公明新聞「主張」 国民生活の利便性向上に期待
(公明新聞 2026/08/25 2面) 人工衛星による高精度の測位技術が国民生活の安全や利便性の向上につながることを期待したい。
宇宙航空研究開発機構(JAXA) は11日、国産主力ロケット「H3」に搭載した衛星測位システム「みちびき」7号機の打ち上げに成功した。日本の測位能力の精度を高める大きな成果である。
測位衛星による位置や時刻といった情報は、デジタル社会に欠かせない重要なインフラだ。スマートフォンの位置情報の精度向上や災害情報の配信にも役立てられている。
みちびきは、日本が独自に運用する衛星測位システムで、人工衛星からの電波によって位置情報を計算する。同様の働きをしているのが、米国の全地球測位システム(GPS) であり、みちびきは日本版GPとも呼ばれている。
みちびきの強みは、日本のほぼ真上に長時間とどまる軌道のため、GPSの電波が届きにくい高層ビル街や山間部にも高精度の位置情報を提供できることだ。
今回の7号機は国内に設置された地上局と衛星との距離を双方向から計測する新たな機能が備わり、測位精度が大幅に向上する。将来的には位置情報の誤差を現状の10メートル程度から1メートルまで改善することをめざす。
みちびきを巡っては、昨年12月に5号機の打ち上げに失敗したため、今回の打ち上げ成功で6機体制となった。ただ、現在の体制では日本を十分な精度でカバーできず、GPSと組み合わせて使うのが実情だ。
政府は2031年度に海外の衛星に依存しない7機体制にする方針だ。日本単独で常時測位が可能になることは経済安全保障の観点からも大きな意義がある。
今後は、この測位技術を自動運転や農業の省力化、災害対応などの民間サービスに生かしていくことが大切だ。公明党は民間企業の技術開発を支援する宇宙戦略基金の創設を後押ししてきた。政府は基金を活用しながら、測位技術を国民の暮らしを豊かにする社会実装や産業化につなげてもらいたい。

