鳥取方式の芝生化を視察しました。
5月12日(火)、同僚の中原議員と「NPO法人 グリーンスポーツ鳥取」代表のニール・スミスさんが手掛けた芝生化の視察に、鳥取市湖山池北岸のグリーンフィールドを訪れました。
◆グリーンフィールド
「芝も草も英語ではgrassです」「芝生に求められる品質は目的に応じて違います。ここは2種類の芝と17種類の草ですが、週に2回4センチに刈るだけで、(草が混ざっていることは)何の差し支えもありません」とニールさん。
まず、新潟、浦安など全国から集まった参加者21名は裸足になりました。チクチクしません。柔らかく粘り(弾力感)がある感触に、一同声をあげて驚きました。
破格の低コストに目が行っていた私も、子どもたちが外に出たくなる訳を実感しました。
グリーンフィールドでのこうしたカルチャーショックののち、私たちはいくつかの芝生化施設を視察に回りました。
なんとしても子どもたちのために「芝生化」を推進するためにとの鳥取訪問は、早くも大収穫の予感です。
グリーンフィールドをスタートに、合わせて6か所の芝生を視察しました。
◆鳥取大学付属小中学校。
ここは最初の実験地だそうで、芝生とベアグラウンドが並んでいます(一部を芝生化した)。
遊んでいるのは、大多数が芝生の上。
また、校舎からグラウンドに降りる階段下を指差して、ここが大丈夫ならOKなんです、と少し薄くなった芝生を指差してくれました。
ニールさんがそれぞれの施設の芝生化で実験的に得たデータによれば、
グラウンドと児童数の関係では、小学校では20m²/人以上、入学前では10m²/人(ただし4歳児以上)あれば芝を維持できるとの結論に至ったそうです。
帰り際、『何でここの芝生が剥げているかわかりますか?』そう言うとニールさんは芝のはげている鉄棒の下を指差します。『よく使う場所だからです。でもそれでいいのです。はげているなら、別の場所で遊べばいい。大事なのは芝生ではなく、芝生があることなのです。』
◆鳥取市布勢運動公園の球技場。
ここはポップアップ式の自動散水設備があります。デモで散水の様子を見せていただきました。
芝生化を失敗する原因の9割は散水不足、とニールさん。
以前は高麗芝で、使用回数が年に20回未満の球技場だったのを、需要に対応するために改修したそうです。いまではなんと年間500回使用されています。生育が早くダメージに強いティフトンだから可能なのです。
それと、自動散水装置。これは朝5時から稼働します。
人が水やりをすれば午前中は使用できません。ニーズから逆算すれば自動のほうが適しているのです。維持管理費を500回分で割り算すれば、コストパフォーマンスの高さも分かります。ちなみに横浜マリノスもここで練習したそうです。
◆湖山池東岸のお花畑ゾーン
◆八千代橋付近の河川敷
この2か所では「刈る」回数と行政課題について学びました。
お花畑ゾーンは鳥取市が管理し、月に1回の芝刈りをしています。
芝刈りといっても生えているのは自然の草です。そこの一部をグリーンスポーツ鳥取が週1回芝刈りし、比較実験をしていました。
生えているのは「ただの草」ですが、週1回芝刈りしているエリアは裸足で歩いても柔らかくて心地よいのですが、月1回のゾーンはチクチクと痛いのです。
ニールさんは「利用者が求めているニーズに合わせて整備する」んだとおっしゃっていましたが、確かに、寛いだり寝転んだり遊んだりスポーツをしたり、公園としてのニーズを満たすには刈り込む回数が重要なポイントだと感じました。
また、八千代橋付近の河川敷(ここも自然に生える草)では、国交省が管理しているエリアは定めに従って年に2回刈り込み。一方グリーンスポーツ鳥取が2週間に1度芝刈り。
どう違うかといいますと、国交省エリアはとても裸足では踏み込めない雑草が茂った状態。年に2回だとかなり草の茎も太く高くなるので下は草が育たず、刈った時は地面がむき出しの所が多いそうです。
ところが2週間に1度刈ると育つ草が変わってきて、だんだんと横の伸びる草が増えていました。
しかも、コストがサプライズ。
年間コストで2週間に1度刈る方が、年2回刈る半額で済んでいます。(1回当たりだとなんと1/12以下です。)
こまめなメンテナンスは安上がりで景観面でも利用においても優れていることが判りました。
ちなみに、業務委託上の手続きから、国交省は、高いコストの草刈を選択する傾向にあるそうです。
◆鳥取市立のぞみ保育園
ここは、昨年の6月にポット苗を植えた園庭(1100m²)です。ここもポップアップ式の散水設備を導入していました。施工費用は110万円(千円/m²)で、年間の維持管理費は11万円(百円/m²)です。
園の子どもたちが窓から「ニ〜〜ルさ〜ん」と声をかけてきます。
ニールさんはそれに応じながら、「園庭を芝生にした保育園は、以前は3時半にお母さんがお迎えに行っていましたが、最近は5時頃になりました。どうしてでしょう。それは子どもたちが遊びたがってなかなか帰らないからです」と教えてくれました。
また、ちょうど通路と園庭の境目に足跡サイズで芝がないところの土を触りながら、「今見ると、ここだけ荒れた土ですが、1年前までは、ここも、その土の園庭でした」と言われて、すでに芝生の園庭が当たり前になっていた(良さを実感していた)私たち参加者は、感慨を新たにしました。