淀川右岸水防事務組合活動の一日
昨日は奈良県吉野郡川上村にある「大滝ダム」と「森と水の源流館」を視察させて頂きました。大阪を朝の9時に出発して川上村に到着したのが11時30分頃と約2時間半で行ける距離で、まずは「森と水の源流館」を見学致しました。

森と水の源流館から見た吉野川

地図で見る川上村
当館は大滝ダム建設中の平成14年4月に完成、ダム湖沿いの中流域に、川上村における吉野川・紀の川の治水や利水の学習、水と自然環境の保護を目的に建設されました(管理運営:公益財団法人 吉野川紀の川源流物語/奈良県吉野郡川上村宮の平迫590-2)

森と水の源流館
川上村は吉野川と紀の川の源流にあり、源流の自然、水源地を守り、下流にいつもきれいな水を流し、水源地の村としての役割を果たすことを宣言され(川上宣言)、地球環境問題や水資源問題を水源地の視点から考え働きかけを行われています。

川上宣言.
館内では源流の森シアターとして映像での源流体験や、生息する動物や植物、昆虫等の展示も行われており、自然の恵みや自然の大切さを感じさせて頂きました。
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《紀の川》源を奈良県吉野郡川上村の大台ケ原に発し、紀伊半島の中央を貫流し、和歌山市において紀伊水道に注ぐ、幹川流域延長136km、流域面積1,750キロ平方メートルの一級河川(紀の川ダム統合管理事務所資料より)
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《水源地の森》川上村の奥地には、500年以上も昔から手つかずの森が残されています。先人たちが残してきた森をしっかりと受け継ぎ、未来へ手渡す。そんな想いから川上村は約740haの森を買取り吉野川源流「水源地の森」として守られています(公益財団法人 吉野川紀の川源流物語資料より)
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次に源流館のすぐ近くに建設されている「大滝ダム」を見学、当施設は、昭和34年9月に襲来した伊勢湾台風の極めて甚大な被害を契機に、国交省では大規模洪水防御を目的に紀の川水系上流部の川上村に計画されました。

上流側から見た風景写真

上流側の貯留状況

下流側・非常用洪水吐きのクレストゲート
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《伊勢湾台風》9月26日から27日にかけて、紀伊半島に上陸後、近畿、東海を北上、日本海を抜けて東北地方に再上陸、全国で死者4,697名、不明者401名、負傷者38,921名、全半壊15万戸、床上浸水15万戸超えと、戦後では最大級の台風被害といわれてる(淀川右岸水防事務組合の資料より)
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「大滝ダム」は、昭和37年から調査が開始され、40年に建設着工、移転戸数の多さや反対運動、長期の補償交渉、宮の平縄文遺跡の発掘調査等で、全ての移転が完了するまでに長い年月を要し、実に48年の歳月を経て、本年25年の3月に完成したとのこと(管轄:国土交通省近畿地方整備局 紀の川ダム統合管理事務所/奈良県吉野郡川上村大字大滝)

下流側から見た放流中の写真
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《大滝ダム》現在は奈良・和歌山両県の洪水被害を軽減、上水道、工業用水の安定供給、最大出力10,500kwの発電、河川環境の保全を目的とした多目的ダムとして稼働
堤高100m、堤頂長315m、総貯水量8,400万立方メートル、有効貯水量2,000万立方メートル、流域面積258キロ平方メートル、平成8年からダムの本体工事現場を郊外学習の場として学べる防災ステーションとして一般公開(淀川右岸水防事務組合の資料より)
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まずは、素晴らしい自然環境に感動、そして施設の大きさに驚き、生まれてはじめてダムの内部や放流システムを見学、尊い生命を守るためのダムの重要性を感じることができました。

ダム内に向かう階段から見るダイナミック広場

ダム内に向かう通路から見る下流域
手前の小さく見える建物は関電の水力発電所

ダム内で見る常用洪水吐き・上下段コンジェットゲート

コンジェットゲート等の油圧シリンダー

コンジェットゲート等の油圧シリンダー

ゲートの動き方

ダム内部の通路、内部は常に温度16度を保持しているとのこと
上下の移動はエレベーター

ダイナミック広場への出入り口

ダム下流側のダイナミック広場から
入口からエレベーターで地下5階まで

非常用洪水吐き・クレストゲート

常用洪水吐き・上下段コンジェットゲート

下流側から見る大滝ダム全貌
壁面の傾斜は約51度、エジプトのピラミッドと同じ角度とのこと

学べる防災ステーション
時間当り100mmから600mmの降雨量が体験できるとのこと
100mmは経験したことがありますが、600mmは想像できない・・・
時間の関係で建物前で説明を伺いました。
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過日の台風18号では、私たちのまちでも淀川や芥川の水位の上昇に恐怖を感じました。また、京都府等でも大きな被害が発生しました(心からお見舞いを・・・)、紀の川水系大滝ダム上流域においては、9月14日から16日にかけて、流域平均の総雨量が593mm、時間最大雨量が86mmとなり、ダムへの流入量が、ダム管理開始以降最大となる約2,200立方メートル/Sに達したそうです。
大滝ダムでは、約2,300万立方メートルの洪水を貯留、ダム下流の五條市では、紀の川の水位を約1.1m低下させる効果があったと推定され、氾濫危険水位を下回ることができたと考えられています。

平成25年9月14日の台風18号による降雨量

東京ドーム18杯分を貯留

大滝ダムの防災操作により
氾濫危険水位を下回ることができたと考えられている
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日本には四季があり、自然の美しさは神秘的だと感じます、しかし自然は、時として残酷な姿に変貌します。奇しくも国会では「南海トラフ地震対策特別措置法」(高台移転に財政支援等)が22日の参院本会議で全会一致で可決、成立しました。自然の災害から尊い生命をどういう形で守るのか、政治の関わり方がより一層、重要になってきていると感じる一日となりました。

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資料提供
- 淀川右岸水防事務組合
- 公益財団法人 吉野川紀の川源流物語
- 国土交通省 近畿地方整備局 紀の川ダム統合管理事務所