瀬戸内海を核にした観光施策について
昨年12月から第2回瀬戸内海フォーラム(12/11、高松市)、中国運輸局からお越しいただいた勉強会(12/19、岡山市)、四国ツーリズム創造機構への視察(12/26、高松市)と「観光資源としての瀬戸内海」について書こう書こうと思いながらUPできずにいたテーマでしたが、やっとUPできました。
というのも、今、3月に開催予定の「第3回瀬戸内海フォーラム」(主催公明党離島振興対策本部)の下準備をさせていただいています。
これまでも微力ながら取り組んできた瀬戸内海の観光振興に、こうしたかたちで関わらせていただけて感謝しています。
昨年までのことを列記してみますと、
①従来の私の主張(2010年6月議会、個人質問等)
・瀬戸内海は世界的な第一級の観光資源であるにも関わらず、海と島をルート化した旅行コース(商品)の開発が遅れている。
・ルートをパッケージにして売り込む(発信する)には、沿岸自治体の広域連携が必要になる。
・また、インバウンドのアクセスから関西・福岡との連携も欠かせない。
・ビューポイント、グルメ、芸術、体験型コンテンツの開発・支援・整備が必要。
②12月11日、サンポートホール高松で開催された、第2回瀬戸内海フォーラム(主催:公明党離党振興対策本部)でのインプット
ⅰ)瀬戸内海の評価(再確認)
・新渡戸稲造・・・「瀬戸内海は世界の宝石なり」
・シーボルト・・・「海岸の景色は驚くばかり」
・リヒト・ホーフェン(シルクロードの命名者)・・・「これ以上のものは世界のどこにもないであろう」
ⅱ)四国ツーリズム創造機構(香川県観光協会会長:梅原利之様の基調講演)
・モデルルート(エメラルドルート)・・・瀬戸内海を核にした広域観光ルートの開発
③その他報道等での認識(西日本広域観光緊急会議の取り組み)
・日本観光振興協会の中部、関西、中国、四国、九州の5支部と経済団体などで構成する中部広域観光推進協議会、関西広域機構、中国地域観光推進協議会、四国ツーリズム創造機構、九州観光推進機構の5組織による西日本広域観光連絡会が設置し、5/17福岡、7/7高松、9/20名古屋で開催。
・具体策のひとつとして、主に訪日外国人客を対象にした「エメラルドルート(仮称)」の開発を決定。
こうした経緯から、四国ツーリズム創造機構に関心を持ち、梅原利之会長のご紹介で、事業推進本部本部長:平尾政彦様に面会を申し入れ、12月26日に訪問したところです。
以下、四国ツーリズム創造機構(視察)について少々触れます。視察の目的は次の二つでした。
①中国地域側の瀬戸内海観光を推進するにあたり、四国における機構の立ち上げの背景と、設立までの経緯を調査。
②広域観光ルート化(商品化)の手法等を調査。
なかなかすごい機構です。ご紹介しますと、
前身は四国観光立県推進協議会(1993~)。官が設立した協議会であり財政面も脆弱で実行部隊がなかったため、業務は外部に丸投げ。そこで、推進協議会を発展的に再構築し、愛媛県、香川県、高知県、徳島県、㈱JTB中国四国、四国経済連合会、四国電力㈱、四国旅客鉄道㈱、全日本空輸㈱、㈱日本航空インターナショナル、㈱日本旅行による官民一体となったオール四国の観光推進組織として、平成21年にスタートしています。
主な特徴としては、以下の3点でしょうか。
①民間組織力の活用、民間知力の活用、そして民間資金の活用
②役割の明確化。推進機構は外から呼び込む。四国内での交流や観光客誘致は各県の役割。
③数値目標の設定(ここが、本気度を表していると感じた)。平成21年度実績に、22~24年度の3年間で達成すべき目標を掲げている。
次に、誘客及びルート戦略の特徴をふたつ。
①官(各県)の寄せ集め部隊はどうしても、公平性の落とし穴に陥りやすいが、バランスではなく、戦略的に重点着地エリアを設定している。これは、外から四国への誘客を行う際に、滞在期間(宿泊日数)を戦略数値とし、その拡大のうえから四国西南部(四万十川の方面)を重点着地エリアに位置付けたもの。
②インバウンド、特に東アジアからの誘客をターゲットにする場合、起点となる主力空港はどうしても関西国際空港と福岡空港になることから、瀬戸内海を周航するコースを織り込んだ広域観光ルートを独自開発(これがエメラルドルート)。目玉は現代アートと多島美。従来の訪日観光ルートは、各国で商品化されており、東京→富士山→京都が主力(いわゆるゴールデンルート)となっていることから、国内旅行会社と併せ現地旅行会社へのセールスを強化している。
こうした取り組みが、西日本広域観光緊急会議でのエメラルドルート採用に結びついたと思われます。
さて、中国地方、また本市の取り組みにはどうあるべきなのか。
まず、推進する組織づくりという視点で、中国地域がまとまる困難さについて3点。
①現状把握
今回視察をした四国ツーリズム創造機構の中でも、JRが大きな役割を果たしていますが、四国(あるいは九州)と違ってJR西日本の中心的な観光地は関西であり、「中国」という単位でトコが起こしにくいという事情があること。また、まとまるための求心力よりもむしろ、鳥取は東へ、山口は西へと遠心力の方が強いことなどが挙げられます。
②現にある組織
中国地域観光推進協議会が、観光の視点から中国地域の独自の資源を活用した地域振興を図ることを目的として、平成12年5月、中国経済連合会、各県商工会議所連合会、日本観光協会中国支部が発起人となって、「中国地域観光推進協議会」を設立されています。設立後、中国地域観光パンフレット作成など、中国地域のPRを中心とした活動を、また、平成16年度には、「中国ブロック観光情報サイト」を構築、そして平成22年7月からは、中国経済連合会から要員を派遣し、支援を強化していますが、四国ツーリズム創造機構と比較した場合、数値目標の設定もなく、実効力には乏しいように感じます。
③新たな動き
昨年12月末に、中国地方知事会の広域連合検討会は、鳥取県庁での初会合において、防災・観光で連携を模索することで一致したが、公平性・バランスの落とし穴の懸念を上記したとおり、魅力あるルート開発には困難が予想されます。
では、そうした困難さ中、本市の取り組みと役割はどうあるべきなのか。
(私の考えでは)観光の誘客においては、まず魅力ある素材(プラットフォーム)が中心にあって、それを商品化するための整備と情報発信をいかに行うかが第一です。そして周辺コンテンツやソフト(例えばグルメ、体験型イベント、地元民との交流など)の整備がそれに続くことで魅力が増すとともに、旅行のコースがメインルートから枝分かれしていくことになります。その意味から、瀬戸内海を核にした誘客が本市の観光の基本戦略になるべきです。
そうなると、手を組むべきは兵庫県、岡山県、広島県、山口県内の沿岸自治体となります。県を蔑にする訳ではありませんが、横串で瀬戸内広域観光に取り組む音頭をとるべきです。
また瀬戸内国際芸術祭のような核になる観光資源をオブザーバー参加ではなく実行委員会に入ってしっかりと役割を受け持つことも大事ですし、香川県、愛媛県との連携も必要になります。
いずれにしても、四国ツーリズム創造機構が民間組織力の活用、民間知力の活用、そして民間資金の活用に向かったように、連携軸をはっきりさせて民間事業者とともに誘客に取り組む仕組みを創ることが重要であり、本市は率先して推進に取り組むべきです。
