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人をつなぎ 未来をつくる

8月3、4日、岩手県大船渡市へ

未分類 / 2011年8月13日

①被災地
レンタカーで一ノ関から大船渡へ(約76km)。山越えが続き、残り18kmでスギ林の一列目が上部を残して茶色く枯れているのと、その先の平地が一面の瓦礫になっている光景が同時に目に飛び込んできた。陸前高田市である。建物はほとんどなく、たまにコンクリートの構造物が壁面を残して無残な姿を晒している。
しばらく走ると海沿いに出た。水没したままのスタジアム(野球場)と5階建てのうち4階までが破壊された雇用促進住宅が津波の高さと凄まじさを物語っていた。
大船渡市に入る。津波浸水想定区域の看板が目に入る。信号は復旧しておらず、警察官が交通整理をしていた。

②大船渡市
佐藤議長、三浦議会事務局長より、市民が撮影した「3.11」映像を15分ほど見せていただく。当日は議会中だったとのこと。
スピーカーから市民に津波を知らせるアナウンスは「3m」。あまり緊迫感のない声。しかし間もなくスゴイのが来た。自動販売機が浮き、家屋が浮く。映像とともに、悲鳴が収録されている。高齢者の男性の声。「止めてくれ」「止めてくれ」と何度も叫び声。引き波の頃には「防波堤が何だ!防潮堤が何だ!」と力ない声に変わる。
実際、8/3の海には湾口防波堤は影も形もなかった。
続いて生活福祉部のお二人に状況をうかがう。
津波浸水想定区域は概ね逃げた。しかし過去被害を受けずに済んだ区域が犠牲になった。
避難は家族・近所でなされた。行政が行ったのは、まずは避難所での飲み食いの手配。保健センターも地域包括支援センターも、医療や飲食などのそうした緊急的な役割を担った。
高齢者などの安否確認は約1週間後。主に担ったのはケアマネージャー(担当の30~40人を確認して歩いた)。
医療については、市内の医療機関は診察できない状態だった。しかし、全国の自治体から医療チームがどんどん入ってきたおかげで助かった、薬の手当てもできたとのこと。透析患者も最悪の事態は免れた。
また、約3000人いる障がい者については、安否確認と居場所確認は相談支援事業所(8/4訪問)に委託。自治体の判断でリストを出したとのこと。
避難所等での状況は保健師さんが対応。聞けば、やはり車や自宅へと移った方がいたとのこと。
災害弱者支援についての課題をお聞きした。
ひとつは個人情報保護法の壁。災害救助法の適用で、初期医療の際には個人情報の提供が可能だったが、心身両面にわたりボランティアの支援が入る際に、より効率よく支援する上で必要な情報が出せないこと。
もうひとつは福祉避難所。震災後指定し設置したとのこと。事前に指定あるいは民間との協定などしておく、あるいはいざという時に運営してくれるNPOを確保しておくべきだったとの感想をうかがった。(事前に指定していると、すぐに埋まってしまうことがリスクにもなるので、避難所に行って、そこでは難しい方を福祉避難所に、という方が実際的かも知れない)
③社会福祉法人典人会
応対してくれた熊谷所長。自宅も実家も流された。明治29年三陸地震、昭和8年三陸地震そして昭和35年チリ地震、大船渡の人間は海の近くに住んでいれば覚悟はしていた。それでも漁業を生業としている以上、高台という訳にはいかなかったとの言葉が胸に迫り痛々しい。(昨日の志田主幹も家を流され娘を亡くされていた)
さて、この地域密着ケアホーム、グループホームと小規模多機能ホームからなっており、普段から夜間の防災訓練なども実施していた。また運営推進会議を活かし、地域の盆踊りを復活させるなど、ホームを拠点に地域とのつながりを構築してきた。
この震災では、ライフラインが寸断され情報はラジオだけ、生きていることさえ伝えられなかったという。施設はオール電化だったためお手上げ。
しかし、今までの地域密着サービスが力を発揮し、ご近所が釜持参で炊き出しに来てくれる一方、定員を越えて罹災要援護者を緊急受け入れ。地域の避難所となった。
ここでも課題をお聞きした。
ひとつは、情報についての行政の対応の鈍さ。
例えば、ケアマネージャーも保健師もよくやっているが、タテ割りで情報の共有ができない。また、現場の声、課題をすくい上げに来ない。結局、市長に現場から懇談会開催を要請したそうです。
もうひとつは、政府が震災後に出した特別措置。施設サービスのみが対象となっており、地域密着型サービスが外れているため、食費や居住費などの利用者負担に格差が生じており、特に、震災で利用者もその家族も収入が激減していることから、困っているとのこと。
④社会福祉法人大洋会
こちらは障がい者について。
前述したが、こちらは相談事業所として安否確認などに当たった経験からいくつか課題を指摘していただいた。
まず避難所については、学校がバリアフリーになっていないこと、また集団の中で災害弱者への配慮が不十分との指摘。
次に、情報収集と情報共有についての行政の課題。
漏れた点では、避難所は学校だけではないこと、支援にはいろんな団体が入っていること。こうした認識が不十分と見えて、例えば行政が開く連絡会から福祉事業者や民生委員などが漏れてしまった。
また加えて、調整・コントロール機能にも注文が。例えば仮設住宅には、今日は○○、今日は○○、今日は○○と連日同じ所に別のNPOが入っていく。これには入所者がうんざりしている。

岡山市には、15万人の高齢者、3万人の要介護・要支援者、3万5千人の障がい者が暮している。こうした災害弱者と目される方々の支援をしっかりと行うためには、ひとつは「ご近助のパワーアップ」、もうひとつは行政の情報能力の向上が重要。大船渡市での課題を本市で検証しながら対策を講じたい。
尚、大船渡市議会の森みさお議員(公明党)には大変にお世話になりました。ありがとうございました。