文教にぎわい委員会委員として 石川県白山市を視察
20日(水) と21日(木) の二日間、“文教にぎわい委員会” の行政視察に委員として参加。1日目の朝は、JR高槻駅からサンダーバードで出発。北陸新幹線にも乗り継ぎ一路、石川県白山市へ
「学校図書館支援事業について」、白山市立松南(まつみなみ) 小学校において取り組みのご説明や、学校図書館、移動しての市立図書館、支援センターの現場を視察させていただきました。
図書館の取り組み等のご説明をいただく前に、感動して印象に残ったことは、広い田園の中にある松南小学校の独特な校舎(写真上段右・左) と教職員室の見える姿。一番は児童との一瞬の出会いで、広い校舎内の廊下ですれ違う時、笑顔で「こんにちは」と声を掛け合い、こちらの学校教育の素晴らしさを感じました。
さて、今回のテーマである学校図書館支援事業についてですが、ご説明を受け、令和5年度の一人当たりの貸出冊数は小学校で137.8冊、中学校で34.7冊に驚き。(写真中段中)、読書の幅を広げる取り組みと教科での読書指導に重点をおかれておられることや、ブックガーデンの名称が付く広い学校図書館、設置されてある中が見えるエレベータ、その環境(写真上段中、中段右) に納得しました。
下校時間はスクールバスが迎えにきて、校庭には二宮金次郎の像。移動してから白山市松任学習センタープラザへ、こちらは複合施設となっており、市立松任図書館、松任児童館、コンサートホールが併設。(写真下段中) こちらに「学校図書館支援センター」が設置(写真下段右) されていて、ちょうど青いケースで本が返却されてきたところで整理しながら、司書等の皆さまの熱いコメントもいただき感動でした。
事業は、学校図書館支援センター(松任図書館内) が中心になり、図書館協力車を活用し、市内図書館(分館含む4館) へ週3回の配送、学校図書館へ年間45回の配送を行っておられ、水曜日は学校の荷物収集(学校間の相互貸借、市立図書館への返却)、金曜日は学校へ荷物配達(学校間の相互貸借、市立図書館からの貸出) のリズムで運用されています。
また、レファレンス(reference) の取り組みなど、図書館などで利用者の問い合わせに答える調べもの相談、調査相談などのサービスが充実しており、図書館の資料や情報を活用して、利用者の疑問や質問に答える調べもの、資料探しのサポートは読者への関心を高める評価すべき取り組みだと思いました。
白山市の学校図書館支援事業事業について、大変、勉強になりました。何よりも子どもたちの笑顔と平均の貸出冊数がすべてを物語っているように感じたところです。これからの「学び」を支える白山市学校図書館支援センターの重要性に感銘。関係者の皆さまありがとうございました。
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【調査事項】
① 支援センターが設立された経緯
平成9年から学校司書の配置がはじまり、令和6年には正規・会計年度任用職員27名を配置され市立図書館とのシステム統合(感想:学校司書の重要性と支援センターの必要性を感じました)
② 学校図書館そのものや児童生徒の利用の変化
学校図書で対応できないことなど、リクエストがあれば配送で供給でき、読書意欲がわいてくる。
(学校図書館の素晴らしさや、レファレンスの充実を感じました)
③ 学校図書館の3つの機能「読書センター」「学習センター」「情報センター」としての役割・工夫
知りたいこと、読みたい本の展示など、調べるスキルが向上。調べる王様へ
また、著作権、引用、要約など全学年を通して、本を扱う大切さ参考文献の重要性を指導されている。
(著作権などの質問、本を扱う大切さを低学年から知ることの大切さを感じました)
④ 必要な図書を備えるための予算について
児童・生徒の人数によって一定の予算を付ける。市内公共図書館分を学校図書館へ回す工夫
(本を巡回させる取り組みに効果・効率、ムダの削減につながりのではと感じました)
⑤ 各校を巡回して学校司書の支援を。具体的な相談や対応
館内レイアウトの工夫でわかりやすく、教員に授業で使ってもらう工夫など。
(学校図書館のステキなレイアウトに感動しました)
⑥ 地域や児童生徒の実態に応じた学校図書館をつくるための意識
各地域のジオパーク素材、独自の図書館(ジオパークコーナーなど) また、多様な子どもたちの居場所づくり
(郷土を愛するシビックプライドに通じ、不登校対策の一環にもなっていることに感銘)
⑦ 校区の小中学校で連携した学校図書館づくりなどの事例
小中学校のリスト化、授業内参観、中学校で紹介されたものを小学校で活用
(本を通して、連携型小中一貫の取り組みになっていることがすごい)
⑧ 白山市の児童生徒の読書活動の状況(平均貸出冊数、不読率等)はどうか。
令和5年、小学校では137.8冊、中学校で34.7冊、コロナ禍で少しダウン[小学校約6000人、中学校約3000人]
(取り組みの成功を物語っていると思いました)
⑨ 図書館の資料で対応が難しいものについての問い合わせ等のケース
ジオ学習の推進、小学校では「5分でわかる 白山手取川 ユネスコ世界ジオパーク」の活用等
(白山市の素晴らしさを発見したような)
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(参考資料) 石川県白山市
人口:112,597人(令和6年1月末現在) /面積:754.93平方キロメートル(県内最大 石川県の18%) /2023年5月24日 ユネスコ世界ジオパーク認定
市立図書館
松任図書館(蔵書冊数 335,189冊) /美川図書館(71,787冊) /鶴来図書館・分館(119,938冊・13,963冊) /かわち図書館(30,946冊) /移動図書館(5,398冊) /合計 577,221冊
白山市の小・中学校
小学校 19校 /中学校 9校 /合計 28校
市立図書館と学校図書館連携事業
調べ学習コンクール、ビブリオバトル中学生大会
学校図書館
平成9年から学校司書の配置がはじまり、令和6年には正規・会計年度任用職員27名を配置され市立図書館とのシステム統合
学校図書館支援センター
平成14年から学校図書館支援室を設置、令和6年、市立図書館に学校図書館支援センターに専任司書3名体制で実施
その他
市立松任図書館には図書除菌機の設置あり(写真下段左) コロナ禍からでしょうか?
白山市役所(写真中段左)
白山手取川ユネスコジオパークは、大地の遺産の保護とその活用を目的とする自然公園。