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11月8日~10日、保健福祉委員会で九州へ視察に。

未分類 / 2011年11月22日

障害者の就労支援、うつ・自殺対策、認知症対策という3つの課題について、九州へ視察に行きました。 

「ウェルとばた」は支援がてんこ盛りの施設です

◆11/8(火) 北九州市「障害者しごとサポートセンター」

ここはJR戸畑駅に隣接した好立地の施設に、様々な課題に対する相談窓口等が集合しており、利用者にとってはとても便利。
また、センターは、国・県・市から一括して事業を受けており、求人力を高めることに成功。
他にもこの施設内には、成年後見に関する県(みると)と市(らいと)のセンターが同室で事業を行うなど、タテ割りを超えて仕組みをつくるのが上手い都市だなと感心した。
しごとサポートセンターでは、まず「ゆっくりと話を聞いてもらえた」と利用者に喜んでいただけるなど、丁寧に障害者からの相談に寄り添うことからはじめ、その後もケース会議→登録→職業準備訓練と支援のステップが用意されている。
また、平成22年の法改正後、企業から法定雇用率達成に向け、「障害者への接し方、障害者ができる仕事の見つけ方」など、採用のプレ段階での相談が増加しており、こうした企業への対応も行っている。
通常、就労支援はまずはハローワークということになるが、このセンターの相談の傾向をみると、知的18~35歳、精神30歳~、精神50歳~と「ハローワークとは真逆に近い」傾向にあること、また、手帳のない方の相談が増加していることなど、補完機能を果たしていることが判る。
岡山市においても強化が求められている事業分野であり、現状、職場開拓が体系的に行われていないことから、マッチング推進の参考になる事業である。

鹿児島県精神保健福祉センター

◆11/9(水) 鹿児島市「精神保健福祉交流センター」・鹿児島県「精神保健福祉センター」

うつ・自殺の予防対策として両施設を視察、特に県のセンターはほぼオールインワンになっていた。(ちなみに長崎県は3障害+女性センターまでまさにオールインワンと教えていただいた。)
自殺と関連が深いのがうつ。しかしながら、県自殺予防センターで「自殺する方のうち精神科に行くのは1%くらい」と。自ら治療に向かうことが難しい実態が見て取れる。とすれば、まわりが早く気付いてあげることで、予防・早期治療につなげることが大事。例えば体の不調を訴えて病院に来る患者の中で、看護師が「病んでるかな?」と気になる方を保健センターにつなぐなどの連携等。
そこで鹿児島県では医療に関わる方々に対する人材育成や研修会、講習会を通じて対策の強化に取り組んできている。また、職場も早期発見のキーになることから職場のメンタルヘルス対策として、特にこうした研修などの機会が乏しい中小企業の管理者向けの講座等も開催しており、参加者が多かったとのこと。
また、うつに対する治療効果が認められている「認知行動療法」の研修会を昨年から開催(基礎研修、フォローアップ研修)しており、これには精神科の病院スタッフや看護師、精神保健福祉士(PSW)などが参加し好評とのこと。
こうした現場の理解やスキルをアップする施策を推進する上では、(現在、12年度の診療報酬改定について、公明党が厚生労働省に対して、チーム医療(看護師、PSW等)による認知行動療法を保険適用するよう求めているが)、保険適用が認められれば大きな追い風になるに違いない。
現在、全国のセンターで認知行動療法を行っているのは68か所のつい12か所と聞く。岡山での実施に取り組みたい。

熊本県庁は豊かな自然に囲まれた美しい庁舎でした

◆11/10(木) 熊本県「認知症疾患医療センター」

増加する認知症。
しかし課題が。家族が症状に気付いても「精神科」に行くのは敷居が高い。従って、症状が重くなって手に負えなくなって病院に行くケースが多いこと。また、全国的に認知症専門医が不足。患者の増加に医療体制が追い付いていないこと。そして、認知症が脳の疾患であることを含めまだまだ広く正しく理解されていないこと。
そこで、高齢化率が高いという現実と危機感を背景に、こうした課題に対応するために、熊本県は「熊本モデル」と呼ばれる先進的取り組みを進めている。
結果からいうと、今現在は「患者が、認知症かどうかという診断を受けに、つまり非常に軽い段階で病院に来るようになった」と成果が出てきている。
ではどうやってきたのかというと、認知症の早期診断や診療体制を充実するために、地域での拠点機能を担う「地域拠点型」と県全体を統括する「基幹型」の2層構造の認知症疾患医療センターを整備した(平成21年7月)。基幹型センターは関連する医療スタッフの技術向上を目的に専門講習をみっちり行い認知症に関する専門性を高めるとともに、医療と介護の連携に取り組んでいる。一方、地域拠点型センターは、地域のかかりつけ医など医療関係者に対する支援や連携を強化するとともに、包括支援センターとの連携も強化している。特筆すべきは、医療側と介護側双方に専従の連携担当者を配置し、医療と介護の「重なり」をいかに広げていくかに心を砕いている点である。このことは医療=県、介護=市町村、つまり県と市町村の連携強化ともいえる。
こうした取り組みを通じて、医師に限らず医療職また介護職や介護事業者など幅広い認知症疾患に対する専門性の習得とネットワークが生まれ、前述した早期発見や早期のつなぎ、対応が進んだのである。
岡山市においても本年10月より地域拠点型センターが開設されたが、熊本モデルのような県市の連携も、また医療と介護の連携を強化する事例検討会をはじめとした支援力の向上策も、まだまだこれからといえる。仕組みづくりを進めたい。