11月4日、がん検診企業アクション中四国セミナーに思う。
11月4日、厚生労働省委託事業として山陽新聞さん太ホールで開催された「がん検診企業アクション中四国セミナー」に参加しました。
このセミナーは国民のがん検診受診率50%超をめざす国家プロジェクトとして展開されているものです。
皆様よくご存じのとおり、日本は先進7カ国のうち、唯一がんによる死亡割合が増加し続けている世界一のがん大国でありながら、がん検診の受診率が20%台と最低水準のがん検診後進国です。
行政から住民への主なアプローチは、最近になって無料の検診やワクチン接種のラインナップが加わりはじめましたが、いずれにしても基本は検診を呼びかける「広報による啓発」です。
しかし、3月の大震災以降ACジャパンが子宮がん予防を啓発するなどを大量放送しましたが、検診率を押し上げる効果がみられなかったように、がん検診についていえば広報は効力を発揮しないようです。
行政が使うもうひとつの手法は、学区などで任命されている役員や町内会のルートで地域に伝えたりアクションを期待するものです。しかしながらクーポンの対象年齢である20~60歳の住民は、高齢者と比べると地域の網の目から漏れやすく、やはり効果は限定的です。
実はこれらの対象者に効果的にアプローチできるのは職域、つまり企業や団体です。
がん検診企業アクションとは、こうした角度から検診を推進しようとする取り組みなのです。
しかしながら11月1日現在で、この推進パートナー企業に登録している企業は岡山県下でまだ10社しかありません。
何もがん検診に限った話ではありません。すぐに思いつく項目でも、子育て支援(産休、育休、企業内保育)、ワークライフバランス、健康診断、障害者雇用、男女共同参画などの推進が挙げられます。
つまり、なかなか課題解決が進まない分野においては、企業は行政にとって重要なパートナーなのです。
一方企業にとっても女性の能力を十分に発揮できる環境を整備することは企業価値を高め利益にも貢献しますし、心身の健康等、貴重な人材の損失を回避する取り組みは有効なリスクマネジメントです。
今まで企業は行政のお願いを簡単には聞いてくれないかも知れませんが、しかしそうした企業の体質や制度を変えるために、岡山市は何としてきたのか、何ができるのかを問い直し、積極的に関わっていかなければ、従来の行政チャンネル・行政手法では課題はますます手に負えなくなります。課題を解決するにはその責任を担うポストか人を配置することからはじめるべきです。