81回目 長崎原爆の日
市長が宣言、多国間主義取り戻せ/式典に竹谷代表ら出席 核は「絶対悪」、廃絶を
(公明新聞 2026/08/10 1面) 長崎は9日、米国による原爆投下から81年を迎えた。
92歳になる母の故郷、長崎。当時11歳の女子、空襲警報が鳴り響くと妹弟の手を引いて防空壕へ避難。 また、キノコ雲を見たとの話し 長寿を祈念
爆心地に近い長崎市松山町の平和公園では、市主催の「長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典」が営まれた。式典には、核保有国を含む98カ国と欧州連合(EU) が参列し、台湾も2年連続で出席。米国はグラス大使が欠席し、首席公使が参加した。
公明党から竹谷とし子代表、秋野公造政務調査会長、窪田哲也参院議員、川崎祥司、宮本法広、本多泰邦の各長崎県議のほか、向山宗子、久八寸志、山本信幸、林広文、福沢照充の各長崎市議らが出席した。
式典では、原爆がさく裂した午前11時2分に合わせて黙とうをささげ、犠牲者の冥福を祈った。
鈴木史朗市長は平和宣言で、核保有国らが主張する核抑止論について「極めて危うい。核兵器は必要悪ではなく絶対悪であり、人類と核兵器は決して共存できない」と指摘。
すべての国の指導者に向け、国連憲章の理念に基づく多国間主義と「法の支配」を早急に取り戻すよう迫った。
「平和の原点は人間(ひと) の痛みが分かる心を持つこと」。鈴木市長は平和宣言で、爆心地から約850メートルの路上で被爆した故吉田勝二さんの発言を引用。分断が深まる国際社会に向け「相手の立場や苦しみに心を寄せ、分かり合おうと努力することは、対立や衝突を避けるための大事な一歩となる」と強調した。
日本政府に対しては、11月に開かれる核兵器禁止条約再検討会議への参加などを求めたほか、国が定める被爆地域の外にいた「被爆体験者」の救済を強く要請した。
「平和への誓い」を読み上げた被爆者代表の本村チヨ子さん(87) は、昨年訪れた米国での体験を踏まえ、「人と人が分かり合うためには対話しかない」と訴えた。
高市早苗首相はあいさつで「核兵器のない世界と恒久平和の実現に向けて尽力する」と話した。非核三原則については「堅持しており」と述べて今後の方向性は示さず、核兵器禁止条約にも触れなかった。
式典では、7月末までの1年間で新たに判明した原爆死没者2773人の名前を記した名簿3冊を遺族らが奉安。死没者数は20万4708人となった。
