会福祉協議会活動計画・・・市民の活動を専門的な立場で組織化し支えていく。
市民会議を作っていく。とてもうまくできているところはどこの自治体・・・桑名市
◆ソーシャルキャピタル
ソーシャルキャピタルの指数が高いところは刑法犯罪率が低い(近所つきあい、相互扶助、社会活動への参加)。
ソーシャルキャピタルの指数が高いところは合計特殊出生率が高い
◆ソーシャルキャピタル親密圏の再編
町内会(旧住民層)と、NPO、あるいは新しい住民層が、集う、一緒に活動をすることが大事。
ビジネスの手法で社会的課題を解決する。
